市場ニュース

戻る
 

【市況】今週の【早わかり株式市況】3週続落・2万6000円割れ、ウクライナ原発への攻撃を嫌気

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は3週連続下落、ロシアのウクライナ侵攻に絡み思惑が錯綜
 2.週前半は買い優勢の展開で、一時は2万7000円台に乗せる場面も
 3.ロシア制裁で世界経済への影響と、商品市況高騰によるインフレ警戒
 4.パウエルFRB議長の議会証言受け、いったんはリスク選好ムードに
 5.週末はロシア軍のウクライナ原発砲撃を嫌気し、2万6000円割れ

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比491円(1.85%)安の2万5985円と3週連続で下落した。3週間の下げ幅は1710円に達した。

 今週はロシアのウクライナ侵攻に絡み引き続き不安定な地合いが続いた。日経平均は2月末を小幅ながらプラスで乗り切り、月初の3月1日も300円を超える上昇をみせたが、その後は波乱含みの展開に。特に週末には大きな波乱が待っていた。

 28日(月)は日経平均が前週末に急伸をみせた後で上下に不安定な値動きとなったが、取引終盤に買いが厚くなり小幅ながらプラス圏で着地した。この日は「月末安アノマリー」が意識されたものの1月末に続き2月もアノマリーを覆す形となった。1日(火)は大きく買い優勢となり、日経平均は一時500円近い上昇で2万7000円台を回復する場面も。ウクライナ情勢は混沌としているものの、空売り買い戻しを誘発する形で上値指向を強めた。その際、海運株への買いが顕著で全体相場の押し上げに貢献した。しかし2日(水)は急反落となる。ロシアへの制裁に伴い世界経済への影響が懸念されたほか、商品市況の高騰を背景としてインフレへの警戒感も強まった。前日の米国株市場でNYダウが600ドル近い下げをみせたこともありリスク回避ムードが強い。日経平均は450円あまりの大幅安となった。3日(木)は押し目買いが優勢に。パウエルFRB議長の米下院での議会証言を受け、利上げ幅は0.25%を示唆したことで前日の米国株市場で安心感が広がり、NYダウが600ドル近い上昇をみせ前の日の下げ分を取り戻した。東京市場でもこれに追随する形で買いが優勢となった。しかし、後半は上値の重さも意識される展開に。そして4日(金)は、朝方の取引開始後早々にロシアがウクライナの原発を砲撃したことが伝わり、日経平均は一時800円超の暴落に見舞われる場面があった。しかし原子炉への直接的な攻撃ではなかったことで、その後は買い戻される動きとなった。戻り足も鈍く、終値でフシ目の2万6000円台を割り込んだ。

■来週のポイント
 ロシアが攻勢を強めているウクライナ情勢が不透明なだけに、来週も底値圏での不安定な展開になりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では8日発表の1月景気動向指数や11日朝に発表される1-3月期法人企業景気予測調査が注目されるほか、11日にはメジャーSQを迎える。海外では7日発表の中国2月貿易収支や8日発表の米国1月貿易収支、9日に発表される中国2月の生産者物価指数と消費者物価指数、10日に発表されるECB(欧州中央銀行)の政策金利と米国2月消費者物価指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(2月28日~3月4日)

【↑】   2月28日(月)―― 続伸、欧米株高も前週末終値を挟み不安定な値動き
 日経平均 26526.82(  +50.32)  売買高14億4822万株 売買代金 3兆4497億円

【↑】   3月 1日(火)―― 3日続伸、欧米株乱調もリスク選好の買い優勢
 日経平均 26844.72( +317.90)  売買高12億4716万株 売買代金 3兆0344億円

【↓】   3月 2日(水)―― 4日ぶり反落、欧米株安やウクライナ警戒で売り優勢
 日経平均 26393.03( -451.69)  売買高14億2553万株 売買代金 3兆1119億円

【↑】   3月 3日(木)―― 反発、欧米株高を受けリスク選好の買い優勢
 日経平均 26577.27( +184.24)  売買高12億3494万株 売買代金 2兆7561億円

【↓】   3月 4日(金)―― 急反落、ウクライナ原発への攻撃が嫌気され売り優勢
 日経平均 25985.47( -591.80)  売買高15億2925万株 売買代金 3兆6277億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、22業種が下落
 (2)値下がり率トップはAGC <5201> などガラス・土石
 (3)トヨタ <7203> など自動車、HOYA <7741> など精密機器、日立 <6501> など電機といった輸出株が売られた
 (4)三井不 <8801> など不動産、セコム <9735> などサービスといった内需株も総じてさえない
 (5)第一生命HD <8750> など保険、みずほFG <8411> など銀行、日本取引所 <8697> などその他金融といった金融株も安い
 (6)市況高でINPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油、住友鉱 <5713> など非鉄、日本製鉄 <5401> など鉄鋼が買われた
 (7)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運が値上がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(18) サイバーセキュリティ
 2(8) ロシア関連 ── ロシア制裁の反動で企業収益への影響懸念
 3(3) 防衛
 4(2) 半導体
 5(1) メタバース
  ※カッコは前週の順位

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均