【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─市場は回復初動ステージに、決算通過後の買い復活銘柄に照準
株式アドバイザー 北浜流一郎
「市場は回復初動ステージに、決算通過後の買い復活銘柄に照準」
●鬼より怖い決算発表
始まったばかりの2月相場は、まずまずのスタートだ。1月相場は絶好ともいえるスタートを切ったのに、その後は急失速、結局1カ月まるまる下げてしまった。こんなこともあるので、今月も決して楽観はできないのだが、さすがに1月を上回るような絶不調の展開は考えられない。
1月の急落要因となった米国のインフレ懸念と金利引き上げ観測については、すでにある程度方向性が見えているからだ。
市場は、視界不良の状態では売りが優勢となるが、ある程度先が見えるようになると、上向き始める。いまはその初動段階にあると見るのが自然であり、基本的な展開として第3四半期(21年10-12月)決算発表を終了した銘柄を中心に買い戻しが見込める。
決算発表について私は「鬼より怖い決算発表」と、いつもこう言っており、発表前に売ってしまうことを提案している。決算またぎをしない派であり、決算発表と聞くだけで警戒心マックスになるのだが、それが終われば警戒心を完全に解除する。
これほど警戒するのは、発表された業績数字が好決算であっても株価は目茶苦茶に売られてしまうことが多いからだ。最近の例ではソニーグループ <6758> がある。22年3月期の連結最終利益を従来予想の7300億円から8600億円へと上方修正したにも関わらず、決算発表翌日に株価は前日比6%安と急落してしまった。
こうした決算発表に伴う評価益の急減や損失拡大を回避するには、次の2策しかない。
・発表前に売っておく
・発表前につなぎ売りをしておく
だが、2番目の方法は一般的ではないため、通常は「発表前に売っておく」ことになる。
●電子部品関連、インフレ追い風の総合商社などに注目
こんなややこしい対策を講じなければならないような決算発表だが、発表が終わると普通に売買できるので、ここからはすでに発表を終えた銘柄を狙っていけばよいことになる。
それらの中には、(1)発表で株価が下げなかった、(2)発表で大きく売り込まれた――この2種類があるが、銘柄をしっかり吟味すればどちらも有望だ。
具体的には まずは山陽特殊製鋼 <5481> だ。軸受け鋼で国内首位であり、自動車減産の影響はあるものの、今後は生産正常化が見込めるため株価はさらなる上昇が期待できる。
電子部品や電気機器、機械などを扱う商社であるサンワテクノス <8137> も値動きは緩やかながら続伸する確率は高いと見てよい。
電子部品の接続部分に使われるメッキ用薬品に強い日本高純度化学 <4973> も売られる理由はなさそうながら売られてしまった。しかし、このところ浮上の兆しを見せ始めているため注目だ。自動車関連株では、豊田通商 <8015> を。 リチウムイオン電池に使われるリチウムの調達に強い点が魅力的だ。
商社では総合商社株が軒並み高になっているが、その背景にあるのはインフレ進行だ。それは当面続くと見てよいため、鉄鋼石や原油の生産権益で先行する三井物産 <8031> でよい。
2022年2月4日 記
株探ニュース