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【市況】【↓】日経平均 大引け| 急反落、米金利上昇やアジア株安で2万9000円割れ (3月4日)

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

日経平均株価
始値  29198.42
高値  29277.19(09:09)
安値  28711.04(13:07)
大引け 28930.11(前日比 -628.99 、 -2.13% )

売買高  12億8561万株 (東証1部概算)
売買代金  2兆7612億円 (東証1部概算)

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■本日のポイント

 1.日経平均は急反落、大引けで2万9000円台を割り込む
 2.一時800円超下落し、その後下げ渋るも600円超える下げ
 3.米長期金利の上昇警戒、中国・香港などアジア株安も下げ助長
 4.ファストリ、ソフトバンクなど値がさ株急落の指数への影響大
 5.業種別では海運が買われ、値下がり数は全体の6割にとどまる

■東京市場概況

 前日の米国市場では、NYダウは前日比121ドル安と続落した。ワクチンの接種拡大による景気回復期待から一時上昇したものの、米10年債利回りの上昇が懸念されハイテク株を中心に売りが膨らんだ。

 東京市場では、前日の米株安を受けリスクオフとなり、日経平均株価は一時800円を超える波乱展開となった。大引けはやや下げ渋ったが600円超の下落。

 前日の米国株市場でNYダウなど主要株指数が揃って下落し、特にハイテク株比率の高いナスダック総合指数が360ポイントの続急落となったことで、本日の東京市場もリスク回避の売りに晒される形となった。米国では大型の追加経済対策やワクチン普及加速による経済回復に期待が高まる一方、米長期金利が再び上昇基調にあることが嫌気されている。中国や香港市場などアジア株安も市場心理を悪化させ、日経平均は一時800円を超える下げをみせる場面もあった。ただ、寄与度の高い一部の値がさ株の下げの影響も大きかった。海運株が買われたほか不動産の一角もしっかりした動きをみせるものがあり、東証1部の値下がり銘柄数は全体の6割にとどまっている。後場後半は下げ渋ったもののフシ目の2万9000円台を割り込み約1ヵ月ぶりの安値をつけた。

 個別では、ファーストリテイリング<9983>が急落、5700円あまり下げて10万円台を割り込んだ。売買代金断トツのソフトバンクグループ<9984>も大幅安。任天堂<7974>、東京エレクトロン<8035>、ソニー<6758>も下落した。日本電産<6594>、村田製作所<6981>、ファナック<6954>も安い。宮越ホールディングス<6620>、メディカル・データ・ビジョン<3902>、住友金属鉱山<5713>が急落、ダイヤモンドエレクトリックホールディングス<6699>も値を下げた。
 半面、リコー<7752>、日立造船<7004>がストップ高で買い物を残した。JVCケンウッド<6632>が商いを伴い急騰、第一稀元素化学工業<4082>、平和<6412>も大幅高に買われた。イーレックス<9517>が値を飛ばし、川崎汽船<9107>の上げ足も目立つ。恵和<4251>、新生銀行<8303>も値を上げた。

 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄はリコー <7752> 、京セラ <6971> 、デンソー <6902> 、協和キリン <4151> 、ヤマハ <7951> 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約13円。
 日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はファストリ <9983> 、SBG <9984> 、東エレク <8035> 、ファナック <6954> 、エムスリー <2413> 。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約407円。うち206円はファストリ1銘柄によるもの。

 東証33業種のうち上昇は7業種。上昇率の上位5業種は(1)海運業、(2)不動産業、(3)銀行業、(4)石油石炭製品、(5)その他金融業。一方、下落率の上位5業種は(1)非鉄金属、(2)情報・通信業、(3)その他製品、(4)空運業、(5)精密機器。

■個別材料株

△デュアルT <3469> [東証2]
 シーラホールディングスが保有株買い増し。
△ワールド <3612>
 2月国内既存店売上高18%減も前月に比べ改善。
△Kudan <4425> [東証M]
 「embedded award 2021」スタートアップ部門最優秀賞を受賞。
△ナトコ <4627> [JQ]
 上期経常を53%上方修正・14期ぶり最高益更新へ。
△ロゼッタ <6182> [東証M]
 言語フリー・スペース「友コネクト」を5月開始へ。
△平和 <6412>
 三菱UFJMS証券が強気評価に格上げ。
△日立造 <7004>
 「世界最大級の容量持つ全固体電池を開発」との報道。
△リコー <7752>
 上限20.02%相当の自社株買いを好感。
△Jティッシュ <7774> [JQG]
 帝人によるTOB成立を好感。
△イーレックス <9517>
 21年3月期業績予想を大幅上方修正し一転営業増益へ。

▼アルファクス <3814> [JQG]
 第三者割当増資による希薄化を懸念。
▼ヴィアHD <7918>
 株主優待制度の変更を嫌気。

 東証1部の値上がり率上位10傑は(1)日立造 <7004> 、(2)リコー <7752> 、(3)JVCケンウ <6632> 、(4)稀元素 <4082> 、(5)平和 <6412> 、(6)アグレ都市 <3467> 、(7)イーレックス <9517> 、(8)ADEKA <4401> 、(9)川崎汽 <9107> 、(10)広済堂 <7868> 。
 値下がり率上位10傑は(1)ランド <8918> 、(2)宮越HD <6620> 、(3)オープンドア <3926> 、(4)住友鉱 <5713> 、(5)MDV <3902> 、(6)タカショー <7590> 、(7)アイモバイル <6535> 、(8)ダイヤHD <6699> 、(9)日電波 <6779> 、(10)ヴィアHD <7918> 。

【大引け】

 日経平均は前日比628.99円(2.13%)安の2万8930.11円。TOPIXは前日比19.80(1.04%)安の1884.74。出来高は概算で12億8561万株。東証1部の値上がり銘柄数は787、値下がり銘柄数は1295となった。日経ジャスダック平均は3777.36円(36.59円安)。

[2021年3月4日]


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