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【特集】再び3月に痛たぁ~! なんと爆騰で注目のビットコインをだまし取られることに

すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 ともさんの場合~第4回(特別編)

登場する銘柄
今回はなし

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

ともさん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
ともさん2004年から株式投資を本格スタートさせ、以降、資産半減などの大規模なドローダウンを経ながらも、その都度その損失をはるかに上回る復活劇を展開し、現在は5億円まで運用資産を膨らませたすご腕。億り人は13年に達成している。学生の頃から投資の知識を積み重ね、「趣味と実益を兼ねる」という発想で投資のスキルアップにつながる就職先に勤務し徐々に投資の腕を磨いた後、14年に専業投資家に転身する。投資スタイルは不動産関連、REIT(不動産投資信託)中心の投資から、最近は成長株投資にシフトしつつある。オプション取引の「プットの買い」、日経平均株価の売り戦略を交えて、資金管理に気を付けながら自身が納得した有望銘柄に集中投資するやり方でマイペースに資産拡大を目指す。仮想通貨への投資も交えて攻めている。

第1回目「痛たぁ~、コロナ暴落で資産半減、そこから3倍返しの5億円を勝ち取ったワケ」を読む
第2回目「キラキラBASE<4477>」も興味なし、3倍返しの基本は『お祭りスルー』」を読む
第3回目「ボロ不動産&REITの逆張りで、大ヤラレ後に億り人、昨年暴落時も見逃さず」を読む

これまで、資産半減(評価損ないし損失)など、様々なピンチをうまく切り抜けてきたともさん(ハンドルネーム)だが、この3月、また新たなピンチに見舞われた。

あろうことか、最近巷で流行り始めている「仮想通貨詐欺」に出くわし、その時点の価値で約620万円相当額(1ビットコイン)をだまし取られてしまったのだ。

【タイトル】

自分はそんな詐欺にひっかかるわけがない!

――と、多くの人が、そう思っているかもしれない。

だが、本人の話を聞くにつれ、日常生活のさりげない会話や場面に被害に遭う罠が潜み、どんなに用心深い人でもふとしたことから、その悪魔の誘いに引き込まれてしまうリスクがある、との印象を持たざるを得なかった。

「気持ちを切りかえて、次に向かいたい」と語るともさんは、自分と同じ辛い経験をする人がこれ以上増えてはならないと、今回の顛末を披露してくれた。

その気持ちを無駄にしてはならないと、今回はともさんを陥れた悪の手口を紹介する。

口座に入金した620万円分がだまし取られる!

ともさんが、そもそも仮想通貨の取引を開始したのは「新しいことにチャレンジしよう」と思ってのことだ。

ここ数年、株式投資と並行して、仮想通貨への投資も始め、資産全体の底上げを狙ってきた。具体的には、ビットフライヤーと呼ばれる仮想通貨の取引所を通じたビットコインの取引だ。

このビットフライヤーは、日本の仮想通貨交換業者が運用する仮想通貨交換サービスで、国内では利用者が多く、最大級クラスの取引所サービスとなる。

ともさんは、このビットフライヤーとは別に「バイナンス」と呼ぶ世界有数交換業者で取引する口座も数年前から開設している。バイナンスは、中国企業が運営を行う取引所。ビットコイン以外にも様々な仮想通貨の種類を扱い、手数料が安い点が人気で、主に海外投資家が多く利用するものだ。

こちらはビットフライヤーでは扱わない仮想通貨の値動きを観察するなどの目的で、ひとまず取引はせずに口座だけを開設していた状況だった。

そうしたところ、この3月、バイナンスでの取引に活用できると紹介された「分析ツール」なるものを巡り、今回の「事件」に遭遇してしまう。端的に言うと、この分析ツールは不正なアプリケーション。このアプリによって資金をだまし取られることになる。

そしてこの不正アプリは、インターネットでふとしたことで知り合った「トモダチ」との出会いによって、手にすることとなった。

【タイトル】

入金したビットコインが引き出せない状態に

ともさんは、この「トモダチ」とのやりとりを通じて、これまで口座開設のみにとどまっていたバイナンスでの取引について、「実際に売買を始めてみようかな」という気持ちに動かされる。最終的には仮想通貨投資でも自身の引き出しを多様化させる目的で、この時は、少し好奇心も手伝ったかっこうだ。

