【特集】4月IPOスタート、春相場彩る好人気「新顔銘柄」が舞う <株探トップ特集>
4月IPOには12社が登場する。有名企業「ビズリーチ」を擁するビジョナルや、再生可能エネルギーを手掛けるテスホールディングスなど、注目企業は多く市場の関心は高い。
―オキサイド、ビジョナルなど注目、海外公募銘柄の動向にも関心―
5日から4月の新規株式公開(IPO)がスタートした。第1号となったオキサイド <6521> [東証M]は好人気となった。4月IPOでは12社が登場する。例年、4月はIPOが一服する時期だが、今年は高水準だ。そのなか、人材サービスのビズリーチを傘下に持つビジョナル <4194> [東証M]のような知名度の高い企業が登場するなど話題銘柄も少なくない。4月IPOの行方を探った。
●オキサイドは人気殺到で公開価格比2.3倍高と好スタート
この日から始まった4月IPOでは12社が登場。その内訳は、東証マザーズが5社、ジャスダックが4社(うち1社は名証2部との同時上場)、東証1部が2社、東証2部が1社というものだ。主幹事別では野村が5社、みずほが3社と多い。4月の第1号となったオキサイドは、買い人気殺到で公開価格に対して2.3倍の6540円で初値をつけた。同社は、光学単結晶分野の大手でレーザーや半導体検査装置などに絡んでおり、経済産業省の「グローバルニッチトップ100選」に選ばれたこともある。「4月IPOのなかでも注目度は高く、明日以降も人気は続きそうだ」(市場関係者)との声がある。
●中小型株の上値の重さがIPOの警戒材料に
好スタートを切った4月IPOだが、足もとでは昨年に比べやや風向きの変化を指摘する声も出ている。3月IPOでは、全社の初値は公開価格を上回り人気は健在だった。ただ、上場初日に値がつかず2日目に持ち越したのはi-plug <4177> [東証M]とシキノハイテック <6614> [JQ]の2社だけだった。また、「初値をつけた後の直近IPO銘柄の取引も昨年までに比べて物色の広がりは限られている」(市場関係者)という声もある。これは、足もとの相場が大型株中心で、直近IPOを含む中小型株に物色の矛先が向かいづらくなっていることが要因として指摘されている。この大型株への物色シフトの影響が4月も続くか、どうかが注目されている。
●今週はセルムや表示灯、アイスコなど5社が登場
そんななか、今週はオキサイドに続き、6日にセルム <7367> がジャスダックへ、7日には東証2部に表示灯 <7368> とジャスダック・名証2部にファブリカコミュニケーションズ <4193> 、8日にジャスダックにアイスコ <7698> と合計5社が新規上場を果たす。
セルムは人材育成や開発を支援し、大手企業向け社員研修の受託などを手掛けている。また、表示灯は駅周辺案内図の広告などの設置・運営を展開している。ファブリカコミュニケーションズは、中古車販売業務支援や法人向けショートメッセージサービス(SMS)などを行っている。アイスコはアイスクリームの卸売りやスーパー事業を手掛ける。いずれも資金吸収額は、さほど大きくない。アイスコの資金吸収額は12億円程度だ。堅調な初値が期待されるが、やや地味な業態が多い点は上値を抑える要因となりそうだ。
●「ビズリーチ」擁するビジョナルに高い関心
4月中盤から後半にかけてのIPOは大型銘柄や話題株が多い。13日には東証1部に水産練り製品の老舗企業である紀文食品 <2933> が登場する。資金吸収額は50億円強で海外展開に向けた動向が注目されている。また、同じく東証1部には27日にテスホールディングス <5074> がIPOを果たす。同社は太陽光発電など再生可能エネルギー事業を運営している。時流に乗る業態だが、想定発行価格から弾いた資金吸収額は約200億円と大きい。
4月IPOのなかでとりわけ高い関心を集めているのが、22日に東証マザーズに新規上場するビジョナルだ。同社は人材サービスの「ビズリーチ」を傘下に持つ。ビズリーチは専門知識や高度なスキルを持つプロフェッショナル人材採用の支援で高実績があり、積極的なテレビCMで知名度も高く、IPOでは海外投資家も含め広く資金調達を行う。想定発行価格から弾いた資金吸収額は600億円近く、時価総額も1500億円強の大型IPOとなる。3月に同じく海外を含めた大型IPOを実施したAppier Group <4180> [東証M]が足もとで堅調な値動きとなっており、ビジョナルもこれに続くことができるかが関心を集めている。
また、15日に東証マザーズに新規上場するサイバートラスト <4498> は昨年4月の上場を中止した再挑戦組だが、現在想定される資金吸収額は10億円強と小さい。22日にジャスダックに新規上場するネオマーケティング <4196> の現在想定される資金吸収額は9億円強。23日に東証マザーズに上場するディマージシェア <4195> も想定発行価格では同吸収額は4億円強と小型で値は飛ぶ可能性がある。22日にマザーズに登場するステラファーマ <4888> は、ステラ ケミファ <4109> の子会社だが、赤字バイオ企業に対する評価が注目されている。
■4月IPO銘柄一覧
上場日 コード・市場 銘柄名 主幹事
4月 5日 6521・東マ オキサイド 野村
4月 6日 7367・JQ セルム 野村
4月 7日 7368・東2 表示灯 野村
4月 7日 4193・JQ ファブリカコミュニケーションズ 東海東京
4月 8日 7698・JQ アイスコ 野村
4月13日 2933・東1 紀文食品 みずほ
4月15日 4498・東マ サイバートラスト みずほ
4月22日 4888・東マ ステラファーマ みずほ
4月22日 4196・JQ ネオマーケティング いちよし
4月22日 4194・東マ ビジョナル 野村・三菱UFJモルガン・スタンレー
4月23日 4195・東マ ディマージシェア SMBC日興
4月27日 5074・東1 テスホールディングス 大和
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