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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 売り仕掛けにヘッジ対応の動きも加わる可能性には注意


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 29290 -10 (-0.03%)
TOPIX先物 2023.0 +1.0 (+0.04%)
シカゴ先物 29285 -15
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 9日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。10月の米生産者物価指数(PPI)は予想通りながら、インフレ傾向が続いていることから、景気敏感株を中心に利益確定の売りに押された。イーロン・マスクCEOが保有株を売却するとの観測でテスラ<TSLA>が12%近い下落となったことも、センチメントを冷ます格好となった。また、足元で10月の米雇用統計やインフラ投資法案可決などを好感して上昇基調が続いていたこともあり、材料出尽くしが意識されるなか、利益確定や持ち高調整の売りにつながったようだ。S&P500業種別指数は小売、耐久消費財・アパレル、食品・飲料・タバコが上昇する一方で、自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、銀行が下落。

 シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比15円安の2万9285円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比30円高の2万9330円で始まり、上げ幅を広げ2万9370円~2万9420円辺りでの保ち合いで推移。ただし、米国市場の取引開始時には水準を切り下げ一時2万9190円まで下落すると、その後は2万9200円~2万9300円での推移が続き、2万9290円で取引を終えた。

 本日はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行の展開になりそうだ。米国市場の下落については、前日の時点でグローベックスの米株先物が弱い値動きをみせていたことや、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が株高警戒を示唆したと伝わっていたこともあり、ある程度は織り込まれているとみられる。また、ナスダック指数は前日まで11営業日続伸だったこともあり、利食いも出やすいところだろう。

 とはいえ、VIX指数は足元でリバウンドをみせており、17.78に上昇した。ボトム水準ではあるが、前日に25日移動平均線を捉え、9日は75日線水準まで上昇している。主要な株価指数が最高値更新を続けるなかでVIX指数が上昇をみせていることも、投資家心理を神経質にさせそうだ。

 日経225先物は前日の下落により、支持線として意識されていた2万9500円水準を下回った。そのため、2万9000円~2万9500円のレンジに切り下がる格好となり、25日線が位置する2万8860円辺りまでの調整も警戒されてくる可能性はあるだろう。テスラの急落も若干ながらセンチメントに影響を与えるため、ショート筋にとっては売りを仕掛けやすくなりそうだ。基本的にはこう着感の強い展開を想定しつつも、週末にミニSQを控えていることから、売り仕掛け的な動きに対してヘッジ対応の動きも加わる可能性には注意する必要があるだろう。

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