【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日ケミコン、フロンテオ、郵船
日ケミコン <日足> 「株探」多機能チャートより
JIG-SAW<3914>が反発。きょう昼ごろ、ハードウェア量産向けの超極小IoT組込みソフトウェア「NEQTO-m」の提供を開始したと発表しており、これが好感されたようだ。同製品は省メモリ化を実現するソフトウェア設計を可能とするほか、柔軟な双方向通信や確実なデータエラー検知といった特徴を持つ。
■日本ケミコン <6997> 2,095円 +166 円 (+8.6%) 本日終値
日本ケミコン<6997>が大幅高で3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を2750円から3200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。アルミ電解コンデンサの需要増加と生産性改善を勘案し、前提を見直したことを受けて同証券の22年3月期の営業利益予想を70億円から80億円へ、23年3月期を同90億円から100億円へ引き上げたという。現在、産機・車載を中心に高水準の受注が継続中であることに加えて、マレーシアの新型コロナ感染再拡大で業界全体の操業に制限が掛かり、足もとの需給逼迫が加速。これをうけて第1四半期売上高は同証券予想に対して上振れる一方、生産対応が追い付かず、更に原材料価格高騰もあり営業利益は予想並みにとどまったとしている。ただ今後は、マレーシア操業正常化、価格転嫁の進展、ミックス改善、事業構造改革など、下期の挽回に向けて好材料が多いと評価している。
■FRONTEO <2158> 1,407円 +110 円 (+8.5%) 本日終値
FRONTEO<2158>の上げ足鮮烈、一時9%を超える上昇で一気に1420円まで上値を伸ばし、約1カ月半ぶりに年初来高値更新した。また同時に、長期波動の上値のフシとして長く意識されてきた2014年8月26日の上場来高値1421円にあと1円と肉薄した。人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業のほか、AI技術を横展開してライフサイエンス分野なども深耕、ビジネスの幅を広げている。前週19日には「会話型 認知症診断支援AIプログラム」に関し、韓国における特許査定を取得したことを発表した。同社は同プログラムに関して国際特許を出願しているが、特許性が認められたのは日本に続き2国目となる。これも株価の刺激材料となったもようだ。
■フューチャー <4722> 2,409円 +177 円 (+7.9%) 本日終値
フューチャー<4722>が大幅高で一時2400円台まで上値を伸ばし、前週末に続く年初来高値。また、20年10月の高値2347円も一気に上抜き2000年以来約21年ぶりの高値更新となった。AIを活用したITコンサルティング事業を幅広く展開、IT人材育成などでも実績を積み重ねている。21年12月期業績はDX案件の受注が好調で従来見通しを増額、営業利益は前期比53%増の80億円を予想している。株主還元にも前向きで毎期増配を続けていることも評価材料となっている。今期は前期比6円増配となる46円を計画する。
■ウエストHD <1407> 4,760円 +335 円 (+7.6%) 本日終値
ウエストホールディングス<1407>が急反発。23日付の日本経済新聞で「環境省は再生可能エネルギー導入などで地域単位で先行して電力消費に伴う温暖化ガス排出実質ゼロを目指す自治体を支援する。事業費の最大75%を補助する交付金を設ける」と報じられたことを受けて、太陽光発電所の建設などの再生可能エネルギー事業を展開する同社に商機拡大を期待する買いが入った。記事によると、2030年度までに少なくとも100カ所で電力の脱炭素を実現し、成功モデルをつくるのが狙いという。また、この報道を受けて、イーレックス<9517>やレノバ<9519>など他の再生可能エネルギー関連にも買いが入った。
■アイネス <9742> 1,455円 +79 円 (+5.7%) 本日終値
アイネス<9742>が急反発。岩井コスモ証券は20日、同社株の投資判断を新規「A」としてカバレッジを開始した。目標株価は1800円とした。同社が得意とする金融及び公共分野では需要の拡大が見込まれている。金融分野では、システム2025年の崖問題への対応で、レガシーシステムの改修に向けて需要が高まっていく見通し。行政面では住民コミュニケーションのデジタル化、デジタル庁の設立、ガバメントクラウドの利用など、今後数年にわたり追い風が吹くとみている。更に三菱総合研究所<3636>との資本業務提携により成長に期待できる社風に変わりつつあることも評価している。
■飯田GHD <3291> 2,647円 +129 円 (+5.1%) 本日終値
飯田グループホールディングス<3291>が大幅続伸。株価は一時、前週末に比べ6%超高に買われた。SMBC日興証券は20日、同社株の投資判断を「2」から「1」に引き上げた。目標株価は3300円から3450円に見直した。コロナ禍で分譲戸建て住宅の潜在需要が顕在化していることを評価。想定以上の利益率改善が継続しており、下期以降は原材料価格上昇の影響が一部生じるものの、単価改善などにより総じて高い利益率が続くとみている。同証券では22年3月期の連結営業利益は会社計画1280億円(前期比5.6%増)に対して1667億円を予想している。
■アトラエ <6194> 2,327円 +104 円 (+4.7%) 本日終値
アトラエ<6194>が続伸。この日、新規事業としてシニア向けジョブ型マッチングサービス「Inow(イノウ)」を正式にリリースしたと発表しており、これが好感された。「Inow」は、25年以上のキャリアを重ねたベテラン人材が、これまで培ってきた専門性の高い知識やノウハウ、人脈などの「経験」と、それらを活用したい企業や人の「ニーズ」をマッチングさせるジョブ型マッチングサービス。キャリアが長い人々の仕事探しは、従来人を介したアナログなマッチングがメインであったため、ごく一部のトップ人材をターゲットとする求人キャリアか、専門性に関係なく多くの人が担えるような単純労働の求人の両極端なマッチングがほとんどだったが、「Inow」ではこれまでマッチングが難しいとされてきた中間層のロングテールなマッチングを実現すべく、あえて曖昧で自由度の高い余白を存分に残したサービス設計を実現したのが特徴という。
■日本郵船 <9101> 7,620円 +330 円 (+4.5%) 本日終値
日本郵船<9101>が東証1部売買代金首位で4日ぶりに大幅反発したほか、商船三井<9104>や川崎汽船<9107>なども郵船同様に活況高で切り返し急となった。22年3月期はコンテナ船市況の高騰などを背景に収益が急改善、時価予想PERは郵船と商船三井が2倍台、川崎汽は1倍台と超割安水準にある。配当利回りも郵船は9%台という高い水準で押し目形成場面ではインカムゲイン狙いの買いも活発化した。また、海運市況はコンテナ船だけではなく、ばら積み船の回復も特筆される状況にあり、運賃動向を示す代表的指標のバルチック海運指数は前週末20日現在で9日続伸となり、ついに4000の大台に乗せてきた。
■スター精密 <7718> 1,497円 +62 円 (+4.3%) 本日終値
スター精密<7718>は後場急上昇。午後1時30分ごろ、上限を100万株(発行済み株数の2.49%)、または17億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は8月24日から10月29日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するとともに、資本効率の向上と株主還元の充実を図るためという。また、これにより取得した全ての株式を11月5日付で消却するとあわせて発表した。
株探ニュース