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【特集】最大で30万円の給付や140万円の貸付も~新型コロナに関連して受け取れるお金 その2

清水香の「それって常識? 人生100年マネーの作り方-第36回
清水香(Kaori Shimizu)
FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表
清水香1968年東京生まれ。中央大学在学中より生損保代理店業務に携わるかたわらファイナンシャルプランナー(FP)業務を開始。2001年に独立後、翌年に生活設計塾クルー取締役に就任。2019年よりOfficeShimizu代表。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。一般生活者向けの相談業務のほか執筆、企業・自治体・生活協同組合等での講演活動なども幅広く展開、テレビ出演も多数。 財務省の地震保険制度に関する委員を歴任、現在「地震保険制度等研究会」委員。日本災害復興学会会員。

前回記事「ワクチンの副反応で補償は、無症状で欠勤したら~コロナ関連で受け取れるお金 その1」を読む

新型コロナウイルスは第5波が収まりつつありますが、家計への影響はむしろ深刻化しています。それを裏付けるのが、困窮者向けの公的貸付制度である「生活福祉資金の特例貸付」の残高です。

今年9月4日までで1兆1176億円となり、2008年のリーマン・ショック時の60倍を超えています。足元で貸付を受けたのは総世帯の約6%にあたる271万世帯で、現在も増え続けています。

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コロナ禍ではスマートフォンを利用した小口融資が伸びたとの報道もありました。しかし民間融資は当然、高い利息がかかり、返済も原則待ってはもらえません。
一方、特例貸付では借入金の返済開始が1年間延長されており、要件を満たすと返済免除となるしくみもあります。 詳細は後述します。
このように公的制度には弱者救済の仕組みが設けられており、実状を踏まえ要件緩和や変更が行われることもあるのです。
家計が厳しい状況に陥ったとき、まず利用すべきは公的制度による支援策です。新型コロナの影響を受けた家計には、被災時同様の支援も種々あります。
このコロナ禍で、多くの制度が延長や要件が緩和され、今も利用できます。

休業手当がもらえない被用者に給付金あり
まずは、減った収入を補填できる給付金を確認します。

前回の記事で述べた通り、事業主の判断で従業員を休ませるとき、事業主は正規・非正規問わず従業員に休業手当の支払わなくてはなりません。新型コロナ感染拡大防止のための休業でも該当します。
労働基準法第26条に定めがあり、休業手当は1日あたり賃金の最低6割が、ざっくりとした水準になります。支払わなければ労働基準法違反となり、事業主に30万円以下の罰金が科せられます。
一方、国は事業主が雇用を維持できるよう「雇用調整助成金」を提供、事業主の負担した休業手当の一部を助成します。にもかかわらず、休業手当をもらえない労働者がいます。
雇用調整助成金があるとはいえ、事業主による休業手当の負担が一旦は必要で、資金繰りに苦しむ中小・零細企業にはハードルが高くなるからです。
そこで休業手当を受けられなかった労働者が自分で申請できる「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」が用意されています
この給付金は当初、中小企業の労働者(従業員)のみとしていた対象を、大企業に勤めるシフト制労働者にも広げました対象となる休業期間も延長されています。雇用保険に加入していない、時短営業などで勤務時間が短くなった、シフトの日数が減少したなどのケースでも申請できます。
支給額は休業前の1日あたり平均賃金の8割(日額上限9900円)で、各月の休業日数分の給付を受けられます。必要書類をそろえ、休業した期間の翌月初日からオンラインまたは郵送で申請します。

ただし、休業月に応じ申請期限があります。今年の6月分までの休業期間に応じた給付申請は9月末で締め切られました。7月分以降は今年の年末までが期限となります。
申請には給与明細のほか、労働実態が確認できる書類等が必要になります。書類作成に事業主の協力が必要ですが、得られなくても申請は可能です。
なお、休業手当は給与として課税されますが、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は非課税です。
法人や個人事業主には「月次支援金」
事業者向けには、飲食店に支給される協力金とは別の「月次支援金」があります。 経済産業省が管轄しています。
緊急事態措置等による休業や時短営業、外出自粛等の影響で月の売上が前年または前々年より50%以上減少した事業者に給付されるもので、業種や地域は問いません。給付額は中小企業が最大月20万円、個人事業主が最大月10万円です。
申請期間は対象月の翌月から2カ月間。7月分までの申請はすでに締め切られましたが、8月分以降はまだ間に合います。申請は経済産業省「月次支援金」のウェブサイトでアカウント登録し、その後も基本的にオンラインで行います。
この支援金は継続的に受けられ、助かる制度です。しかし、「月次支援金」に先立ち設けられ現在は受付が終了した「一次支援金」の給付が、6月10日時点で予算額の2割にとどまった実情から、給付を知らない人もいると考えられます。

また国の月次支援金を知っていても、これに上乗せするなど独自給付を行う自治体もあることはご存じでしょうか。たとえば東京都の「月次支援給付金」では、国の月次支援金の支給に加え、月5万円(個人事業主は2.5万円)を給付します。

さらに東京都の制度では、国の制度の対象とならない売上が30%以上50%未満に減少した中小企業等の場合は、月に最大10万円(個人事業主は5万円)を独自に支給します。
住宅ローンは早めに相談、社会保険料の減免も
一方、支出を抑えられる支援策も多くあります。とりわけ急ぐべきは住宅ローン。返済が難しくなる前に、銀行にその旨を伝え相談を。
新型コロナの影響で一定程度の売上減少が見込まれ、社会保険料の負担が困難な自営業者やフリーランスは、社会保険料の減免を受けられるかもしれません。
納付中の国民健康保険料の減免、あるいは当面の保険料納付を軽減できる可能性があるので、国保窓口で相談を。年金保険料の免除・猶予は、年金事務所あるいは郵送で手続きできます。
社会保険料は、年金や公的医療保険などの社会保障サービスを受けるためのいわば会費です。しかし民間サービスと異なり、保険料を支払えない場合の減免や猶予などの仕組みを整え、市民が社会保障にアクセスする権利を保護しています。
公的機関のみならず、保険や通信会社など民間サービスで支払い猶予などが受けられることもあります。詳細は次ページ末尾の一覧表をご覧ください。

特例貸付は11月末まで申し込み可能
収入を補てん、一方で支出減の対策を講じてもなお家計が厳しいときは、公的貸付を基本に借入を検討します。代表的なのが冒頭でお伝えした「生活福祉資金の特例貸付」。申請期限がたびたび延長されており、2021年11月末まで申請が可能です。
都道府県社協が実施するこの公的貸付は、リーマン・ショックや災害の後に多く利用されてきました。現在は、コロナ特例として貸付要件が大幅緩和、最大貸付金額も拡大された無利子・保証人不要の以下2つの貸付があります。



 

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