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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

ヒトコムHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■ヒトコムHD <4433>  1,693円 (+300円、+21.5%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス <4433> がストップ高。同社は12日午前11時30分頃に、21年8月期第1四半期(20年9-11月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比40.7%増の14億3200万円となり、上半期計画17億円に対する進捗率は84.2%に達した。売上高は同13.9%増の206億2300万円で着地。消費行動の変化による電子商取引(EC)需要を捉えたECプラットフォーム活用支援・受託事業の売り上げが拡大したほか、「鬼滅の刃」や「サンリオ」など有力ライセンスの活用による企画提案を強化したホールセール事業が伸長したことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■神栄 <3004>  2,312円 (+400円、+20.9%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。神栄 <3004> が前週末に続き一時400円高はストップ高となる2312円まで買われた。老舗商社だが、繊維事業のほかに食品、アパレルの輸入販売、更に電子部品製造なども手掛け、多角化の推進が功を奏している。また、湿度センサーで世界トップシェアを誇ることも特長。ここにきて新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に加速するなか、ワクチン普及が待ち望まれる状況にあり、医薬品などを保管・輸送する際の温湿度管理に必要な温度ロガーと温湿度ロガーを、子会社を通じて製造・販売する同社に投資資金が集中する格好となった。直近では温度ロガーが、ツインバード工業 <6897> [東証2]が製造する新型コロナワクチンの輸送向け超低温冷蔵庫用に受注獲得したことを発表、これが人気を後押しする格好となった。株式需給面では信用買い残が枯れた状態にあることで上値を軽くしている。

■ジーダット <3841>  1,826円 (+293円、+19.1%)

 ジーダット <3841> [JQ]が続急伸し昨年来高値を更新。前週末8日の取引終了後、東京工業大学工学院高橋篤司教授とアナログLSI自動配線の共同研究を開始したと発表しており、これが好感された。今回行われる共同研究では、アナログLSIの配線設計における人手に依存することが多いという課題を実際のデータで詳細に解析し、グラフ理論をベースにさまざまな制約を満足するアルゴリズム及び最適化フローを再構築することで、高度な自動化手法を確立し、アナログLSIの自動配線において人手に近い品質の配線結果を得ることが狙い。ジーダットでは、研究成果を主力製品である半導体設計環境SX-Meisterへ組み込むことで、自動配線機能の大幅な性能・品質向上を目指すとしている。

■トーヨアサノ <5271>  1,937円 (+287円、+17.4%)

 トーヨーアサノ <5271> [東証2]が大幅4日続伸。前週末8日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3-11月)連結決算で、売上高118億7600万円(前年同期比20.4%増)、営業利益2億1600万円(同28.9%増)と大幅な営業増益となったことが好感された。コンクリート2次製品事業で主力のコンクリートパイルが関東や静岡で需要が増加したほか、大型物件の着工及び完工が予定通りに進展した。なお、21年2月期通期業績予想は、売上高145億円(前期比8.3%増)、営業利益3億2000万円(同36.7%増)の従来見通しを据え置いている。

■前沢工業 <6489>  551円 (+80円、+17.0%) ストップ高

 東証1部の上昇率5位。前澤工業 <6489> がストップ高。前週末8日の取引終了後、21年5月期の連結業績予想について、営業利益を17億円から23億円(前期比29.4%増)へ、純利益を11億円から15億円(同39.5%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は310億円(同3.5%増)の従来予想を据え置いたものの、全社ベースでのコスト削減効果に加えて、バルブ部門を中心とした原価低減が寄与する。また、利益予想の修正に伴い、従来は中間・期末各7円の年14円を予定していた配当予想を中間・期末各8円の年16円にするとあわせて発表しており、これも好材料視された。前期に比べて2円の増配になる予定だ。

■Fブラザーズ <3454>  1,081円 (+150円、+16.1%) ストップ高

 東証1部の上昇率6位。ファーストブラザーズ <3454> がストップ高。同社は8日大引け後に決算を発表。20年11月期の連結経常利益は前の期比35.4%減の18.1億円に落ち込んだが、21年11月期は前期比2.2倍の40.1億円に急拡大する見通しとなった。

