【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 29社選出 <成長株特集>
COTA <日足> 「株探」多機能チャートより
第1弾(3月18日配信)、第2弾(3月21日配信)に続き、今回は時価総額が50億円以上500億円未満の東証1部銘柄を対象に、20年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している29社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはアイ・ピー・エス <4390> 。20年10-12月期(第3四半期)業績は、経常利益が過去最高だった前年同期を3.0倍も上回る10億円に急拡大して着地。主力の海外通信事業でフィリピンと香港・シンガポールを結ぶ海底ケーブルシステムC2C回線をフィリピンのCATV事業者や通信事業者へ提供を開始したことに加え、国内通信事業でコールセンターソリューションサービスが好調だったことも大幅増益に貢献した。19日には東証一部上場を記念して21年3月期に初配当10円を実施することを発表している。
2位のジェイリース <7187> はコロナ禍で顧客のリスク意識が高まり、オフィスや店舗といった事業用保証の引き合いが強かったほか、主力の家賃債務保証業務では継続保証料などが順調に推移した。また、与信審査と債権管理業務を強化したことで、貸し倒れコストや債権管理業務コストが減少したことも利益を押し上げた。21年3月期は経常利益8億円と16年3月期の過去最高益1.7億円を大幅に更新する見通しだ。
3位に入ったウイルプラスホールディングス <3538> の10-12月期(第2四半期)業績は、売上高106億円(前年同期比37.5%増)、経常利益7.3億円(同2.8倍)といずれも過去最高を達成した。新型コロナウイルス感染防止の観点から安全な移動手段として自動車への需要が増え、利益率の高い中古車を中心に販売が好調だったほか、コロナ禍で研修費や旅費交通費が減少したことなども利益拡大につながった。
4位の液卵製造販売大手イフジ産業 <2924> は鶏卵相場の下落で仕入れ単価が低下したことに加え、材料費の低減や生産効率化などを進めたことも奏功し、10-12月期(第3四半期)の経常利益は実に17年ぶりとなる最高益更新を果たした。続く5位の調味料大手エバラ食品 <2819> は新型コロナウイルス感染拡大の長期化に伴う内食需要を取り込んだほか、商品構成の良化やコロナ禍で一部経費が未使用となったことも大幅増益の要因となった。
7位のチャーム・ケア・コーポレーション <6062> は、既存施設で高水準の入居率を維持したうえ、新規に開設した老人ホームの入居も順調に進んだ。また、人員配置の効率化や本社経費の抑制に加え、補助金を受領したことも寄与し、10-12月期(第2四半期)は3四半期連続となる経常利益の最高益更新を遂げた。
訪問介護を主力とする22位セントケア・ホールディング <2374> は、訪問入浴や訪問看護といった訪問系サービスのニーズが引き続き旺盛だったほか、WEB会議・リモートワークによる業務効率化やコスト削減も利益を押し上げた。株価は3月9日から23日まで11連騰と快進撃を続け、上場来高値を連日更新していたが、利益確定売りに押される形で24日に急落している。
美容院向け頭髪用化粧品の製造・販売を手掛ける9位のコタ <4923> は、年末の販売促進企画が好調で主力のシャンプーやトリートメントといったトイレタリーの販売が大きく伸び、10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比26.6%増の12.1億円に膨らんだ。業績好調に加え、株式分割や自社株買いの実施なども評価され、株価は上場来高値圏で頑強な推移を続けている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4390> アイピーエス 195 1001 339 58.1 1700 1075 29.9
<7187> ジェイリース 80.7 309 171 368 800 171 13.7
<3538> ウイルプラス 49.4 732 490 45.8 1830 1255 10.8
<2924> イフジ産業 42.7 488 342 20.2 1143 951 10.2
<2819> エバラ食品 38.1 1861 1348 26.7 3152 2488 13.7
<3968> セグエG 37.6 410 298 7.3 938 874 20.8
<6062> チャームケア 35.2 711 526 22.6 2250 1835 28.4
<5388> クニミネ 26.3 922 730 8.7 2276 2094 10.7
<4923> COTA 23.8 1219 985 5.5 1573 1491 33.7
<6050> イーガーディ 20.9 452 374 12.8 1557 1380 27.7
<5269> 日コン 20.2 1099 914 1.2 2850 2817 14.7
<3666> テクノスJ 19.5 355 297 8.5 920 848 21.7
<1429> 日本アクア 17.5 737 627 4.8 2003 1911 15.4
<9306> 東陽倉 15.9 584 504 2.4 1650 1611 12.8
<2060> フィードワン 13.9 2038 1789 1.1 5800 5737 9.2
<9385> ショーエイ 13.6 384 338 108 1312 632 9.5
<9273> コーア商HD 13.3 946 835 1.4 2400 2367 16.7
<4963> 星光PMC 12.2 984 877 0.7 2860 2839 13.7
<3916> DIT 11.5 505 453 17.9 1600 1357 28.2
<3984> ユーザーロカ 10.8 235 212 16.9 769 658 68.5
<4396> システムサポ 10.6 313 283 10.3 785 712 31.9
<2374> セントケア 7.8 895 830 49.1 2674 1794 20.5
<3937> Ubicom 7.0 245 229 17.5 840 715 57.9
<3934> ベネフィJ 6.1 400 377 13.0 1263 1118 13.1
<4671> ファルコHD 5.5 938 889 6.9 2550 2385 11.7
<6078> バリューHR 4.5 280 268 11.7 900 806 34.6
<6556> ウェルビー 3.1 595 577 19.3 2095 1756 29.1
<3901> Mラインズ 2.4 261 255 9.7 1050 957 44.2
<3371> ソフトクリエ 1.4 964 951 17.3 2865 2442 22.0
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
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