【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):テルモ、マザーズ指数、キユーピー
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テルモ<4543>が大幅高で4日続伸。10日付の日本経済新聞朝刊で「テルモが糖尿病のインスリン注射を自分で打たずにすむシステムを開発中だ」と報じられており、これが材料視されたようだ。記事によると、体に貼る血糖測定器とポンプが連携し、血糖値などの情報を人工知能(AI)が解析して最適な量を自動で投与するという。テルモが開発するのは「人工すい臓」で、スタートアップとの提携などを通じて、糖尿病事業を30年度に現在の2.5倍となる500億円に拡大する計画としている。
■アズビル <6845> 4,370円 +85 円 (+2.0%) 本日終値
アズビル<6845>が続伸。同社は9日、シンガポール経済開発庁の支援を受けて、海外向け統合型ビルディングマネジメントシステム向けの新たなデジタルソリューション開発を開始したと発表しており、これを受けて今後の業容拡大を期待した買いが入ったようだ。統合型ビルディングマネジメントシステムとは、大規模複合施設の各種設備管理システムを一括管理し、効率的で高品質な設備管理やエネルギー管理、テナント情報の管理などを実現するシステム。同社は今後、人工知能(AI)やビッグデータといったデジタル技術を活用し、安全性や利便性、エネルギー効率の向上などを目指したソリューションを開発する。
■東武鉄道 <9001> 3,105円 +55 円 (+1.8%) 本日終値
東武鉄道<9001>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で同社の投資判断を「アンダーウエート(弱気)」から「オーバーウエート(強気)」に2段階引き上げるとともに、目標株価を3200円から3600円に増額したことが好材料視された。レポートでは、鉄道需要の回復局面で早期の営業損益の改善が見込める収益構造を評価。また、東京スカイツリーの損益分岐点来場者数の低下により、同事業が全社の営業利益の早期回復に貢献すると考えている。このほか、22年3月期以降のポジティブFCFを活用した株主還元を注目ポイントに挙げている。
■メルカリ <4385> 5,280円 +90 円 (+1.7%) 本日終値
東証マザーズ指数が4日続伸で戻り足を明示している。5月に入ってから急速に値を崩し、5月17日に1040近辺まで売り込まれたが、その後は立ち直り、直近は中長期トレンドの分水嶺である75日移動平均線とのマイナスカイ離を解消した。市場では、個人投資家のバロメーターとしてマザーズ市場を捉える向きも多く、直近では個人の投資マインド改善を物語っている。時価総額上位のメルカリ<4385>、フリー<4478>、マネーフォワード<3994>、JMDC<4483>、弁護士ドットコム<6027>などが高く、全体指数の上昇に貢献している。
■キユーピー <2809> 2,577円 +28 円 (+1.1%) 本日終値
キユーピー<2809>が3日ぶりに反発。10日付の日本経済新聞朝刊で「キユーピーは卵を使わない『卵商品』を開発した」と報じられており、これが刺激材料となった。記事によると、大豆を原料とするスクランブルエッグのようなペースト状の商品を6月下旬に国内で売り出すとしている。国内食品メーカーで代替卵の商品を販売するのは初めてという。消費者の健康・環境志向を背景に、植物由来の代替卵需要が高まると見込んでいるようだ。
■サッポロHD <2501> 2,357円 +14 円 (+0.6%) 本日終値
サッポロホールディングス<2501>が7日続伸。9日の取引終了後、連結子会社のサッポロ不動産開発が保有する一部固定資産を譲渡すると発表しており、これが材料視されたようだ。サッポロ不動産開発が保有する不動産物件の戦略的な組み替えを目的に、東京都渋谷区にある「恵比寿ファーストスクエア」を譲渡する。これに伴い、21年12期月上期(1~6月)に約220億円の固定資産売却益を計上する予定という。なお、通期業績予想には一定程度織り込んでいるとし、予想値の見直しは行わない。
■花王 <4452> 6,797円 +26 円 (+0.4%) 本日終値
花王<4452>は6日続伸。9日の取引終了後、発行済み株式数の1.45%に相当する700万株の自社株を6月23日付で消却すると発表。これを受けて、株式需給の改善を評価する買いが入ったようだ。
■シンバイオ製薬 <4582> 2,118円 -173 円 (-7.6%) 本日終値
シンバイオ製薬<4582>が大幅続落。9日の取引終了後、東京証券取引所と日本証券金融が10日売買分から信用取引に関する臨時措置を実施すると発表しており、信用規制による人気離散を警戒する売りが優勢となった。東証は委託保証金率を現行の30%以上から50%以上へ、日証金も同様に貸借取引自己取引分などの増担保金徴収率を現行の30%から50%へ引き上げている。
■エーザイ <4523> 10,000円 -755 円 (-7.0%) 本日終値 東証1部 下落率3位
エーザイ<4523>は寄り付き高く始まったものの、その後売り優勢に傾いている。同社は米国の独立系バイオ企業大手バイオジェン<BIIB>とアルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の共同開発を進めているが、今週7日に、米食品医薬品局(FDA)が同治療薬についての承認申請を認めることを発表、これを受けて株価は前日まで2営業日連続のストップ高で合計3000円あまりの上昇となった。上昇率にして39%。きょうは、制限値幅について、上限のみ通常の4倍(3000円から12000円に変更)にすることを東証が発表しているが、利食い圧力も顕在化しあっさりと寄り付いた。なお、米バイオジェンも米国株市場で人気化しており、週明け7日に前週末比一時64%高の468ドルまで急騰する場面があったが、その後はやや沈静化し、前日終値は406ドル。動意前と比較して依然として40%強高い水準にあるが、エーザイの前日までの上昇率はほぼそれに近いものとなっている。
■ロック・フィールド <2910> 1,519円 -68 円 (-4.3%) 本日終値
ロック・フィールド<2910>が反落。9日の取引終了後、22年4月期の連結業績予想を発表し、営業利益を前期比2.4%減の10億8100万円と小幅ながらも減益見通しとしたことから、これを嫌気した売りが出たようだ。前期は店舗の営業再開にあわせて社内サプライチェーンを通じたコストコントロールを継続し、営業2.3倍増益と急回復したこともあり、今期は小幅ながら減益となる見通し。一方、今期の売上高見通しは既存店の売り上げなどが寄与し、同3.7%増の453億8200万円と増加する見込み。
株探ニュース