【注目】本日注目すべき【好決算】銘柄 JFE、リクルート、スノーピーク (12日大引け後 発表分)
JFE <日足> 「株探」多機能チャートより
12日の大引け後に決算を発表した銘柄のなかから、業績好調や配当増額など市場で評価される可能性の高い銘柄を取り上げた。
JFE <5411> ★今期税引き前を79%上方修正、未定だった上期配当は60円実施
◆22年3月期の連結税引き前損益を従来予想の1900億円の黒字→3400億円の黒字(前期は49.3億円の赤字)に78.9%上方修正した。原料コスト上昇分の鋼材価格への反映に加え、輸出を中心とした市況上昇に伴う販売価格の改善、国内外グループ会社の収益増加、棚卸資産評価差などが寄与し、鉄鋼事業の利益が前回予想から倍増となることが上振れの主因。
併せて、従来未定としていた今期の上期配当を60円(前年同期は無配)実施する方針を示した。下期配当は引き続き未定とした。
ホクリヨウ <1384> ★今期経常を2.8倍上方修正、配当も5円増額
◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の4億円→11億円に2.8倍上方修正。増益率が77.4%増→4.9倍に拡大する見通しとなった。昨年秋以降に拡大した鳥インフルエンザの影響を背景に、鶏卵相場が想定を上回る水準で推移していることが上振れの背景。
業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の10円→15円(前期は10円)に大幅増額修正した。
シンクレイヤ <1724> [JQ] ★今期経常を22%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も2円増額
◆21年12月期上期(1-6月)の連結経常利益は前年同期比2.2倍の8.4億円に急拡大し、従来予想の5.2億円を上回って着地。コロナ禍におけるICTの利活用拡大を背景に通信事業者向け機器の販売が好調だったほか、ケーブルテレビ事業者向けFTTH関連工事が引き続き順調に進んだことが寄与。原価低減や販管費の抑制に加え、為替差損益が改善したことも大幅増益に貢献した。
併せて、通期の同利益を従来予想の8.6億円→10.5億円に22.1%上方修正。増益率が22.3%増→49.4%増に拡大し、従来の2期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。
業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の15円→17円(前期は10円)に増額修正した。
ケイアイ不 <3465> ★今期経常を32%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も30円増額
◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の152億円→200億円に31.6%上方修正。増益率が18.9%増→56.5%増に拡大し、従来の7期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。第1四半期に戸建て住宅の強い需要を背景に利益率が上昇するとともに、ITインフラの活用で生産性が向上するなど、収益性が想定以上に向上したことを反映。
業績上振れに伴い、今期の年間配当を従来計画の200円→230円(前期は139円)に増額修正した。
石原産 <4028> ★上期経常を一転黒字に上方修正
◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常損益を従来予想の8億円の赤字→31億円の黒字(前年同期は0.2億円の黒字)に上方修正した。無機化学事業で酸化チタンの国内外市況の改善が想定より進み、機能性材料も導電性材料や電子部品材料を中心に販売が好調なことに加え、有機化学事業では主力農薬が欧州を中心に海外販売が堅調に推移していることが要因。また、円安進行による採算改善も利益を押し上げる。
児玉化 <4222> [東証2] ★今期経常を24%上方修正
◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の7億円→8億7000万円に24.3%上方修正。増益率が99.4%増→2.5倍に拡大する見通しとなった。第1四半期に主力の自動車部品がSUV車を中心に販売が大きく伸びるなど、新型コロナウイルス感染拡大の影響からの回復基調が継続し、売上高が計画を12.9%も上回ることが寄与。
リクルート <6098> ★今期税引き前を40%上方修正・3期ぶり最高益、1円増配へ
◆22年3月期の連結税引き前利益を従来予想の2175億円(予想レンジ中値)→3050億円(同)に40.2%上方修正。増益率が29.1%増→81.0%増に拡大し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。米国市場における採用競争の過熱感が想定より長引き、求人情報サイト「インディード」の有料求人広告利用が伸びる。また、欧州のEコマース関連の物流分野やコロナ禍における医療分野を中心に旺盛な人材需要が継続し、人材派遣事業の収益も拡大する。
業績好調に伴い、従来未定としていた今期の年間配当は21円(前期は20円)実施する方針とした。
エスユーエス <6554> [東証M] ★今期経常を一転39%増益に上方修正
◆21年9月期の連結経常利益を従来予想の2億5100万円→5億7000万円に2.3倍上方修正。従来の38.8%減益予想から一転して39.0%増益見通しとなった。取引先のテレワーク推進による通勤費や残業時間の抑制、賞与引当金の再精査による人件費の減少に加え、経費の見直しなどが寄与する。また、雇用調整助成金の受給期間が延長されたことも上振れに大きく貢献する。
SEMITEC <6626> [JQ] ★今期経常を一転9%増益・最高益に上方修正
◆22年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比69.2%増の9.5億円に拡大して着地。自動車・家電関連や産業機器関連向けセンサーの好調が継続したことが寄与。医療関連では体温計向けセンサー特需は落ち着いたものの、血糖値測定器向け販売は増勢だった。
第1四半期業績の好調に伴い、通期の同利益を従来予想の21.4億円→30.1億円に40.7%上方修正。従来の22.2%減益予想から一転して9.4%増益を見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。
ズーム <6694> [JQ] ★今期経常を53%上方修正・8期ぶり最高益、配当も35円増額
◆21年12月期の連結経常利益を従来予想の7億円→10.7億円に52.9%上方修正。増益率が55.6%増→2.4倍に拡大し、8期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。コロナ禍で増加したレコーダーやデジタルミキサーなどへの需要が続いていることが要因。為替の円安進行もプラスに働く。
業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の67円→102円(前期は62円)に大幅増額修正した。
黒田精 <7726> [東証2] ★上期経常を一転3.6倍増益に上方修正
◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の6000万円→2億7000万円に4.5倍上方修正。従来の20.0%減益予想から一転して3.6倍増益見通しとなった。駆動システム関連を中心に半導体製造装置・液晶関連分野向けの高水準な受注が継続し、利益率の高い商品の比率が増加している状況を反映。
スノーピーク <7816> ★今期経常を50%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も7.5円増額
◆21年12月期の連結経常利益を従来予想の20.4億円→30.5億円に49.5%上方修正。増益率が31.5%増→96.6%増に拡大し、従来の4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。世界的なキャンプ需要の高まりを追い風に、売上高が計画を19.5%も上回ることが利益を押し上げる。
業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の12.5円→20円(前期は12.5円)に大幅増額修正した。
タカラトミー <7867> ★上期経常を96%上方修正
◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の23億円→45億円に95.7%上方修正。増益率が41.8%増→2.8倍に拡大する見通しとなった。第1四半期に商品力を強化したトレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」や「トランスフォーマー」の海外向け輸出が好調に推移し、アミューズメントマシン「ポケモンメザスタ」の人気が拡大したことを反映。また、経費コントロール効果に加え、今後の市場環境と第2四半期の商品計画も踏まえて業績予想を引き上げた。
乾汽船 <9308> ★今期経常を2.2倍上方修正・14期ぶり最高益、配当も81円増額
◆22年3月期の連結経常損益を従来予想の39.2億円の黒字→87.6億円の黒字(前期は13.2億円の赤字)に2.2倍上方修正し、14期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。外航海運事業におけるハンディ船市況が想定を上回る水準で推移し、売上高が計画を22.0%も上回ることが利益を押し上げる。
業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の51円→132円(前期は6円)に大幅増額修正した。予想PERが15.6倍→6.9倍へ急低下する一方、配当利回りは6.66%に上昇し、割安感が強まった。
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