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【特集】コロナ下で開く新たな扉、「人材派遣関連」精鋭株に株高ステージ <株探トップ特集>

ポストコロナをにらんで内需系の銘柄が存在感を高めている。その流れを受け、「新しい生活様式」や「DX」をキーワードに人材派遣関連株に再評価機運が台頭してきた。

―雇用回復の足音、マージン拡大局面で“成長シナリオ復活”の銘柄群に出番到来―

 日経平均株価が上下に振れやすく不安定な地合いが続いているが、ポストコロナで雇用に関連した内需系関連株が存在感を高めている。一足先に新型コロナウイルスワクチンの普及局面に入った米国では早くも効果が表れ、2月の雇用統計では市場予測を大きく上回る雇用者数の増加を示した。国内では、医療従事者を対象にワクチンの先行接種が2月からスタートしており、順次接種対象を広げていく予定だ。

 足もとでは、厚生労働省が2日に発表した1月の有効求人倍率(季節調整済み)が1.10倍と前月から0.05ポイント上昇したが、依然として低水準にある。また、2回目の緊急事態宣言が発令されたことで、今後の改善が続くかについても見通すことは難しい。しかし、コロナ禍で 人材ビジネスに逆風が吹いていても、成長シナリオの軸が決してぶれない銘柄は存在している。例えば専門性の高い技術系人材の需要が増加傾向にあり、それに絡む銘柄は投資の有力対象といえる。技術革新が進むなか、エンジニアに求められる能力やスキルが多様化しており、需要構造の変化に対応した派遣や業務請負(フリーランス)の形での働き方が望ましいとされている。また、人手不足が深刻な医療関係や物流業界の需要も高まっている。近い将来、新型コロナウイルスの感染拡大が収束しても、その需要が衰えることはないだろう。これら成長分野に関連した派遣企業の成長を示唆するキーワードは「新しい生活様式」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。

 また、DXの進展には「働き方改革」が不可欠とされており、政府による政策面のフォローも厚い。2020年4月に働き方改革関連法の一つである「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されたが、21年4月には全面施行され中小企業においても適用される見通しだ。雇用の需要が回復する局面では構造的な人手不足や、政府が主導する働き方改革に伴う「同一労働同一賃金」により派遣単価上昇が一段と進むことが見込まれ、関連銘柄はますます注目されやすくなる。

●派遣平均単価の底上げが続くパーソルHDに軍配

 コロナ禍で、人材ビジネスの景色は一変した。売り手市場から買い手市場に急変し、業界全体の収益も減少傾向をたどっている。日本人材派遣協会が発表した20年第4四半期(10-12月)の派遣社員の実稼働者総数は平均34万5878人(前年同期比7.1%減)となり、3四半期連続で100%を下回る結果となった。総合人材サービスを展開するリクルートホールディングス <6098> の21年3月期営業利益見通しが、前期比26.6%減の1512億2900万円と大幅減益を見込んでいることからも、人材ビジネス業界を取り巻く環境は厳しいことが分かる。

 しかし、一方では人材派遣会社が派遣先企業から受け取る派遣料金の底上げが続いているという明るい材料もある。リクルート傘下にある調査研究機関のジョブズリサーチセンターによると、21年1月度3大都市圏の派遣スタッフ募集時平均時給は、前年同月比5.9%増の1718円と9ヵ月連続で前年実績を上回った。パーソルホールディングス <2181> は、同一労働同一賃金などによって上昇する単価に伴うマージン拡大を享受している。2月12日に発表した第3四半期累計(20年4-12月)連結営業利益が223億800万円(前年同期比21.5%減)と大幅減益となったものの、通期計画の250億円に対する進捗率が89%に達しており、今後の上振れに期待がかかる。

 また、同じく派遣大手のパソナグループ <2168> も注目したい。21年5月期営業利益は前期比41.8%増の150億円を見込むが、派遣スタッフの請求単価の上昇に加え、業務を外部委託するBPOビジネスの需要が大きく増加していることが利益押し上げ要因だ。株価は好業績を織り込む形で1月には昨年来高値2283円をつけた。その後調整を入れているが、時価1700円台はリバウンド妙味が大きい。

●即戦力となるDX人材派遣関連の有望銘柄、メイテック

 技術者派遣のメイテック <9744> の業績は新型コロナウイルスの影響が出る前までは順調に推移。同社は、製品の設計や開発などハイエンド層技術者の数では群を抜いている。自動車に関連する自動運転や電装化など最先端の技術開発競争により、専門性の高い技術者の引き合いが強い。メイテックの21年3月期営業利益は前期比23.4%減の99億円を見込むが、これは主に夜間外出自粛要請で顧客の残業時間削減による稼働時間の低下などが要因で、22年3月期のV字回復が有望。株主還元に前向きで配当利回りの高さも特徴だ。

●目新しいマッチングのBエンジニアに注目

 昨年7月に東証マザーズに上場したBranding Engineer <7352> [東証M]は、ITエンジニアとITサービスの開発を行う企業をマッチングさせ、SES(システムエンジニアリングサービス)事業及び人材派遣事業を行うMidworks事業を主力に成長している。このほか、エンジニアの学習から情報収集、独立支援や企業紹介など、エンジニアのキャリアに関するトータルサービスを展開している。21年8月期第1四半期(20年9-11月)単独営業利益は、前年同期比1.2%減の4200万円となったが、通期計画の6800万円(前期比32.9%減)に対する進捗率が62%となっており、今後の展開に注目が集まる。

●IT人材不足解消を目指すサンアスタ

 同じく昨年7月に東証マザーズに上場したSun Asterisk <4053> [東証M]は、9月3日に上場来高値の4765円を付けたあと下値を切り下げる展開となっている。同社は、日本とベトナムで顧客の事業のデジタル化を構想段階から継続的に支援するソフトウェア開発のほか、保有する開発ノウハウをベースにIT人材の育成や派遣を手掛ける。21年12月期業績は売上高、営業利益ともに大幅な伸びを見込んでおり、営業利益は前期比24.1%増の11億円と高成長が予想されている。

株探ニュース

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