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【市況】押し目買い意欲は徐々に高まってくると考えられる/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 7日の日本株市場は、売り一巡後は底堅い相場展開が見込まれる。4日の米国市場はNYダウが21ドル安となる一方で、ナスダックは219ポイント高だった。1月雇用統計の予想外に強い結果を受けて、年内の利上げ観測が一段と強まり、金利の上昇が嫌気された。その後、雇用の改善で消費拡大期待も強まりダウは一時上昇に転じるも引けにかけては再び失速した。また、米長期金利が上昇するなか、金融株の一角が買われたほか、金利上昇が嫌気されやすいハイテク株はアマゾン・ドット・コムの急伸が追い風となって買われた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比120円安の27290円。円相場は1ドル115円20銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の展開になりそうだ。米雇用統計の発表が通過したこともあり、アク抜け感が意識されやすいほか、米長期金利が上昇するなかでハイテク株の強い値動きは安心感に繋がるだろう。米国の金融引き締めの行方に対する警戒感はくすぶるものの、1月相場のような波乱含みの相場からは市場は相当落ち着きを見せてきており、反対に決算を受けた要因に振らされやすい状況から、金融市場は正常化に向かっていると考えられる。

 そのため、売り先行ながらも5日線が位置する27259円水準や27000円辺りでの底堅さは意識されやすいと見られ、同水準では押し目狙いの動きも出やすい。決算発表がピークを迎えるなか、積極的な上値追いの動きが限られるものの、既に決算を発表した銘柄などを見直す動きは意識されると見ておきたい。そのほか、中小型株についてはマザーズ指数が明確なボトムを形成しておらず打診的な動きとはなるものの、これまで売り込まれていた銘柄などで需給整理は一巡していると考えられる。物色対象は絞られるものの、流動性の高い銘柄などの一角には自律反発を狙った短期的な値幅取り狙いの動きが活発化してきそうだ。

 また、政府はワクチン接触を加速させなければ参院選は戦えないとして、岸田首相は足元で1日50万ほどの接種回数のペースを速めて100万回に引き上げる目標を表明すると報じられている。また、山際新型コロナ対策担当大臣は水際対策の緩和に向け前向き検討するとの見解を示しており、経済活動の正常化への期待感が高まりやすく、押し目買い意欲は徐々に高まってくると考えられる。
《AK》

 提供:フィスコ

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