【市況】4日の米国市場ダイジェスト:NYダウ323ドル安、金利上昇や債務上限問題を警戒
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウ323ドル安、金利上昇や債務上限問題を警戒
米国株式市場は反落。ダウ平均は323.54ドル安の34002.92ドル、ナスダックは311.22ポイント安の14255.48で取引を終了した。中国の不動産開発大手、中国恒大集団と傘下の不動産サービス部門の株式取引が香港市場で停止との報道が嫌気され、寄り付き後、下落。石油輸出国機構(OPEC)プラス会合で、大幅増産が回避されNY原油先物がほぼ7年ぶり高値を更新したほか、セントルイス連銀のブラード総裁も高インフレが2022年まで続く可能性を示唆し、インフレ警戒感も売り材料となった。また、与野党の対立で、バイデン大統領が債務上限突破のリスクを警告したことも嫌気され、大幅下落となった。セクター別ではエネルギーが上昇が上昇した一方で、半導体・同製造装置が下落。
自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)はヘッジファンド、エンジン・ナンバーワンの投資が明らかになり上昇。同業のフォード(F)は第3四半期の売り上げに回復の兆候が見られると楽観的見方を示し、堅調に推移した。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は第3四半期の売り上げが過去最高を記録したことを明らかにし、買われた。また、石油会社のエクソン(XOM)、マラソンオイル(MRO)は原油高が収益増に繋がるとの期待に軒並み上昇。一方、ソーシャルネットワークウェブサイトを運営するフェイスブック(FB)は内部告発者が議会証言を5日に控えTVインタビューで同社がヘイトスピーチと偽情報対策よりも利益を繰り返し優先させたと訴えたことや、不具合が生じたことが嫌気され、大きく売られた。
欧州連合(EU)の医薬品規制当局は免疫系が弱い人を対象としたファイザー・ビオンテック製およびモデルナ製新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を支持すると表明。ただ、株式の買戻しには繋がらなかった。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:ドル伸び悩み、米インフレ長期化や債務不履行を警戒してリスクオフ
4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円23銭まで上昇後、110円82銭まで反落し、110円92銭で引けた。米8月製造業受注、8月耐久財受注の改善を好感し、ドル買いが一時優勢となったが、バイデン米大統領が「債務上限突破回避を保証できない」と警告すると、高インフレの長期化や米国の債務不履行を警戒したリスク回避の円買いが強まった。
ユーロ・ドルは1.1640ドルまで上昇後、1.1615ドルまで反落し、1.1620ドルで引けた。ユーロ・円は129円36銭まで上昇後、128円81銭まで反落。ポンド・ドルは1.3595ドルから1.3640ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9262フランから0.9230フランまで下落した。
■NY原油:続伸で77.62ドル、OPECプラスは大幅増産見送りで合意
NY原油先物11月限は続伸(NYMEX原油11月限終値:77.62 ↑1.74)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比+1.74ドルの77.62ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは75.32ドル-78.38ドル。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成するOPECプラスは閣僚級会合を開き、従来計画を上回る大幅増産の見送りで合意したことが原油価格上昇の要因。アジア市場の序盤に75.32ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて78.38ドルまで一段高となった。ニューヨーク市場の中盤以降は米国株安を意識した利食い売りが入ったことで上げ幅は縮小。通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台後半で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 43.34ドル +0.26ドル(+0.60%)
モルガン・スタンレー(MS) 97.15ドル -1.90ドル(-1.92%)
ゴールドマン・サックス(GS)374.15ドル -5.85ドル(-1.54%)
インテル(INTC) 53.47ドル -0.39ドル(-0.72%)
アップル(AAPL) 139.14ドル -3.51ドル(-2.46%)
アルファベット(GOOG) 2675.30ドル -53.95ドル(-1.98%)
フェイスブック(FB) 326.23ドル -16.78ドル(-4.89%)
キャタピラー(CAT) 193.13ドル -1.20ドル(-0.62%)
アルコア(AA) 49.18ドル -0.59ドル(-1.19%)
ウォルマート(WMT) 135.73ドル -1.32ドル(-0.96%)
《ST》
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