■旭化学工業 <7928>  725円 (+100円、+16.0%) ストップ高

 旭化学工業 <7928> [JQ]がストップ高。前週末8日の取引終了後、21年8月期の連結業績予想について、売上高を79億円から95億円(前期比23.9%増)へ、営業利益を2億2000万円から4億5000万円(同4.8倍)へ、純利益を1億5000万円から3億5000万円(同7.4倍)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた外出自粛による巣ごもり需要などにより、電動工具製品の受注が増加していることが寄与する。

■サーバワクス <4434>  4,895円 (+635円、+14.9%)

 サーバーワークス <4434> [東証M]が続急騰。前週末8日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、1月15日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要の発生を先取りする形で買われた。同社は、米アマゾングループが提供するクラウドサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」の導入支援を主力とするクラウドシステム構築事業者。21年2月期単独業績予想は、売上高80億300万円(前期比17.5%増)、経常利益3億7700万円(同10.4%減)を見込んでいる。

■ワッツ <2735>  926円 (+87円、+10.4%)

 東証1部の上昇率8位。ワッツ <2735> が急反騰。小規模店の直営展開を特徴とする100円ショップの大手で、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、デフレマインド化する消費者ニーズを捉え足もとの業績は好調を堅持している。タイなど海外への展開にも力を入れている。前週末8日取引終了後に発表した12月の既存店売上高は前年同月比3.6%増と3ヵ月連続で前年実績を上回った。これを評価する買いが株価を押し上げる格好となっている。

■スタティアH <3393>  1,041円 (+91円、+9.6%)

 スターティアホールディングス <3393> が5日続伸し、昨年来高値を更新した。同社は8日、子会社のスターティアラボがベトナムを拠点にオフショア開発を手掛けるバイタリフィアジア(ベトナム・ホーチミン)と業務提携したと発表。これが材料視されたようだ。これを機にスターティアラボは、ベトナムで自社のマーケティングオートメーション(MA)ツール「BowNow(バウナウ)」の販売を開始。BowNowを海外で提供するのは今回が初めての取り組みで、2月中旬以降、まずは日系企業向けへウェビナーやイベントを開催し集客活動を行う予定だとしている。

■シンバイオ <4582>  475円 (+40円、+9.2%)

 シンバイオ製薬 <4582> [JQG]が続急伸。12日朝方、トレアキシン液剤「RTD製剤」を発売すると発表しており、これが好感されたようだ。同製品は、現行のトレアキシン凍結乾燥剤「FD製剤」に比べて、手動による煩雑な溶解作業が不要なことから時間を短縮する事ができ、医療関係者の負担を大幅に低減することができるという。なお、同件が20年12月期業績に与える影響はないとしている。

■メディカルN <3645>  1,101円 (+92円、+9.1%)

 メディカルネット <3645> [東証M]が続急伸。12日正午ごろに発表した第2四半期累計(6-11月)連結決算が、売上高15億9200万円(前年同期比10.4%増)、営業利益1億8000万円(同2.7倍)、純利益6500万円(同50.9%増)と大幅増益となったことに加えて、未定としていた期末一括配当予想を前期比6円50銭増の8円としたことが好感された。歯科分野、美容・エステ分野に特化したポータルサイトを運営する主力のメディア・プラットフォーム事業が堅調だったほか、医療機関経営支援事業、医療BtoB事業などの採算が改善されたことが寄与した。なお、21年5月期通期業績予想は、売上高32億900万円(前期比10.0%増)、営業利益3億円(同2.8倍)を見込み、純利益予想は引き続き未定としている。

■東電HD <9501>  328円 (+27円、+9.0%)

 東京電力ホールディングス <9501> や関西電力 <9503> 、中部電力 <9502> 、Jパワー <9513> など電力株が軒並み買われた。電力大手各社は、全国的に厳しい寒さが続いている影響で電力需要が大幅に増加していることから、相次いで節電を呼びかけている。電力需給逼迫への懸念を背景に、日本卸電力取引所(JEPX)で取り引きされるスポット価格が高騰しており、こうしたことから電力株全般に思惑的な買いが向かった。一方でスポット価格の高騰は、JEPXからの電力調達に頼る新電力事業者には逆風となり、関連銘柄のグリムス <3150> やイーレックス <9517> などは売られた。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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