【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):レーザーテク、三菱UFJ、SBG
レーザーテク <日足> 「株探」多機能チャートより
レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連株は売り買い交錯のなかも買いが先行。ここ米国株市場で軟調展開にあった半導体関連株に売りが一巡、前週末の米国株市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が小幅ながら続伸し反騰機運をみせた。半導体需給の逼迫が続くなか、メーカーの設備投資意欲に火がついていることが半導体製造装置関連株に追い風となっている。東京市場でも、同関連株は調整十分で値ごろ感からの買いが入りやすいタイミングにある。もっとも、前週末の米株市場では半導体製造装置世界トップのアプライドマテリアルズ<AMAT>やインテル<INTC>などマイナス圏で引けた銘柄もあり、総花的に買われたひと頃と比べると半導体関連株に対する投資資金流入の勢いは減速している。
■三菱UFJ <8306> 593.2円 +3.8 円 (+0.6%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンク各社が買われた。ここ新型コロナウイルスの感染拡大の影響を警戒して米10年債利回りは低下基調を示していたが、前週末は終値ベースで6営業日ぶりに上昇し下げ止まる動きをみせた。これを背景に米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>、シティグループ<C>など大手金融株が一斉に高く引けており、東京市場でも米国事業を展開するメガバンクは運用利ザヤの拡大が見込まれるとの思惑が買い安心感を誘い下値を支える状況にある。
■みずほリース <8425> 3,435円 +5 円 (+0.2%) 本日終値
みずほリース<8425>が続伸。前週末20日の取引終了後、100%子会社エムエル・エステートを通じて、日鉄興和不動産(東京都港区)株式を9月21日に追加取得すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回取得するのは1万7094株で、これまでの既存株主からの取得とあわせてグループ全体で22.2%の日鉄興和不動産株式を保有することになる。これにより日鉄興和不動産はみずほリースの持ち分法適用関連会社となる。なお、22年3月期業績に影響が発生する見込みだが、詳細な金額は現在精査中としている。
■アニコムHD <8715> 895円 +1 円 (+0.1%) 本日終値
アニコム ホールディングス<8715>は続伸。前週末20日の取引終了後に発表した7月度の月次経営パラメーターで、正味収入保険料が前年同月比9.4%増の37億8900万円と引き続き増収基調にあることが好感された。また、どうぶつ健活(腸内フローラ測定)申し込み数が1万4026件(同21.2%増)と伸長した。
■NFCホールディングス <7169> 1,751円 -60 円 (-3.3%) 本日終値
NFCホールディングス<7169>は安い。光通信<9435>が前週末20日の取引終了後、子会社の総合生活サービスを通じてNFCHDに対しTOBを実施すると発表しており、TOB価格の1750円を意識した値動きとなったようだ。このTOBは、SBIホールディングス<8473>とそのグループ会社が保有するNFCHD株(合計の所有割合21.59%)の取得を目的としたもの。買い付け予定数は444万6208株(下限382万2000株、上限設定なし)で、買い付け期間は8月23日から9月17日まで。TOB成立後も上場は維持される方針。
■富士急行 <9010> 4,310円 -135 円 (-3.0%) 本日終値 東証1部 下落率6位
富士急行<9010>が大幅反落。グループの富士急ハイランドが20日、アトラクション「ド・ドドンパ」で20年12月から21年8月までの間に4件の負傷報告があったと発表。同社からの報告を受けて山梨県や国が施設の立ち入り調査を行ったことがネガティブ視された。なお、「ド・ドドンパ」は8月12日から運行を停止している。
■IRジャパン <6035> 11,760円 -190 円 (-1.6%) 本日終値
アイ・アールジャパンホールディングス<6035>は反落。前週末20日の取引終了後、SMBC信託銀行(東京都千代田区)と証券代行業務に関する業務提携契約を締結したと発表した。ただ、前週末にこの件に関する事前の報道を受けて株価が上昇していたことから、既に織り込み済みで反応は限定的となった。12月下旬をメドにSMBC信託銀行は証券代行業務へ参入するとともに、IRジャパンはSMBC信託銀行が受託した証券代行業務についての事務受託を行う。会社側では、法人顧客の株主名簿管理業務や株主総会関連の事務手続き・支援などにおいて、顧客のニーズに応える付加価値の高い証券代行サービスを提供していくとしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,086円 -66 円 (-1.1%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が下げ止まらず、一時6000円大台を割り込む場面があった。同社株が5000円台をつけたのは昨年9月以来約11カ月ぶりとなる。きょうは全体相場に先物主導の買い戻しが入り、インデックス買いの浮揚力が働きやすい局面にありながら上値の重さが際立つ。引き続き米中摩擦や中国のネット企業への規制強化の動きが同社の業績に影響を与えるものとして懸念されている。また、直近では同社の傘下にある英半導体設計大手アームの米エヌビディア<NVDA>による買収の件で、英当局が懸念を表明したことが伝わっており、売却が思うように進まないとの思惑が悪材料視された。株式需給面では信用買い残が1800万株まで膨れ上がっていることが、戻り売り圧力につながった。
■シックHD <7365> 742円 +71 円 (+10.6%) 本日終値
シック・ホールディングス<7365>が急反発。前週末20日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を14万3000株(発行済み株数の1.27%)、または1億円としており、取得期間は8月23日から9月14日まで。機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環として実施するとしている。
■サーキュレーション <7379> 3,305円 +315 円 (+10.5%) 本日終値
サーキュレーション<7379>が後場一段高。同社はきょう、IT関連・デジタル人材養成の教育機関を運営するデジタルハリウッド(東京都千代田区)との業務提携を開始すると発表しており、これが株価を刺激したようだ。この連携により、同社はデジタルハリウッド卒業生の経験や知見を、全国のクリエイティブに課題を持つ企業に提供し、課題解決の推進につなげることが可能。デジタルハリウッドは、卒業生に対して実践の場を提供することで、卒業生や在校生、今後入学を検討する人の機会創出の促進が期待できるとしている。
●ストップ高銘柄
東邦アセチレン <4093> 1,532円 +300 円 (+24.4%) ストップ高 本日終値
Chatwork <4448> 1,025円 +150 円 (+17.1%) ストップ高 本日終値
太洋物産 <9941> 691円 +100 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値
ダブルスタンダード <3925> 7,750円 +1,000 円 (+14.8%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース