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【特集】大塚竜太氏【波乱含みの日経平均、新年度に向けた投資戦略は】(2) <相場観特集>

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

―日銀のETF買い、日経平均連動型の除外で広がる波紋―

 週明け22日の東京株式市場は日経平均株価が前週末に続き急落。一時700円近い下落をみせるなどリスク回避の売りに晒された。前週末まで開かれていた日銀の金融政策決定会合では、ETF買い入れについてこれまでの年6兆円の下限を撤廃し、日経平均連動型を除外すると発表、これが波乱相場の引き金を引いた。3月期末を目前に控えるなか、全体相場はここからどう動くのか。経験豊富なベテラン市場関係者2人に見通しを聞いた。

●「“日銀ETFショック”は買い場を提供」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 全体相場は目先荒い値動きで日経平均の下げもきつくなっている。前週末と合わせ2営業日合計で日経平均の下げ幅は1100円程度まで広がる場面があった。投資家サイドとしては思わずリスク回避のスタンスを取りたくなる場面だが、結論から先に言えばここは強気に買い向かうタイミングにあるとみている。日経平均2万9000円台近辺は目先の底値ゾーンで、仮にオーバーシュート気味に2万9000円ラインを下回るようであればそこは絶好の買い場提供となり得る。

 日銀のETF買いで日経平均連動型を除外するとの発表は、それ自体はそれほどインパクトのある話ではないが、それをネタに売り方が動いているというのが正しい。象徴株とみられていたファーストリテイリング <9983> はその典型で、大きく下値を模索する展開となったが、これまでの買われ方がファンダメンタルズを度外視したものであったことから、下値メドも分かりにくくなっている。

 ただ全体相場、特に日経平均の動きを見るうえではファストリテの値動きはバロメーターとなりやすい。したがって同銘柄が下げ止まる動きをみせたら全体相場も売りが一巡した頃合いとみて、その他の個別株を投資するタイミングに生かしたい。業績内容は改善色を強めている銘柄も少なくなく、今の急速な調整は好実態株を拾うチャンスとして前向きに対処したい。

 日経平均は4月以降の新年度相場で上値指向を再び強め、3万2000円ラインをうかがう展開が想定される。物色対象としてはハイテクセクターの押し目買いで、東京エレクトロン <8035> などの半導体製造装置関連やTDK <6762> などの電子部品株。あるいは製薬会社マーケティング支援のエムスリー <2413> といった銘柄が注目されやすい。また、AGC <5201> や宇部興産 <4208> など市況関連株も上値期待を内包している。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)

1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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