【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、ソフトバンクG、デュアルT
郵船 <日足> 「株探」多機能チャートより
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が全体急落相場に逆行。米国では追加の大型経済対策に加え、複数の新型コロナワクチンが普及局面に入ったことでアフターコロナを意識する局面に入っている。東京市場でも緊急事態宣言の延長はあったものの、新規感染者数は減少傾向で医療システム崩壊などのリスクは緩和されている。また、中国ではいち早く新型コロナウイルスの影響から立ち直り、今週末から開催される全人代で経済政策が打ち出され一段と景気を刺激する方向が予想されている。世界的な経済の復元を背景に世界物流を担う海運セクターにとって荷動きの改善が意識される局面にある。市場では「複数の証券系調査機関がコンテナ船市況及びばら積み船市況の回復を見込み、目標株価を引き上げる動きをみせており、(全体地合い悪のなか)消去法的に投資資金が向かう形となっている」(ネット証券アナリスト)と指摘されている。
■第一工業製薬 <4461> 3,645円 +75 円 (+2.1%) 本日終値
第一工業製薬<4461>が3日ぶりに反発。3日の取引終了後、21年3月末から株主優待制度の一部を変更すると発表しており、これが好材料視されたようだ。新制度では100株以上保有株主に対し、「カイコ冬虫夏草」7日分お試しセット(約3000円相当)と「カイコ冬虫夏草」「スダチン」の株主優待特別販売クーポンを贈呈する。また、1000株以上保有者には「スダチン」1カ月分(約3000円相当)を追加で付与する。現行制度では100株以上保有で「スダチン」1カ月分、1000株以上保有で「スダチン」1カ月分と「カイコ冬虫夏草」5日分お試しセットを贈呈していた。
■ウェルビー <6556> 1,420円 +11 円 (+0.8%) 本日終値
ウェルビー<6556>は堅調。SBI証券は3日、同社株の投資判断を新規「買い」でカバレッジを開始した。目標株価は2040円に設定した。同社は障害福祉サービスを提供する専業大手。今年1月に東証1部に指定されている。3月1日からの法定雇用率の引き上げにより障害者雇用ニーズが高まることが予想されることなどから、同社の就労移行支援事業および療育事業に対する需要は堅調に推移するとみている。21年3月期の連結営業利益は前期比18.3%増の20億8000万円(会社計画19億5200万円)、22年3月期の同利益は24億円を予想している。また、これまで東証1部指定をにらんでM&Aを含め事業の積極的な展開を抑制してきたが、今後は方向転換し成長ペースが加速するとみている。
■AGC <5201> 4,100円 +20 円 (+0.5%) 本日終値
AGC<5201>が続伸し、昨年来高値を更新した。SMBC日興証券が3日付で同社の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を前回の4500円から5000円に引き上げており、これを材料視する買いが入った。レポートでは、ガラスの業況や塩ビ市況の改善などを踏まえ、21年12月期は計画を上回る進捗を予想。また、ガラス事業は構造改革によるコスト削減の実行で収益性が改善するほか、戦略事業はライフサイエンス分野を中心に利益成長が続くとみている。
■ソフトバンクグループ <9984> 10,050円 -550 円 (-5.2%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>、ファーストリテイリング<9983>は急落。両銘柄とも日経平均寄与度の高い値がさ株として知られるが、きょうは先物主導のインデックス売りを浴びて大きく水準を切り下げる展開を余儀なくされた。
■日経レバ <1570> 31,800円 -1,400 円 (-4.2%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅安。日経レバは日経平均に連動するETFで変動率が日経平均株価の2倍に基本設定されていることが特徴。全体相場のボラティリテイが高まると、短期の値幅取りに着目した資金の流入が活発化する。きょうは、前日の米株安を受け、日経平均が急反落、これに連動する動きとなっている。直近の日経レバの信用取組は買い残が増勢で売り残が減少しており、ひと頃よりも先高を見込む個人投資家が増えていることを示唆しているが、実際の値動きはそれとは逆方向に振れている。
■東京エレクトロン <8035> 42,530円 -1,060 円 (-2.4%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連やSUMCO<3436>など半導体素材メーカーは売りが先行。米国株市場ではここハイテク株への売りが目立ち、半導体関連もそれに流される形で上値が重くなっている。前日はナスダック総合指数が大幅続落となったほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3%超の下げで連日の下値模索となり、2営業日合計の下げ幅は200ポイント近くに達した。半導体需給は引き続き逼迫状態にあり押し目買いニーズも強いが、足もとは利益確定の売りが優勢だ。東京市場でも米株市場を横目に半導体セクターへの売り圧力が意識されている。
■デュアルタップ <3469> 663円 +100 円 (+17.8%) ストップ高 本日終値
デュアルタップ<3469>がストップ高。きょう昼ごろ、不動産売買などを手掛けるシーラホールディングス(東京都渋谷区)が関東財務局に変更報告書(5%ルール報告書)を提出しており、これが材料視されたようだ。報告書によると、シーラホールディングスと共同保有者の同社株式保有比率は5.01%から6.20%に増加したことが判明した。保有目的は純投資としている。報告義務発生日は3月2日。同社株はシーラ社が大量保有報告書を提出した昨年10月も連日ストップ高に買われた経緯がある。
■Kudan <4425> 3,850円 +525 円 (+15.8%) 本日終値
Kudan<4425>は急反騰。3日に公式ツイッターで「embedded award 2021」のスタートアップ部門で最優秀賞を受賞したと発表しており、これを好感する買いが入った。同社は26日に「embedded award 2021」スタートアップ部門の最優秀賞候補3社のうちの1社としてノミネートされたことを明らかにしていた。アワードの最優秀賞候補にノミネートされることは、日本企業として、ここ10年で初めてという。なお、スタートアップ部門の最優秀賞を獲得した企業には、2万ユーロ相当の提携メディアにおけるマーケティング予算が付与される予定としている。
株探ニュース