【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):HENNGE、フェローテク、鉄鋼株
日本製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
G-7ホールディングス<7508>が急反発。SMBC日興証券が27日付で、新規に投資判断「1」、目標株価5400円とした。同社は多岐にわたる小売・サービス業を主にフランチャイジー(加盟店)として展開しており、従前はオートバックスセブン<9832>がフランチャイザー(本部)の「オートバックス」が主力だったが、現在は神戸物産<3038>がフランチャイザーの「業務スーパー」が業績のドライバとなっている。特に、神戸物産のフランチャイジーのなかでも積極的に出店を行っており、同事業での出店が成長ドライバとなることや、「業務スーパー」内に精肉コーナー、青果コーナーを展開することで業務スーパーの集客力を活用し売り上げを確保することに成功していること、バリュエーション面では神戸物産に対して相対的な割安感があることなどに注目している。
■HENNGE <4475> 5,020円 +370 円 (+8.0%) 一時ストップ高 本日終値
HENNGE<4475>が急騰。きょう付けの日本経済新聞電子版で「特定の企業や組織を狙い、マルウエア(悪意のあるプログラム)付きのメールを送りつける『標的型攻撃』の対策サービスを10月1日に始める」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、追加する新サービス「クラウドプロテクション」は、米マイクロソフト<MSFT>の「アウトルック」などメールソフトのクラウドと、HENNGEがID管理サービスを運用するクラウドを連携させ、外部からのメールがクラウドに届くと、利用者が受信する前にHENNGE側のクラウドで診断し、安全性を確認できたメールだけ受信を認めるという。なお、診断にはフィンランドのサイバー対策企業エフセキュアのエンジンを採用したとしている。
■フェローテク <6890> 3,065円 +208 円 (+7.3%) 本日終値
フェローテックホールディングス<6890>は急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が27日付で、投資判断「バイ」を継続し、目標株価を4200円から5000円へ引き上げた。同証券では、半導体マテリアル(石英・セラミックス・シリコンパーツなど)や世界的に需要が急増するパワー半導体用基板、5G通信インフラ用サーモモジュールなどの中長期的な成長を評価。一方で、株価は来年のWFE(半導体前工程製造装置)市場の成長率鈍化懸念などから上値の重い展開となっていると推察している。ただ、今後は消耗品比率の高い半導体マテリアルの継続的な需要拡大や、今後本格的な需要拡大期を迎えるパワー半導体用基板やサーモモジュールの成長が織り込まれるのに伴い株価は上昇すると予想。また、営業利益予想も22年3月期160億円から210億円へ、23年3月期192億円から233億円へ引き上げている。
■プレイド <4165> 2,881円 +151 円 (+5.5%) 本日終値
プレイド<4165>が続伸。前週末27日の取引終了後、CX(顧客体験)マネジメントクラウドサービスを手掛けるEmotion Techを子会社化し、21年9月期第4四半期から連結決算に移行すると発表した。これに伴い、21年9月期の最終損益見通しを1億3200万円の赤字から7800万円の赤字(前期12億700万円の赤字)へ見直しており、これが好感されたようだ。取得関連費用と段階取得に関する差益について、連結損益計算書上で調整が発生する見込みとなったことが要因。なお、売上高54億3700万円(同40億700万円)、営業利益1億5100万円(同10億7900万円の赤字)とする従来予想は連結決算移行後も据え置く。
■日本製鉄 <5401> 2,168.5円 +108.5 円 (+5.3%) 本日終値
日本製鉄<5401>を筆頭に鉄鋼株への買いが目立つ状況となっている。業種別騰落率で「鉄鋼」は東証1部33業種中で上昇率トップとなった。商品市況の上昇など川上インフレが鮮明となるなか、市況関連株への物色ニーズが高まっている。そのなか、前週に日本製鉄とトヨタ自動車<7203>との鋼材価格交渉が大幅な値上げで合意したことが伝わり、鉄鋼株の収益環境の追い風が改めて意識されている。鉄鋼セクターでは、日本製鉄系の鋼板大手である中山製鋼所<5408>の上げ足が際立ち、東証1部の値上がり率で上位3傑に食い込んでいる。中山鋼のPBRは前週末終値換算で0.2倍台にあり割安感が強い。
■三井化学 <4183> 3,715円 +160 円 (+4.5%) 本日終値
三井化学<4183>が3日ぶりに反発。前週末27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を350万株(発行済み株数の1.79%)、または100億円としており、取得期間は8月30日から11月19日まで。株主還元の充実及び資本効率の向上を目的としているという。
■フリー <4478> 8,500円 +350 円 (+4.3%) 本日終値
フリー<4478>は4日ぶり反発。前週末27日の取引終了後、三井住友信託銀行とのAPI連携を開始したと発表。今回連携したのは、金融機関の入出明細や残高情報などを外部サービスに情報連携するためのAPIで、これによりユーザーは「freee会計」にユーザーIDとパスワードを保存することなく利用明細を自動連携することが可能となる。
■ニチレイ <2871> 2,817円 +103 円 (+3.8%) 本日終値
ニチレイ<2871>が大幅反発。SMBC日興証券が27日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を3100円から3250円へ引き上げた。同証券では、今回は原料高で値上げの決断が非常に迅速で、コスト高への対応力という経営課題を打ち破り、厳しい環境下でも収益向上に挑む経営体質を評価している。23年3月期は値上げの本格寄与で加工食品は17%増益見通しで、収益性は膠着状態から抜け出し改善に向かうと予想。また、コロナ禍が契機となり、冷凍食品市場は成長が定着しつつあるが、同社はその好機を逃さずに新たな需要を獲得しており、今後も増収基調が続くと予想している。
■九州FG <7180> 430円 +14 円 (+3.4%) 本日終値
九州フィナンシャルグループ<7180>が堅調な動き。前週末27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を800万株(発行済み株数の1.82%)、または30億円としており、取得期間は21年9月1日から22年3月24日まで。機動的な資本政策により、資本効率の向上を通じて株主への利益還元を図るとしている。
■CYBERDYNE <7779> 450円 +14 円 (+3.2%) 本日終値
CYBERDYNE<7779>が反発。この日、「HAL 医療用単関節タイプ」(医療用HAL)が、米国食品医薬品局(FDA)のクラス1医療機器登録を行ったと発表。今回、FDAに医療機器登録を行った医療用HALは、20年8月に日本で医療機器認証を取得したものと同型の製品で、サポータ類を付け替えることによって肘、膝、足首などに装着できるのが特徴。脳神経系疾患による麻痺や、整形疾患による運動障害を呈する患者の機能回復に使用することができるとしている。
株探ニュース