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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「カギ握るナスダックは陰転示唆、2月も需給懸念残る」

株式評論家 富田隆弥

◆1月27日の相場は厳しかった。日経平均株価は一時966円安の2万6044円まで売られ、841円安の2万6170円で取引を終えた。東証1部の値上がり銘柄数は87、値下がり銘柄数が2067と全面安となり、昨年来安値銘柄数は467に上った。

◆年初1月5日の高値2万9388円から27日安値までの下げ率は-11.3%に達する。日足チャートを見ると、年初から17本目(一目均衡表の基本数値)の27日に長い陰線を引き、RCI(順位相関指数)の13日線・25日線が-85%・-69%と底値圏に入った。こうなると27日の急落が目先のセリング・クライマックスになったとしてもおかしくない。反発するなら、割り込んだ三角保ち合いの下値支持線(2万8000円近辺)や、上から降りてくる25日移動平均線(27日時点2万8262円)を目指す可能性はある。

◆だが、チャートを崩した後だけに、上に控える節々をすぐ突破するのは難しいと思われる。信用買い残(1月21日時点)は3兆4173億円と依然高水準であり、評価損率が-12.9%(前週14日は-10.6%)に悪化するなど個別株の需給状況は厳しく、投資家が抱え込んだ不安も大きい。

◆日本株は米国株次第でもあるが、カギを握るナスダック(26日終値は1万3542ポイント)は週足のポイントである52週移動平均線(同1万4488ポイント)を割り込んだ。これはチャートの「陰転」と過剰流動性相場の「終焉」を暗示する。最近の米国株は日々乱高下しており、急反発する場面もあるが、割り込んだ52週移動平均線を奪回するまで安心はできない。

◆相場には「もうはまだなり」「戻り待ちに戻りなし」という格言がある。そして、理由にかかわらず「流れに従う」のが基本だ。勢いよく反発する場面もあるだろうが、日米とも待ち構える節を明確にクリアするまでは安心できず、しばらく戻り売りの展開をイメージしておきたい。

(1月27日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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