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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

ニチレイ <日足> 「株探」多機能チャートより

■ニチレイ <2871>  2,631円 (-368円、-12.3%)

 東証1部の下落率3位。ニチレイ <2871> が続急落、年初来安値を更新した。同社は3日取引終了後に、22年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比10.3%減の70億5000万円となり、通期計画350億円に対する進捗率は20.1%にとどまった。売上高は同4.1%増の1436億5800万円で着地した。主力の加工食品事業や低温物流事業が堅調に推移したことが増収につながった半面、利益面では原材料や仕入れコストの上昇が影響した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■イリソ電子工業 <6908>  4,850円 (-660円、-12.0%)

 東証1部の下落率4位。イリソ電子工業 <6908> が急反落。3日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高111億8600万円(前年同期比91.7%増)、営業利益12億6400万円(前年同期3億9500万円の赤字)、最終利益10億5200万円(同4億3200万円の赤字)と営業損益が大幅に黒字転換したが、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。主力の車載市場は半導体不足の影響で欧米を中心に自動車生産の減産の影響を受けたものの、電動化関連の車載パワートレイン分野では、環境対応車向けの旺盛な需要や独自のパワートレイン機器向け耐振ソリューションサービスによる受注獲得を背景に好調を維持した。また、ゲーム機やテレビ向けなどのコンシューマー市場や、中国の景気回復によるFA関連機器の需要増加や5G通信基地局向けの新規搭載が寄与したインダストリアル市場も大幅に伸長した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高420億円(前期比15.0%増)、営業利益67億円(同2.3倍)、最終利益48億円(同2.2倍)の従来見通しを据え置いている。

■三井海洋 <6269>  1,703円 (-213円、-11.1%)

 東証1部の下落率5位。三井海洋開発 <6269> が急反落、年初来安値更新。3日の取引終了後、21年12月期上期(1-6月)の決算を発表し、売上高は2281億8000万円(前年同期1564億4600万円)、純利益は13億2200万円(同96億4500万円の赤字)だった。ただ、足もと4-6月期に限ると最終赤字となったことから、これを嫌気した売りが出たようだ。売上高はFPSO建造工事の進捗により増加したものの、利益面では一部の建造工事の進捗遅れに伴う追加費用の発生や前期における既存建造工事の収益率低下が下押し要因となった。なお、通期見通しの売上高4000億円(前期比29.1%増)、純利益50億円(前期130億7600万円の赤字)は据え置いた。

■タクマ <6013>  1,693円 (-106円、-5.9%)

 タクマ <6013> が急落。4日午後2時ごろ、22年3月期第1四半期(4-6月)の決算を発表し、売上高は271億1200万円(前年同期比16.0%減)、純利益は7億9200万円(同57.6%減)で着地したことが嫌気されたようだ。引き続き堅調な需要の獲得に努めたものの、比較的大型の案件受注が多かった前年同期と比べ受注高が減少したことなどが響いた。なお、第2四半期以降にごみ処理プラントの建設工事や運営事業、バイオマス発電プラントの受注を見込んでいることなどから、通期見通しは据え置いた。

■クボタ <6326>  2,223.5円 (-121円、-5.2%)

 クボタ <6326> が3日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を2兆500億円から2兆1500億円(前期比16.0%増)へ、営業利益を2200億円から2600億円(同48.3%増)へ、純利益を1580億円から1830億円(同42.4%増)へ上方修正したが、材料出尽くし感から売られたようだ。国内でトラクタや農業関連商品などが堅調に推移しているほか、アジアなどで農業機械が大きく伸長していることが要因。また、為替相場が想定よりも円安で推移していることも寄与する。同時に発表した第2四半期累計(1-6月)決算は、売上高1兆1014億円(前年同期比24.6%増)、営業利益1475億4800万円(同80.7%増)、純利益1029億5000万円(同72.8%増)だった。

■川崎汽 <9107>  4,025円 (-130円、-3.1%)

 川崎汽船 <9107> 5日ぶり大幅反落。4日午前11時30分ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を5700億円から6300億円(前期比0.7%増)へ、営業利益を収支均衡から40億円(前期212億8600万円の赤字)へ、純利益を1900億円から2650億円(前期比2.4倍)へ上方修正したが、株価は前場に年初来高値を更新しただけに、目先の材料出尽くし感から利益確定売りが出たようだ。ドライバルク事業で、引き続き堅調な輸送需要を背景に市況が予想を上回って推移していることが要因としている。また、持ち分法適用会社「OCEAN NETWORK EXPRESS」も旺盛な貨物需要を背景に業績が想定を上回ることが寄与する。なお、今期配当予想は引き続き未定としている。同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高1747億4300万円(前年同期比14.8%増)、営業損益24億円の黒字(前年同期65億8100万円の赤字)、最終損益1019億8700万円の黒字(同9億5500万円の赤字)だった。

■任天堂 <7974>  55,520円 (-1,210円、-2.1%)

 任天堂 <7974> が続落、連日の年初来安値更新となった。一時1600円安の5万5130円まで売り込まれる場面があった。「ニンテンドースイッチ」の販売好調は続いているものの、巣ごもり需要による押し上げ効果が一巡していることから、あす5日に予定される決算発表を前に買いポジションを低める動きが出た。また市場では、「中国政府によるネット企業への規制強化の動きが強まるなか、前日3日はその影響でテンセントが急落しており、同社株への影響を懸念した売りを誘っている」(ネット証券アナリスト)という指摘も出た。

※4日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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