そして、その「謎のアプリ」内の口座に仮想通貨を取引するための資金1ビットコイン(BTC)分を送金した。が、悲劇はその後に起こることに。その口座から、出金できるはずのBTCが出金不能となってしまったのだ。

その時点の1BTCの価値は約620万円。つまり、この金額分をだまし取られてしまったことになる。「もしかしたらだまされたのかも」と気づいてから、当初は、自分なりに取り戻すためにやれることを試みた。

しかし、自分の力では難しいと察し、警察署に相談に向かった。署で事情を説明すると、返ってきたのは「アプリは海外のもので、資金を取り戻すのは難しい」という。

このだまし取られた分は、投資損失としては扱われないようなので、税制面で災害時に適用される「雑損控除」や株式投資等である過去の一定期間までの損失と投資収益を相殺できる「損益通算」も対象外になる。

つまり実質的には、丸損を食らう状況に追い込まれてしまった。現時点で、判明している諸悪の根源は不正アプリ。どうして、ともさんはこの怪しいアプリを掴まされることになったのか。

"トモダチ"から送られてきた不正アプリ

まず、ざっくりと取引の仕組みを押さえると、仮想通貨とは、「ビットコイン」「モナコイン」などの電子データのみでやりとりされる通貨を、インターネット上で取引する仕組みだ。暗号資産、デジタル通貨とも呼ばれる。

2009年頃から取引がスタートした主力の仮想通貨であるビットコイン(BTC)の場合、その取引単位である1BTCはスタート時は1円以下であった金額が、一時は600万円を超えるまで大幅上昇した。

特に20年秋の100万円前後の水準から現在にかけては6倍程度も価格が膨らみ、上昇に弾みがついていることに加え、100円程度の少額から取引スタートできる点が人気を呼んでいる。

【タイトル】
出所:「みんなの仮想通貨」

仮想通貨では、株式市場の「東京証券取引所」「名古屋証券取引所」などのような公的な取引所は存在しない。全て企業などの組織などによって運営される私的なサービスだ。

そこでの売買は、交換業者相手に行う相対で売買する「販売所方式」と、交換業者が投資家同士の売買を取り次ぐ「取引所方式」の2通りある。

実際に投資家が仮想通貨の取引を行うためには、国内ではマネーパートナーズグループ<8732>やGMOフィナンシャルホールディングス<7177>傘下のGMOコインなど、交換業者と呼ばれる業者に口座開設し、入金してから取引を開始する仕組み。この部分は株式やFX(外国為替証拠金)取引と同じだ。

先に挙げたマネーパートナーズやGMOコインは、ともに金融庁から認可を受けた交換業者なのだが、中には、正式な認可を受けないままの「怪しい」交換業者も存在し、最近はこうした違法業者にだまされる事例が増えているという。

ただし、今回のともさんのトラブルは、「違法業者にだまされる」というものとは少しタイプが違う。ごく簡単に言うと、先に触れた通り、パソコンやスマートフォンなどに不正アプリを仕込まれて、そこから資金をかすめとられてしまうというパターンのものだ。

つまり、利用者本人は、正規に稼働している自身の口座に資金を送金したつもりでも、実はその口座自体が偽物で、資金が抜かれてしまうという仕組みとなる。

通常、一般に利用されるアプリは、例えばiPhoneだと「App Store」という公式のストアからダウンロードして利用を行う。そしてこれらのアプリは、正式な審査を通過しているものとされる。

一方、最近は、「構成プロファイル」と呼ばれる、OS(コンピュータのオペレーションシステム)の設定を行うファイルを通じて、違法なアプリをダウンロードさせて、そこから資金を巻き上げる詐欺が横行し始めているのだという。

ともさんは、ネット上で知り合った「トモダチ」の仕業で、自身のスマホにこの不正アプリをダウンロードさせられ、今回のトラブルに巻き込まれたというわけだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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