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【特集】ダイナムジャパンHD Research Memo(1):逆風続くも、当面は利益確保を最優先に収益体質の強化に取り組む方針


■要約

ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で国内第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みと特長がある。また、顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など、質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。

1. 2021年3月期中間期の連結業績は大幅減収ながらも営業利益は黒字を確保
2021年3月期中間期の連結業績は営業収入で前年同期比37.9%減の45,992百万円、営業利益で同80.2%減の2,781百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う政府の緊急事態宣言発出を受け、2020年4月から5月にかけて店舗の一時休業を余儀なくされるなど、パチンコホール業界全体が厳しい状況を強いられた。そのなかにあって同社は、機械の購入を抑えるなど徹底した費用削減に取り組み、また、雇用調整助成金等3,225百万円を計上したことなどにより、当初の目標であった営業利益の黒字化を達成した。業界全体が厳しい経営環境を強いられるなかで、環境変化に迅速に対応し黒字を確保できたことは評価される。なお、新規事業として2020年3月期より開始した航空機リース事業では3機のリースを継続し、737百万円(前年同期は82百万円)の事業収入を計上している。

2. 経費削減に取り組みながら通期でも営業利益の黒字化を目指す
2021年3月期通期も黒字の確保を目標に事業運営を進めていく予定だ。2020年11月以降、コロナ禍が再び広がっており、先行きが見通し難くなっているなか、感染対策を徹底し、安心して遊技できる環境であることをアピールして、客数の回復に取り組む。そのほか、店舗オペレーション見直しによる人件費の抑制やその他経費の削減を進めていく。ただ、機械購入費については2021年3月期上期の5,693百万円から下期は増加する見込みだ。規制当局は当初、旧規則機の撤去期限を2021年1月末としていたが、コロナ禍の影響で期限を1年程度先送りした格好となっている。同社グループ店舗では、旧規則機が約13万台残っており、これらを新規則機に段階的に入替えていくことになる。全社一括購入による価格引下げやフィールドテスト導入(稼働収益貢献の低い機種の購入抑制)などを実施することで、出費を最小限に抑えながら入替えを進めていく方針となっている。

3. 店舗オペレーション改革と出店戦略の見直しにより収益力の回復を目指す
同社は従来、「店舗数の拡大」と「既存店の売上伸長」の2軸で成長を目指してきたが、当面は厳しい環境が続く。そのようななかでも、安定して利益が生み出せる収益基盤を構築することを優先課題として取り組んでいく方針だ。2020年に入って一部店舗で試験的に実施していた販促業務や店舗管理業務の本部集中化による分業の推進、店舗業務のセルフサービス化などによる店舗スタッフの業務負担軽減により、店舗の生産性向上と損益分岐点の引下げに取り組んでいく。また、出店戦略については当面の間、新規出店を凍結し、不採算店舗についても継続の可否を検討していく方針だ。コロナ禍において業界大手の同社であっても厳しい事業運営を強いられていることから、経営体力のない中小規模のホールは今後淘汰が一段と進むものと弊社では予想している。コロナ禍収束後は収益力も一段と強化されているものと見られ、市場全体が縮小するなかでもシェア拡大によって収益を伸ばしていく可能性は十分あると弊社では見ている。

■Key Points
・2021年3月期中間期の連結業績はコロナ禍の影響で2ケタ減収減益となるも、徹底したコスト削減で黒字を確保
・コロナ禍の状況次第ではあるものの、2021年3月期下期も経費削減に取り組み営業黒字を確保する方針
・市場の縮小傾向が続くなかで、シェア拡大による成長余地は大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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