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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─景気敏感に目先シフトも、見逃せないグロース株のイレギュラー価格

RAKAN RICERCA 代表取締役 会長 村瀬智一

「景気敏感に目先シフトも、見逃せないグロース株のイレギュラー価格」

●セクターローテーションを見極め

週末26日の日経平均株価は、1200円を超える大幅下落となった。きっかけは米長期金利の上昇ピッチが強まったことにより、米国市場と同様に割高感が指摘されていたハイテク株などグロース株への利益確定が進んだことであった。インデックスに絡んだ商いが中心であったため、指数寄与度の大きい値がさ株が日経平均の重荷となった。

長期金利上昇の背景にあるのは、世界的に新型コロナのワクチン接種が進むことで、経済活動が正常化に向かうとの期待だ。一方、各国中央銀行が遠からず金融政策を引き締めに転じる可能性は低い。大幅下落とはいえ、長期的な上昇相場の中でのスピード調整と見ておきたい。リスクオフの流れではなく、あくまで金利上昇を一定のトリガーとして債券へシフトした結果といったところであろう。

今後の物色の流れだが、グロース株から景気敏感セクターへのセクターローテーションがみられるかを見極めたい。ワクチン接種の進展による今後の景気回復を見込む場合には当然、景気敏感セクターに関心が集まる。一方で、グロース銘柄はこれまで過度に資金が偏っていた反動が表面化してくることになる。一気にポジションのシフトが起きる場面では、株価は過剰反応を起こしやすく、優良銘柄もイレギュラー的な価格形成に向かいやすい。そのため、足元の調整を踏まえても、成長性の大きいハイテク株などに引き続き注目しておくことは戦略上意義があろう。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆クルーズ <2138> [JQ]
ファッション通販サイト「SHOPLIST」の運営や ECサイトの構築や運用受託、メディアや広告事業のほか、スタートアップの投資育成などを展開するグループ持ち株会社。26日に、プロルート丸光 <8256> [JQ]のインフルエンサー向けOEM・ODM事業のECシステム開発パートナーとして協業を開始したと発表。足元では、21年3月期第3四半期累計(4-12月)の営業黒字転換が評価され、株価はマドを空けて急伸。その後も高値圏での底堅さがみられており、一段の上昇に期待したいところ。

◆OSG <6136>
総合切削工具メーカーであり、タップではグローバルで高いシェアを誇る。そのほか、エンドミルやドリルなどを製造・販売する。いち早く経済活動を再開した中国に続き、欧米でもロックダウン解除に向けた動きが進んでおり、 切削工具の需要は回復。さらにグローバル経済が活発化してくることで、自動車や航空宇宙、エネルギーなど幅広い事業分野で回復が期待される。株価は2100円辺りが目先的には抵抗として意識されている。一方で、下値は上昇する75日移動平均線が支持線として機能しており、押し目狙いのタイミングか。

◆トリケミカル研究所 <4369>
化合物半導体の材料となる有機金属材料やエッチングガス、成膜材料などを手掛ける。先端半導体トランジスタ向けの高誘導率材料に強み。足元は、最先端の 半導体向け化学材料を中心に需要が好調に推移。株価は1月につけた上場来高値5042円をピークに調整が続いているものの、75日移動平均線までの調整を経て仕切り直しを想定。半導体産業の中長期的な成長シナリオは継続。

◆新日本製薬 <4931>
「パーフェクトワン」のブランド名で スキンケア商品を手掛ける。「パーフェクトワン」のブランド力は強く、男性アイドルを起用したCM効果もあり、20~30代のミニマムライフ世代の顧客獲得が好調。また、第2の柱としてヘルスケア事業に注力している。ニューノーマル(新常態)の下でもマスク着用は続くと考えられ、スキンケア製品の需要が引き続き伸びそうだ。株価は昨年3月安値をボトムに強いトレンドが継続し、昨年11月には3360円の高値をつけている。足元では調整が続くが52週移動平均線に接近してきており、押し目狙いのタイミングとなろう。

◆太陽誘電 <6976>
5GIoT関連の中核的な銘柄として位置づけられている。主力のMLCC(積層セラミックコンデンサー)が好調である。自動車やスマートフォン向けが伸びており、21年3月期第3四半期の決算発表に併せて通期計画を上方修正(経常利益を従来予想の330億円から370億円に増額)している。2月以降は利益確定の流れが続くが、13週移動平均線水準まで調整したことから押し目狙いのタイミングに。

2021年2月26日 記

株探ニュース

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