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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─春風相場が到来、「米国の国策に売りなし」を胸に!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「春風相場が到来、『米国の国策に売りなし』を胸に!」

●矢継ぎ早の米経済対策は途方もない規模に

 「4月相場=新年度入り相場」は絶好のスタートになった。3月末に下げて、月末下落のアノマリーが先月も起きてしまったため気分がよろしくなかったのだが、それが一掃されたのも好ましい。文字通り、春風相場の到来だ。

 私は毎年この時期になると、思い出す名句がある。

「春風や闘志いだきて丘に立つ」

高浜虚子の句であり、この句を読み返すと「よし、やるぞっ」という気になるのだ。何をやるのか? 株に決まっている。

 でも、正直、自分だけ張り切っても市場環境に恵まれなくては空振りに終わる。この点、目先はともかく、今後はどうなのか。現在の市場を押し上げている材料は、米国の大胆な経済再生策になる。米バイデン政権はすでに3月、1.9兆ドル(約200兆円)規模の新型コロナウイルス経済対策法案を決定している。

 これだけでも途方もない規模なのに、3月末にはさらに2兆ドル規模の追加策を発表、インフラ整備に投じたいとの方針を表明した。それだけではない。4月にはさらに1兆ドル規模の追加策も予定しているというのだから、日本の渋い対策を考えれば常軌を逸しているといえるほどだ。

 資金をどうやって賄うつもりか。われわれ日本人が心配することではないだろうが、バイデン政権は企業や富裕層への増税を計画しているというのだから、今後、共和党が強烈に反対することはあり得る。

 しかし、バイデン政権が中国の繁栄を強く意識していることから考えると、途方もない規模の経済再生策も理解できる。株式市場では、「国策に売りなし」という言葉があるが、いまは一言加えて「米国の国策に売りなし」を胸に投資すれば成功する確率が高まること必定だ。

●バイデン政権が重視する「半導体」を軸に銘柄選定

 そこで、ここでの注目銘柄だが、バイデン政権が 半導体不足を懸念し、国家安全保障担当トップと国家経済会議(NEC)委員長が12日、半導体不足の問題について半導体および自動車業界の関係者と協議すると報じられていることを考えれば、半導体関連株になる。

 半導体関連株はレーザーテック <6920> 、ディスコ <6146> などすでに相当上がっているではないか。こういうことになろうが、半導体不足は簡単には解消しない。しかも、関連銘柄はレーザーテックやディスコだけではない。まだまだ多数あり、その中には上昇余力を残している銘柄もある。

 具体的には、まずは荏原 <6361> がある。この会社はポンプの総合メーカー。環境プラントにも展開しているため、環境関連株。こう見るのが普通だが、実は半導体研磨装置に強く、技術力の高さで知られている。株価は緩やかに浮上中であり、目先浅い下げがあると考えられるため、そこでの投資がお勧めだ。

 半導体のパッケージやリードフレームに強いのが新光電気工業 <6967> 。富士通 <6702> の傘下にあるが、製品の納入先は富士通以外が圧倒的だ。同じく半導体パッケージに強いのがイビデン <4062> 。この会社はインテルと関係が緊密なため、株は期待が持てる。

 半導体は、製造過程で右から左に少し移動する場合も人の手で行うというわけにはいかない。ウエハー搬送装置に強いのが平田機工 <6258> 。株価は低迷状態からわずかに首をもたげた程度だけに、回復に少々時間を要しそうだが安全度は高い。

 半導体といえば、私がすぐに思い浮かべるのが東京応化工業 <4186> 。フォトレジストで世界首位級の会社であり、目下、需要絶好調の状態にあることを考えると、株価は続伸する確率が高い。ただ、目先は少々上がり過ぎなので一服を待ちたい。

 半導体の製造では、超純水が不可欠。それを製造する装置を製造している会社も注目で、オルガノ <6368> 、栗田工業 <6370> がよく知られているが、ここでは野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証2]に注目したい。韓国サムスンとの取引が多いが、バイデン政権が予定している半導体協議会にはサムスンも呼ばれる模様とのことであり注目を怠れない。

 最後にルネサスエレクトロニクス <6723> を。火災により機能停止状態に陥り、回復が遅れるとの予測記事をよく見かけるが、いずれ再稼働となる。その間、株価はあれこれの情報で上下動を繰り返すだろうが、下げたところで拾っておくのが良策になる。

2021年4月2日 記

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