【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):INPEX、郵船、ワークマン
INPEX <日足> 「株探」多機能チャートより
INPEX<1605>など資源開発関連や、ENEOSホールディングス<5020>など石油元売り大手が高い。ここ原油市況の上昇傾向が強き、前週末1日のWTI原油先物価格は続伸し1バレル=75ドル88セントと年初来高値を更新した。4日に開催されるOPECプラスの閣僚級会合では、協調減産の段階的な縮小を維持するとみられているが、原油価格の先高思惑はなお根強い状況にある。原油市況高を背景に米国株市場ではシェブロン<CVX>が2.8%高、エクソンモービル<XOM>が3.6%高に買われるなどエネルギー関連株の上昇が際立っており、この流れが東京市場にも波及した。
■愛知製鋼 <5482> 2,623円 +27 円 (+1.0%) 本日終値
愛知製鋼<5482>がしっかり。1日の取引終了後、共同研究や新たな企画立案などの産学連携活動の質を高めることを目的に東北大学と「組織的連携協定」を締結したと発表しており、これが好感された。また、協定の枠組みの一環として、カーボンニュートラルの実現に向けた研究開発を加速するため、次世代モビリティー時代を見据えた「愛知製鋼×東北大学次世代電動アクスル用素材・プロセス共創研究所」を設立し、24年9月30日までの3年間の計画で活動を開始した。なお、同共創研究所は、東北大学で21年4月に創設された「共創研究所」制度の第1号となる。
■フジ <8278> 2,167円 +19 円 (+0.9%) 本日終値
フジ<8278>が6日ぶりに反発。前週末1日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(3~8月)連結業績について、営業利益が30億円から33億500万円(前年同期比28.2%増)へ、純利益が18億円から29億9900万円(同39.3%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染拡大に伴う度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令による大型ショッピングセンターへの休業要請や営業時間短縮要請の影響が想定以上となり、売上高は1590億円から1581億2500万円(同2.4%増)へ下振れた。ただ、グループを挙げて商品管理の徹底と定着しつつある新しい生活様式への対応を推し進めたことで売上総利益が増加したことに加え、コロナ禍の需要変化で業績悪化した子会社で事業構造の再構築に取り組んだことも寄与した。
■イチネンHD <9619> 1,291円 +11 円 (+0.9%) 本日終値
イチネンホールディングス<9619>が反発。1日の取引終了後、新光硝子工業(富山県砺波市)の全株式を取得し、子会社化したと発表しており、これが好感された。新光硝子工業及びその子会社の新生ガラスは、ガラス加工製品(曲げガラス、樹脂合わせガラス、その他の二次加工など)の製造・販売を行っている。今回の子会社化により、今後新光硝子の事業をグループの新規事業と位置付け、経営資源を投入することにより一層の事業拡大を目指すとともに、新光硝子が保有するガラス製品加工に関する高度な技術と、イチネングループのケミカル事業や機械工具販売事業、合成樹脂事業における製品製造のノウハウを融合することで、新たな事業分野への進出を目指すとしている。なお、22年3月期業績への影響は軽微としている。
■サカイ引越センター <9039> 4,800円 +30 円 (+0.6%) 本日終値
サカイ引越センター<9039>が反発。午前11時ごろに発表した9月度の月次売上高(速報)が前年同月比0.2%増と小幅ながら2カ月ぶりにプラスに転じたことが好感された。
■長谷川香料 <4958> 2,652円 +14 円 (+0.5%) 本日終値
長谷川香料<4958>は6日ぶりに小幅反発。前週末1日の取引終了後、保有する投資有価証券3銘柄を売却したことに伴い、21年9月期の連結業績に投資有価証券売却益7億8400万円を特別利益として計上すると発表しており、これが好感された。政策保有株式を見直したためという。なお、21年9月期業績への影響はその他の要因も含め現在精査中としている。
■KeePer技研 <6036> 3,040円 -310 円 (-9.3%) 本日終値 東証1部 下落率3位
KeePer技研<6036>は急落。1日の取引終了後に発表した9月度の月次速報で、キーパーラボ運営事業の既存店売上高は前年同月比34.7%増と17カ月連続で前年実績を上回ったものの、キーパー製品など関連事業で注目されていたトヨタモビリティパーツ向けKeePerボディーコートについて、初期出荷がほとんどなかったとしていることがネガティブ視されたようだ。
■日本郵船 <9101> 7,630円 -670 円 (-8.1%) 本日終値 東証1部 下落率5位
日本郵船<9101>は東証1部上場企業のなかで断トツの売買代金をこなしたが、株価は一時10%の下げとなるなどリスク回避の売りが続いた。商船三井<9104>、川崎汽船<9107>も同様に下値模索の展開。足もとで米国・中国間のコンテナ船の運賃市況が急落しており、これを警戒する動き。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数のほうは、直近5200まで上昇し2008年8月の水準まで浮上しており、こちらは海運セクターにとってはポジティブ材料とみなされるところ。しかし、「目先コンテナ船市況の波乱含みの動向がこれ(バルチック海運指数の上昇)を掻き消している」(ネット証券マーケットアナリスト)状態にある。
■ワークマン <7564> 6,300円 -530 円 (-7.8%) 本日終値
ワークマン<7564>が大幅続落。前週末1日の取引終了後に発表した9月度の月次売上高速報で、既存店売上高は前年同月比2.7%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったものの、小幅にとどまったことが嫌気されたようだ。上旬は気温の低下に伴い、長袖Tシャツやウォームパンツ、レディースアウターなどが伸長し、好調な秋冬商戦の立ち上がりとなった一方、下旬にかけては気温が上昇したことで、通年ワーキングウェアなどの衣料品が伸び悩んだ。そうしたなか、行楽シーズンに向けて、ハイキングシューズやアウトドアギア、シェルジャケットなどが販売数を伸ばした。なお、チェーン全店売上高は同8.7%増だった。
■大阪有機化学工業 <4187> 3,455円 -270 円 (-7.3%) 本日終値
大阪有機化学工業<4187>は急落。1日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年12月~21年8月)連結決算は売上高257億5700万円(前年同期比21.4%増)、営業利益42億2000万円(同26.2%増)、純利益34億4700万円(同43.9%増)と大幅増益となったものの、サプライズに乏しいとの見方から売られたようだ。化成品事業で自動車塗料用や光学材料向け粘着剤用を中心に販売が回復したほか、電子材料事業でArFレジスト用原料の販売が引き続き好調だった。また、21年2月1日付で三菱ケミカルから、頭髪化粧品用アクリル樹脂の製造・販売の事業譲渡を受けたことなども寄与した。なお、21年11月期通期業績予想は、売上高340億円(前期比18.5%増)、営業利益58億円(同30.6%増)、純利益44億円(同32.8%増)の従来見通しを据え置いている。
株探ニュース