【市況】今週の【早わかり株式市況】2週ぶり大幅高・3万円接近、週末グロース株が買い人気
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりに大幅上昇、週末大幅高で3万円大台復帰が視界に
2.週前半は景気敏感株など買われ、前週後半からの強調地合いを引き継ぐ
3.30日(火)は権利落ちに伴う下落圧力吸収し日経平均はプラス圏着地
4.週末はバイデン政権によるインフラ投資期待と米長期金利低下が追い風
5.SOX指数の最高値更新受け、半導体関連株が全体指数押し上げに寄与
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比677円(2.32%)高の2万9854円と2週ぶりに大幅上昇となった。ただ、TOPIXは12ポイント(0.63%)安の1971ポイントと2週連続の下落となった。
今週は、前週後半から一転してリスクオンに変わった地合いを引き継ぐ形で上値指向を強めた。週後半は、これまで大きく水準を切り上げてきた景気敏感株が利食われる一方、半導体関連などハイテク系グロース株に資金が還流し、日経平均の上昇に寄与した。
週明け29日(月)は、前週末の米国株市場でNYダウが450ドルあまりの上昇したことなどを受けリスク選好の流れとなり、日経平均は3日続伸。米投資会社アルケゴス・キャピタルに絡むネガティブな思惑が上値を押さえたが200円強の上昇を確保した。30日(火)は小幅ながら続伸。この日は権利落ちに伴い日経平均には180円弱の下落圧力が働いたが、これをこなしプラス圏で着地。景気敏感株などが下値を支えた。31日(水)は米長期金利が1.7%台後半まで上昇したことなどを警戒して売り優勢の地合いとなり5日ぶりに反落。買い手控えムードが強く値下がり銘柄数も全体の75%を占めた。しかし、名実ともに新年度入りとなった1日(木)はハイテク株中心に再び上値指向に。前日のナスダック高やSOX指数の上昇を背景に半導体関連株に買い人気が集中し、日経平均も切り返した。ただ、値下がり銘柄数が多くTOPIXの上げ幅はわずかにとどまった。そして週末2日(金)は、リスクを取る動きが一気に強まり、日経平均は465円高と急伸をみせ、2万9800円台で着地。バイデン政権の巨額インフラ投資計画への期待が膨らむ一方、米長期金利が1.6%台まで急低下したことでグロース株買いに火がついた。またSOX指数の最高値更新を受けて、半導体関連株の物色人気が全体相場を押し上げる格好となった。
■来週のポイント
来週も半導体関連などグロース株人気が続けば、日経平均は3万円大台回復からさらに上値追いが期待される。
重要イベントとしては、国内では7日発表の2月景気動向指数や8日朝に発表される2月国際収支が注目される。海外では5日発表の米国3月ISM非製造業景況指数や7日-8日に開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会合、8日発表の米国2月住宅着工件数、9日に発表される中国3月の消費者物価指数と生産者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(3月29日~4月2日)
【↑】 3月29日(月)―― 3日続伸、米株高や配当再投資絡みの買いが優勢
日経平均 29384.52( +207.82) 売買高18億2632万株 売買代金 3兆7153億円
【↑】 3月30日(火)―― 4日続伸、日銀のETF買い観測で底堅さを発揮
日経平均 29432.70( +48.18) 売買高13億4076万株 売買代金 2兆7235億円
【↓】 3月31日(水)―― 5日ぶり反落、米長期金利上昇を警戒し売り優勢
日経平均 29178.80( -253.90) 売買高13億2588万株 売買代金 2兆9084億円
【↑】 4月 1日(木)―― 反発、米ナスダック高受けハイテク株中心に買い優勢
日経平均 29388.87( +210.07) 売買高12億4597万株 売買代金 2兆7186億円
【↑】 4月 2日(金)―― 大幅続伸、ハイテク株が買われ2万9800円台回復
日経平均 29854.00( +465.13) 売買高10億0231万株 売買代金 2兆2403億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、7業種が上昇
(2)値上がり率トップは三井ハイテク <6966> 、東エレク <8035> など電機
(3)コマツ <6301> など機械、HOYA <7741> など精密機器、スズキ <7269> など自動車といった輸出株が値上がり上位を占める
(4)内需株はリクルート <6098> などサービス、ソフトバンクG <9984> など情報・通信が堅調も
JR東日本 <9020> など陸運、大和ハウス <1925> など建設、アサヒ <2502> など食品は総じて軟調
(5)東電HD <9501> 、東ガス <9531> など電力・ガスは大幅反落
(6)野村 <8604> など証券が値下がり率トップになるなど金融株は大幅安
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(3) 半導体
2(1) 全固体電池 ── EV向けでの活躍期待高く関心継続
3(4) 再生可能エネルギー
4(11) 2021年のIPO
5(13) 人工知能(AI) ── 鳴り物入りIPOでテーマ買い波及へ
※カッコは前週の順位
株探ニュース