【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):カチタス、トヨタ、ニチコン
カチタス <日足> 「株探」多機能チャートより
カチタス<8919>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「ホールド」を継続し、目標株価を3300円から3400円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、拠点拡大や人員増強による中古住宅販売棟数の拡大を通じた中期的な利益成長を評価。また、値引き抑制による販売単価の上昇やリフォーム中契約の増加などで、22年3月期第1四半期(4~6月)売上総利益率は24.4%と予想以上に上昇したが、同証券では歴史的に高水準な売上総利益率を中期的に概ね維持できると考え、営業利益予想を22年3月期で125億円から130億円へ、23年3月期で140億円から145億円に上方修正している。
■日経レバ <1570> 14,300円 +480 円 (+3.5%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急反発。前週末に昨年12月以来約8カ月ぶりに1万4000円大台を割り込んだものの、きょうは朝方から買い優勢に傾き、1万4300円まで急速に切り返す展開となった。日経平均株価にリンクさせたETFで価格変動率が基本的に2倍に設定されていることで、全体相場のボラティリティが高まると個人投資家などの売り買いが活発化する傾向がある。きょうは、前週末の米国株市場で主要株指数が揃って上昇したことを受け、目先リスク回避の売りが一巡し日経平均は大きく反発に転じており、日経レバもそれに追随する動きとなった。信用買い残は直近13日現在で2週連続して大幅に減少しており、需給面でも改善が進んでいる。
■トヨタ自動車 <7203> 9,222円 +307 円 (+3.4%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が6日ぶり反発。前週後半に2営業日合計で800円を超える急落をみせ、フシ目の9000円大台を割り込んだが、きょうは押し目買いが入りリバウンドに転じた。前週の急落の背景は、同社が9月の世界生産を4割削減すると発表したこと。しかし、これは半導体不足や東南アジアでの新型コロナ感染に伴う部品調達難が理由で、同社も通期の生産計画については下方修正しておらず、一過性の減産という見方が強い。株価指標面でもPBR1倍近辺と割安感が強く、前週後半の下げが行き過ぎとの判断から押し目買いを誘発した。
■ニチコン <6996> 1,041円 +34 円 (+3.4%) 本日終値
ニチコン<6996>が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を1300円から1450円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。アルミ電解コンデンサの需要増加と同社の生産能力を勘案し、前提を見直したことを受けて、22年3月期の営業利益予想を40億円から50億円へ、23年3月期を同64億円から74億円へ引き上げたことが要因という。第1四半期にアルミ電解コンデンサの受注が急増し、第2四半期に入っても産機・車載を中心に増加が継続中であると指摘。現在、マレーシアの操業に制限が掛かっているが、下期以降は増産対応も進み、稼働が上昇するとしている。また、EV用フィルムコンデンサは原材料・物流費高騰が新たなコスト増要因に浮上しているが、歩留まり・生産性は着実に改善中で、今後、顧客への価格転嫁が進み、下期中に単月黒字転換と見込んでいる。
■ミネベアミツミ <6479> 2,767円 +62 円 (+2.3%) 本日終値
ミネベアミツミ<6479>が3日ぶりに反発。21日付の日本経済新聞で「今後5年で半導体分野に350億円程度を投資し、全社の生産量を現状の2.5倍程度まで高める方針だ」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、スマートフォンなど向けリチウムイオン電池の電流制御や車載電源用途で今後も需要が増えると見込んでいるとあり、業績への貢献が期待されている。
■メドレー <4480> 4,000円 +85 円 (+2.2%) 本日終値
メドレー<4480>が3日ぶりに反発。同社は20日、NTTドコモ(東京都千代田区)及びNTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)と、医療機関が新型コロナウイルスの自宅療養者に対して速やかにビデオ通話を用いたオンライン診療を実施するためのシステムを提供すると発表。これが材料視されたようだ。これは、直近の新型コロナウイルスの感染拡大や自宅療養者の増加に伴う社会的な要請の高まりを受けたもの。同システムは、医療機関が自宅療養者の携帯電話番号宛てにオンライン診療用のURLをSMS送信し、患者がスマートフォンやタブレット端末で届いたURLをクリックするだけでオンライン診療を利用することができる。
■ミスミグループ本社 <9962> 4,280円 +80 円 (+1.9%) 本日終値
ミスミグループ本社<9962>が4日続伸。前週末20日の取引終了後に発表した7月の月別売上高が前年同月比27.3%増と大幅増となり、8カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。流通事業であるVONA(ヴォーナ)事業が34.5%増と大幅に伸長したほか、FA事業も同24.7%増と高い伸びとなった。更に、金型部品事業も16.4%増と2ケタ増と伸長した。
■コクヨ <7984> 1,926円 +33 円 (+1.7%) 本日終値
コクヨ<7984>が3日ぶりに反発し、年初来高値を更新した。全体相場の堅調地合いが追い風となった様子。また、同社はきょう、拡張現実(AR)技術を活用したデジタルアナログ融合コンテンツの実証実験を開始したと発表しており、これも買い手掛かりのひとつとなったようだ。この実証実験は、ソニーグループ<6758>傘下のソニーセミコンダクタソリューションズが提供する高性能AR体験を実現する「AR MAP ソリューション」を国内で初めて活用して行われるもの。書き心地の没入体感やコーディネート例の表示など、商品の感性的・機能的な価値を通常の売り場よりも豊かに伝えることができ、あわせて商品スペック情報の表示や店頭在庫のない商品のEC誘導などにより顧客の購買サポートと店舗オペレーションの軽減も図ることが可能だという。加えて、この日は帳票配信クラウドサービス「@Tovas(あっととばす)」の送信データの長期保存を行う「アーカイブ機能」の提供を9月30日から開始することも発表している。
■エレコム <6750> 1,706円 +25 円 (+1.5%) 本日終値
エレコム<6750>が3日ぶりに反発。前週末20日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を250万株(発行済み株数の2.74%)、または50億円としており、取得期間は21年9月1日から22年3月31日まで。資本効率の向上と経営環境に応じた資本政策の一環として、戦略的な投資機会を含む成長投資、手元資金や株価水準などを総合的に勘案したという。
■久光製薬 <4530> 4,525円 +65 円 (+1.5%) 本日終値
久光製薬<4530>が3日続伸。同社は20日、経皮吸収型非ステロイド性疼痛治療剤「ジクトルテープ」の腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎への効能 追加に関する承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。同剤は、TDDS(経皮薬物送達システム)技術を用いて開発した非ステロイド性抗炎症薬を含有する全身性の経皮吸収型製剤で、21年3月に「各種がんにおける鎮痛」を効能・効果として製造販売承認を取得。今後は22年度中に腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎の効能追加に関する承認取得を目指すとしている。
株探ニュース