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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

塩野義 <日足> 「株探」多機能チャートより

■塩野義 <4507>  5,925円 (+186円、+3.2%)

 塩野義製薬 <4507> が4日続伸。10日12時30分に、資本参加している英ViiV HealthcareがCabenuva(カボテグラビル及びリルピビリン)のATLAS-2M試験について、96週時点の良好な結果を発表したことを明らかにしており、これを好感する買いが入った。今回の試験結果で、2ヵ月に1回のCabenuvaの投与により、HIV感染患者が96週においてもウイルス抑制を維持できることが示された。この結果は、今後患者の利便性が更に向上することで、HIV治療におけるパラダイムシフトが起こる可能性を示唆しているとしている。

■富士通 <6702>  15,695円 (+490円、+3.2%)

 富士通 <6702> が大幅続伸。2月下旬以降は上げ下げを繰り返しながらも徐々に下値を切り下げてきたが、10日はマドを開けて上値を指向、25日移動平均線とのマイナスカイ離を解消する動きをみせている。民間企業や各省庁・地方自治体など、官民を問わず業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を推進する動きが本格化しているが、ビッグデータ時代にそれを利活用するためのITインフラも重要視され、そのなかスーパーコンピューターなど日本の技術力に改めて光が当たっている。同社は理化学研究所と共同で開発を進めてきたスーパーコンピューター「富岳」が前日9日に完成したことを発表、10日を起点に富岳は学術・産業分野向けでの活躍が大いに期待される状況にある。これを背景として同社株には機関投資家とみられる大口の買いが流入した。

■USENHD <9418>  1,900円 (+58円、+3.2%)

 USEN-NEXT HOLDINGS <9418> が大幅反発。10日付の日本経済新聞朝刊で「USEN-NEXT HOLDINGSの2021年8月期の連結営業利益は、前期比3割増の145億円強になりそうだ」と報じられており、これが材料視された。記事によると、巣ごもり需要の高まりで動画配信サービスが伸びるうえ、主力の飲食店など向けの店舗サービスでは、人件費や業務委託費などのコストの抑制が増益要因となるという。会社計画の110億円を大幅に上回る観測で期待感が高まったようだ。

■クオールHD <3034>  1,579円 (+40円、+2.6%)

 クオールホールディングス <3034> が6日続伸で昨年来高値を連日で更新。10日午前に、オゾン関連製品の販売が好調で、販売計画を前倒しで達成する見込みになったと発表しており、これを好感する買いが入った。同社は「オゾン除菌・脱臭器 AIR BUSTER(エアバスター)」を中心に、これまで5000を超える医療機関に7000台以上のオゾン関連製品を販売した。当初今年6月に販売数1万台、売上高20億円を達成する計画だったが、介護施設や学校法人・保育園などの施設からも注文が多く、計画を4月に達成できる見通しになったとしている。

■日本電産 <6594>  12,485円 (+315円、+2.6%)

 日本電産 <6594> が反発。2月下旬から下値模索の動きにあったが、満を持して急速に切り返してきた。9日の米国株市場では電気自動車(EV)大手のテスラが一時20%を超える急騰をみせたことでマーケットの注目を集めた。また同日、中国EV3社のADR(米預託証券)が香港市場上場観測を材料に急騰した。この流れを引き継いで、東京市場でもEV用駆動モーターを手掛けEV関連の象徴株ともなっている日電産の株価を強く刺激する格好となった。

■武蔵精密 <7220>  1,860円 (+42円、+2.3%)

 武蔵精密工業 <7220> が続伸。SMBC日興証券は9日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を1800円から2200円に引き上げた。好調な第3四半期(4-12月)決算を受け21年3月期の連結営業利益を28億円から59億円(会社予想50億円)に増額修正。22年3月期の同利益も135億円から150億円に見直した。電気自動車(EV)向け減速ギヤの新規受注の発表により電動化分野での成長期待が高まるとみているほか、米ナスダックに今年上場予定の出資先「REE」の含み益にも注目が集まると予想している。

■バローHD <9956>  2,511円 (+53円、+2.2%)

 バローホールディングス <9956> が6日続伸。10日午後1時ごろに発表した2月度の月次営業情報で、主力のスーパーマーケット既存店売上高が前年同月比1.5%増となり、8ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数は同7.0%減と苦戦したが、客単価が同9.1%増と上昇が続いたことが寄与した。

■パラベッド <7817>  4,610円 (+90円、+2.0%)

 パラマウントベッドホールディングス <7817> が続伸。9日の取引終了後、3月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性を高めることで、投資家層の拡大を図ることを目的としている。なお、効力発生日は4月1日。

■上新電機 <8173>  3,140円 (+55円、+1.8%)

 上新電機 <8173> が続伸。9日の取引終了後、自社株式の消却を発表した。消却前の発行済み株式総数の2.37%に相当する68万333株を3月23日付で消却する。これを受け、株式需給の改善を評価する買いが入った。

■日産化 <4021>  5,840円 (+100円、+1.7%)

 日産化学 <4021> が3日続伸。SMBC日興証券は9日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を6800円から7000円に引き上げた。同証券では21年3月期の連結営業利益予想を414億円から425億円(会社予想403億円)に上方修正したほか、22年3月期の同利益は441億円から460億円に見直した。21年3月期は半導体及びディスプレイ材料の好調を評価したほか、22年3月期は農薬の回復やEUV関連も含めた半導体材料の一段の伸長を見込んでいる。化学産業においては非常に困難な10期連続での営業増益を達成する確度は高いと予想しており、自社株買いなど積極的な株主還元もあり、10%前後の1株利益(EPS)成長が続くとみている。

■ミライトHD <1417>  1,753円 (+29円、+1.7%)

 ミライト・ホールディングス <1417> が4日続伸。9日の取引終了後に発表した月次受注状況で、2月の受注高が前年同月比13.0%増の321億円となり、3ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。主力のNTT事業の受注高が膨らんだほか、マルチキャリア事業などの受注も伸長した。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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