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【特集】加速する「5G基地局投資」、高速通信インフラで商機拡大の有望株 <株探トップ特集>

5G基地局の整備が加速局面を迎えた。5Gは通信サービスの付加価値化を飛躍的に進めるが、その実現は基地局インフラがあってこそ。関連有力株にスポットライトを当てた。

―中国は100万カ所の基地局で通信網構築、日本でもメガキャリアが本格的に動き出す―

 世界的に商用サービスが本格化している高速通信規格「5G」だが、基地局投資がいよいよ加速局面にあり、株式市場でも同関連株に再び活躍の時が近づいている。5Gを取り巻く環境と今後注目度が高まりそうな銘柄についてまとめた。

●5Gインフラ整備に本腰を入れる中国

 新華社通信が8月に入って、「中国、5G大規模応用を加速 基地局数100万近くに」と報じた。同報道によれば、インフラ整備が絶えず進捗し、ユーザーも増加し続けており、統計によると中国で既に稼働している5Gの基地局数は100万カ所近くにものぼるという。こうした状況は、決して一部メディアが報じているだけの信憑(しんぴょう)性に乏しい情報ではない。これを裏付ける情報が少し前に2021中国インターネット会議で発表された「中国インターネット発展報告書」に示されている。同報告書によると、20年末時点で中国の5Gネットワーク・ユーザーは1億6000万人を超え、世界の約9割を占めたというのだ。そこには、ひと昔前の中国のイメージとはかけ離れた実像が映し出されている。

 これほど取り組みを急ピッチで進めている中国だが、同国が発表した5G開発に関する3ヵ年計画である「5G応用『出帆』行動計画」を見ると、更に23年中に同国内の5Gネットワーク・ユーザーを5億6000万人まで増やし、大企業の5G導入率についても35%まで拡大させる方針のようだ。大企業の5G導入率引き上げの背景には、米国を睨んだ中国企業の競争力強化の狙いも透けて見える。また、中国共産党傘下のチャイナデイリー新聞によると、政府系シンクタンクでは「(25年の終わりまでに)中国は世界最大かつ最も広範なスタンドアローン5Gネットワークを構築し、都市部と農村部の双方で完全なネットワークカバレッジを達成するだろう」と述べている。

●日本国内の5G投資状況

 さて、当然中国だけでなく、日本においても5G基地局の整備は加速していくことになる。中国とは国土や人口の違いもあることから単純比較はできないが、例えば携帯大手3社は、それぞれKDDI <9433> が22年3月までに約5万局、ソフトバンク <9434> が21年度末までに5万局、ドコモが22年3月末までに2万局の設置目標を掲げている。また、この目標はあくまで当面のものであり、その後も整備は加速していくことになるだろう。

 自動運転の一段の高度化、IT農業の本格化、救急医療の進化などのように、5Gによって実現や進化が期待されているサービスを挙げればいくらでも出てくる。期待値が高い分、そうした5Gがもたらすサービスに目線が先行しがちだが、忘れてはならないのは、その実現を支えるのがインフラとしての「5G基地局」であるという点だ。そこで、今回は押さえておきたい「5G基地局関連株」で、有力視される銘柄をリストアップした。

●5G基地局で収益チャンス広がる8銘柄

◆NEC <6701> ~グローバルで5Gの周波数帯に使用されている、3.7ギガヘルツ周波数帯に対応した5G基地局装置の無線機の出荷を今下期に開始する予定。空間多重と無線伝搬路の品質安定性を同時に向上させる技術であるMassive MIMOを活用することで、従来機種と比較して高出力化と広帯域化を行っており、通信エリアの拡大と高速伝送を実現している。

◆富士通 <6702> ~オープンRANに対応した5Gの無線装置を手掛けており、異なるベンダー間の基地局制御装置との接続ができ、柔軟なネットワーク構築が可能となる製品を提供。昨年12月にKDDIが構築する5G商用サービス向けの仮想化基地局に選定されており、今下期より提供を開始する。

◆ミライト・ホールディングス <1417> ~通信工事、電気工事、土木工事、建築工事及びこれらに関連する事業を行っており、全てのモバイルキャリアの通信設備建設・保守を手掛ける。5G・IoTなどの高度無線環境の実現に向けて、地理的に条件不利な地域において補助金を活用して、光ファイバーを整備する事業を展開。

◆太陽誘電 <6976> ~5Gの電波を送受信する基地局に使う積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需要は一層高まると見られる(※MLCCは電圧を安定させたりノイズを取り除いたりする部品)。

◆北川精機 <6327> [JQ]~プレス関連装置を中心に開発・製造しており、CCL(銅張積層板)では世界トップシェアを誇る。5G基地局向けCCL成形用真空大型プレスの需要拡大が見込まれている。

◆村田製作所 <6981> ~5G基地局や通信が混雑するエリアへの小型基地局の設置が進むなか、小型低損失コンデンサーやインダクター、高周波用フィルター、小型高効率電源装置やノイズ対策部品などを手掛けている。

◆AKIBAホールディングス <6840> [JQ]~傘下で通信建設工事を手掛けるバディネットが、5G基地局建設の圧倒的な低コスト化を実現。支柱の強度を上げる「ポリマテリアル」を既設の支柱内部に充填する複数の工法をNEXTWAY(東京都中央区)とバディネットが考案。1月にはソフトバンクの5G基地局建設に採用されたことを公表。

◆ギグワークス <2375> [東証2]~新たな労働力であるギグワーカーとされるフリーランス、副業、シニア、女性などに焦点を絞った人材サービスなどを展開。業務受託が主力であり、5Gの基地局設置に関わる軽作業(基地局の営業・設置業務など)の受託が見込まれている。

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