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【市況】今週の【早わかり株式市況】大幅に4週続落、米金融政策転換とウクライナ情勢を嫌気

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は4週連続の下落、FOMC前後に大波乱展開で昨年来安値圏に沈む
 2.FRBの金融政策転換に加えウクライナ情勢も嫌気、リスク回避の売り鮮明に
 3.27日(木)は一時900円超の下落、一気に2万6000円大台攻防の様相
 4.週末は自律反発狙いの買いで持ち直すも、週間ベースの下げ幅は800円超に
 5.週を通じて半導体関連株への売りが目立ち、全体リスクオフ相場の象徴となる

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比804円(2.92%)安の2万6717円と4週連続で下落。

 今週は25日-26日に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果にマーケットの耳目が集まったが、結果的に日米株市場ともに波乱展開を強いられた。FRB(米連邦準備理事会)の金融引き締め政策への転換が改めて意識されたほか、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクも株価の下げ要因となった。

 24日(月)は前週末の米株急落を受け日経平均は安く始まったものの、その後は下げ渋った。米ハイテク株が売られる流れが続いており、東京市場もその影響を受けたが、堅調な米株価指数先物の動きを横目にプラス圏に切り返した。しかし25日(火)は急反落。FRBの変節を警戒したリスク回避の売りに加え、緊迫化するウクライナ情勢も重荷となり、日経平均は457円の大幅安。一時は2万7000円ラインを下回る場面もあった。取引終盤は空売りの買い戻しでやや下げ渋ったが、半導体関連株への売りが目立ち、全体指数を押し下げた。26日(水)もFOMCの結果発表を目前に買い手控えムードは強く、下値模索の展開を強いられた。半導体主力株の一角に買い戻しが入ったが戻し切れず、引けにかけて手仕舞い売りを浴び、日経平均は約5ヵ月ぶりに昨年来安値を更新。そして27日(木)は今週のクライマックスといってもよい。FOMCを通過して不透明感払拭が期待されたが、結果的にFRBのタカ派傾斜が鮮明となったことで、海外投資家を中心に売りがかさみ、日経平均の下げ幅は一時900円超に広がる波乱安に。一時は2万6000円大台攻防の様相をみせた。そして週末28日(金)は、ようやく自律反発局面に移行。日経平均は前日までの3営業日合計で1400円強の下落をみせていたこともあり、押し目買いやショートカバーを誘発、500円を超える上昇をみせ、2万6700円台まで水準を戻して今週の取引を終えている。

■来週のポイント
 米国の金融政策転換とウクライナ情勢を巡る地政学リスクへの警戒が続くとみられるだけに、来週も下値を探る不安定な展開になりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では31日朝に発表される12月鉱工業生産や2月1日朝に発表される12月の完全失業率と有効求人倍率が注目される。海外では31日発表のユーロ圏10-12月期GDPや2月1日発表の米国1月ISM製造業景況指数、4日発表の米国1月雇用統計に注視が必要だろう。なお、中国は1月31日から2月6日までは春節休暇となる。

■日々の動き(1月24日~1月28日)

【↑】   1月24日(月)―― 小反発、米株安受け朝安も後半切り返しプラス圏浮上
 日経平均 27588.37(  +66.11)  売買高10億8096万株 売買代金 2兆6447億円

【↓】   1月25日(火)―― 急反落、リスクオフの売り強まり一時2万7000円割れ
 日経平均 27131.34( -457.03)  売買高13億2031万株 売買代金 3兆1569億円

【↓】   1月26日(水)―― 続落、FOMCの結果発表を控えリスク回避の売りが優勢
 日経平均 27011.33( -120.01)  売買高10億3347万株 売買代金 2兆6676億円

【↓】   1月27日(木)―― 急落、FOMCを受けリスク回避の売りが表面化
 日経平均 26170.30( -841.03)  売買高15億4526万株 売買代金 3兆8216億円

【↑】   1月28日(金)―― 4日ぶり反発、値頃感から自律反発狙いの買いが流入
 日経平均 26717.34( +547.04)  売買高13億2965万株 売買代金 3兆3464億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、24業種が下落
 (2)日電産 <6594> など電機、HOYA <7741> など精密機器、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株が売られた
 (3)リクルート <6098> などサービス、ZHD <4689> など情報・通信といった内需株も総じて安い
 (4)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄、商船三井 <9104> など海運といった景気敏感株も軟調
 (5)金融はSBI <8473> など証券、オリックス <8591> などその他金融が下落も
   東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行は上昇
 (6)INPEX <1605> など鉱業株が値上がり率トップ

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  ※カッコは前週の順位

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