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【特集】キラキラBASE<4477>も興味なし、3倍返しの基本は「お祭りスルー」

すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 ともさんの場合~第2回
登場する銘柄
ロコンド<3558>、アウトソーシング<2427>、スノーピーク<7816>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

ともさん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
ともさん2004年から株式投資を本格スタートさせ、以降、資産半減などの大規模なドローダウンを経ながらも、その都度その損失をはるかに上回る復活劇を展開し、現在は5億円まで運用資産を膨らませたすご腕。億り人は13年に達成している。学生の頃から投資の知識を積み重ね、「趣味と実益を兼ねる」という発想で投資のスキルアップにつながる就職先に勤務し徐々に投資の腕を磨いた後、14年に専業投資家に転身する。投資スタイルは不動産関連、REIT(不動産投資信託)中心の投資から、最近は成長株投資にシフトしつつある。オプション取引の「プットの買い」、日経平均株価の売り戦略を交えて、資金管理に気を付けながら自身が納得した有望銘柄に集中投資するやり方でマイペースに資産拡大を目指す。仮想通貨への投資も交えて攻めている。

第1回目「痛たぁ~、コロナ暴落で資産半減、そこから3倍返しの5億円を勝ち取ったワケ」を読む
「ずっと同じ銘柄に興味を集中させて、繰り返し触り続ける方がよっぽど安全なんです」
「自分はトレードがうまくない」と取材の端々謙遜していたともさん(ハンドルネーム)だが、ゆったりと優しく話す中で、「えっ」と取材班を驚かすフレーズがたびたび飛び出てきた。
「特定銘柄に集中投資する方が安全」というのもその1つ。話によると、普段は2~3銘柄への集中投資が基本で、多い時期でも手を広げるのは10銘柄程度。触る銘柄が好調と思う時期には、運用資産の3分の1程度を1銘柄に集中投入するのだという。
「え、それが安全策?」と、「卵を1つの籠に盛るな」という投資の教科書からは逆説となる考えに、取材班は目をパチクリしてしまう。
だが、詳しく聞くうちに、「なるほど、そうか」と、ともさんワールドに引き込まれていく。ともさんは、具体的にどんな考えや行動パターンで銘柄選びや売買を行うのか!?
そのキーワードは、人が騒いでいるものには安直に追随しない。別な表現をすれば、自分が納得・理解できないものは、どんなに株価モメンタムが出ていようがスルーするというものだ。
今回は、ともさん流の銘柄選別を中心に紹介していこう。
【タイトル】
昨年の大スター、BASE<4477>はスルー
コロナ大暴落前に3.4億円あった資産を1億5500万円まで凹ませたあと、3倍返しの5億円に膨らませたともさん。前回紹介したように、その原動力になった銘柄は主に3銘柄。その1つはロコンド<3558>、もう1つはファーマフーズ<2929>だ。
いずれも中小型グロースに分類される銘柄で、実際2つの銘柄は昨年の底値からテンバガー(10倍株)とはいかないまでも、ピークでは6~8倍程度に跳ね上がっている。だからこそ、ともさんは3倍返しを達成できたのだ。
しかし、1つ気になることがある。昨年、中小型グロースのスターというか大スター銘柄といえばBASE<4477>がある。中小企業向けにEC(電子商取引)プラットフォームを提供し、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」や「巣ごもり」といった短期、中長期に期待されるテーマに乗る会社だ。
BASEの今2021年12月期は大幅増収も赤字転落の予想となっているが、前期は大幅の増収、黒字転換となっていた。中小型グロース狙いのともさんは、同社に興味をそそられなかったのだろうか。
本人によれば「YES」で、BASE以外のキラキラ銘柄にも目を奪われることはなく、ロコンドなどの2~3銘柄で勝負してきたという。
成功に導いた3つのこだわり
あくまでも触るのは、自身で「上がるストーリーがある」と腑に落ちた銘柄のみ。株クラ(株式投資を手掛けるグループの総称)の間でワイワイと話題になるような銘柄には、たとえそれがイケイケ状態であっても、わけもわからず飛び乗ることは決してしないのだ。
理由は冒頭で紹介したように、自分は売買がヘタだと思っているから。いくつもの銘柄に同時に手を出したり、人気はあってもよく知らない銘柄に参戦したりすると、数多くのツワモノ投資家に交じって勝負することになる。そうなれば、ヤラレて大やけどをするリスクが高まり、それが怖かったのだという。
しかし、ここでも疑問はある。一時的ではあるが、自分が勝負すると決めたロコンド<3558>などでも大ヤラレ状態になった。
お祭り銘柄に安易に乗って大ヤラレするのは避けたいのはわかる。だが逆に、自分の信じた銘柄が期待と正反対の状況に陥る方がショックは大きいという見方もできる。
その点について、ともさんは「もちろんショックはあるが、自分が見ているのは業績の将来性」という。その見立てが間違った結果の大ヤラレなら落ち込むが、間違ったと判明していない中で株価が暴落した場合は、「いずれ業績に見合う評価になると考えている」という。
株価ではなく、ファンダメンタルズのモメンタムを重視する戦略では当たり前のことかもしれない。だが、その当たり前をブレることなく貫いてきたのが、大ヤラレしても倍返し以上のリベンジを繰り返してきたともさんの真骨頂だ。
ともさんが成長株に投資する際の特徴は3つある。
1 銘柄選びでは、利益が大きく伸びる「変化」に着目し、その変化が起こるタイミングを先回りすること
2 「2年くらいのうちに大きく株価が伸びる場面がある」的なゆるっとした長期目標を持つこと
3 少ない銘柄に集中投資すること

――だ。
1は、銘柄選びや、買い増しの判断に役立てる。
2と3は、買い出動後にどう売買していくかという場面で、そのメリットが生かされている。
ロコンド<3558>もこの方針でホールドしたからこそ、コロナ大暴落に翻弄されなかった。
ここで3つの特徴のうち、銘柄選別に関わる1について詳しくみていこう。
ゲタを履くように利益かさ上げのタイミングを狙う
ともさんによれば、注目する利益の変化とは、「利益が、ゲタを履くように、ある時ぐっとかさ上げされる」タイミングを狙うのだという。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。


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