【特集】横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (1) マーケットの水準訂正の波に乗ろう
「ホームランを捨て、マーケットの水準訂正の波に乗ろう」
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
日経平均株価が30年ぶりに節目3万円を達成しました。自動車業界ではEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)、自動運転など新たなステージへ歩み始めています。そして、政府や自治体が一体となって、デジタル庁の発足に向けて動き始めました。コロナショックが発生した2020年以降、日本の少子高齢化は加速していますが、働く人たちの多くはバブル経済を知らない世代になりました。
過去に記録した3万円という数字の重みは薄れ、株式市場は新しい時代に突入した可能性が考えられます。投資の世界では右肩上がりに資産を増やすのも減らすのも、自分の努力次第です。新たな時代の波をとらえ、資産を増やすために、どう努力を重ねればよいのか、新シリーズでは「株探」を活用した株式投資について解説していきたいと考えています。ぜひお読みくださいね!
◆3万円突破から地合いが変わり始めた東京市場
日経平均株価が3万円の節目を突破したのを機に、株式市場の地合いが変わり始めています。2020年3月にコロナショックに見舞われた時、東京市場は2万3300円台から3月19日の安値1万6358円までおよそ1カ月で3割超も急落しました。しかし、コロナショックから1年も経たずに急落前の水準を越えて、21年2月16日には3万0714円まで駆け上がっています。
株価が8割以上も上昇した背景には、日本銀行が断続的に株式指数連動型のETF(上場投資信託)の買い入れを実施してきたことが挙げられます。この地合いの変化の兆しも、バブル経済の崩壊と、その後に長く続いた経済低迷からの回復を象徴する「3万円」を達成してからというもの、10年以上も続いてきた日銀によるETF購入の頻度が鈍化し始めた影響が大きいと言えるでしょう。
日経平均株価は私もよく見ている指数で、一般に報道などでも見聞きする機会が多く、株式市場の動きを表す最もポピュラーな物差しだといえます。私が株式投資を始めた2002年当時、TOPIXは1000ポイントを割り込み800~900ポイントと3ケタ台にありました。さすがに「TOPIX3ケタは安い!」と考えて株式投資を始めたわけです。
その当時の日経平均株価は1万円を下回る状況でしたので、「日経平均株価の1万円割れはさすがに売られすぎでは?」と思っていたのですが、その後、2003年春に7603円を見にいった時は毎日が胃酸過多で苦しく、「なんで株式投資なんか始めちゃったのかな」と落ち込んでいたほどでした。それなのに、今でもやっているのですから、よっぽどの株好きなんでしょうね…。
株式投資の基本は、「安い時に買って、高くなったら売る」ことです。どの水準が安く、どの水準が高いのかは、その時々の国の政策や企業業績、世界経済の動向などから総合的に判断して決まります。多くの投資家が、「企業業績や経済見通しが今後良好そうだ」と判断すれば株価は上昇しますが、反対に「今後は悪化するかもしれない」と判断すれば下落します。
ただし、話はそう単純ではありません。経済見通しが良好で企業業績も改善しそうだと考えた時に、ピンポイントで大きく値上がりしそうな銘柄を見つけられればよいのですが、さすがに数千もの銘柄が上場していますから、正直難しいといわざるを得ません。一発でホームランを狙える中小型の成長株を発掘することが、株式投資の醍醐味ではあります。ただ、経済見通しが良好であれば、株式市場は時間をかけて水準訂正することになります。全般市場が水準訂正する時は指数も上昇しますから、そこで無理して一発ホームランにこだわらずに、あえて株式市場のど真ん中、日経平均採用銘柄を狙って、水準訂正の波に乗るという方法もあるのです。
株探ニュース
横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
日経平均株価が30年ぶりに節目3万円を達成しました。自動車業界ではEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)、自動運転など新たなステージへ歩み始めています。そして、政府や自治体が一体となって、デジタル庁の発足に向けて動き始めました。コロナショックが発生した2020年以降、日本の少子高齢化は加速していますが、働く人たちの多くはバブル経済を知らない世代になりました。
過去に記録した3万円という数字の重みは薄れ、株式市場は新しい時代に突入した可能性が考えられます。投資の世界では右肩上がりに資産を増やすのも減らすのも、自分の努力次第です。新たな時代の波をとらえ、資産を増やすために、どう努力を重ねればよいのか、新シリーズでは「株探」を活用した株式投資について解説していきたいと考えています。ぜひお読みくださいね!
◆3万円突破から地合いが変わり始めた東京市場
日経平均株価が3万円の節目を突破したのを機に、株式市場の地合いが変わり始めています。2020年3月にコロナショックに見舞われた時、東京市場は2万3300円台から3月19日の安値1万6358円までおよそ1カ月で3割超も急落しました。しかし、コロナショックから1年も経たずに急落前の水準を越えて、21年2月16日には3万0714円まで駆け上がっています。
株価が8割以上も上昇した背景には、日本銀行が断続的に株式指数連動型のETF(上場投資信託)の買い入れを実施してきたことが挙げられます。この地合いの変化の兆しも、バブル経済の崩壊と、その後に長く続いた経済低迷からの回復を象徴する「3万円」を達成してからというもの、10年以上も続いてきた日銀によるETF購入の頻度が鈍化し始めた影響が大きいと言えるでしょう。
日経平均株価は私もよく見ている指数で、一般に報道などでも見聞きする機会が多く、株式市場の動きを表す最もポピュラーな物差しだといえます。私が株式投資を始めた2002年当時、TOPIXは1000ポイントを割り込み800~900ポイントと3ケタ台にありました。さすがに「TOPIX3ケタは安い!」と考えて株式投資を始めたわけです。
その当時の日経平均株価は1万円を下回る状況でしたので、「日経平均株価の1万円割れはさすがに売られすぎでは?」と思っていたのですが、その後、2003年春に7603円を見にいった時は毎日が胃酸過多で苦しく、「なんで株式投資なんか始めちゃったのかな」と落ち込んでいたほどでした。それなのに、今でもやっているのですから、よっぽどの株好きなんでしょうね…。
株式投資の基本は、「安い時に買って、高くなったら売る」ことです。どの水準が安く、どの水準が高いのかは、その時々の国の政策や企業業績、世界経済の動向などから総合的に判断して決まります。多くの投資家が、「企業業績や経済見通しが今後良好そうだ」と判断すれば株価は上昇しますが、反対に「今後は悪化するかもしれない」と判断すれば下落します。
ただし、話はそう単純ではありません。経済見通しが良好で企業業績も改善しそうだと考えた時に、ピンポイントで大きく値上がりしそうな銘柄を見つけられればよいのですが、さすがに数千もの銘柄が上場していますから、正直難しいといわざるを得ません。一発でホームランを狙える中小型の成長株を発掘することが、株式投資の醍醐味ではあります。ただ、経済見通しが良好であれば、株式市場は時間をかけて水準訂正することになります。全般市場が水準訂正する時は指数も上昇しますから、そこで無理して一発ホームランにこだわらずに、あえて株式市場のど真ん中、日経平均採用銘柄を狙って、水準訂正の波に乗るという方法もあるのです。
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