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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

フェローテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■フェローテク <6890>  2,009円 (+117円、+6.2%)

 フェローテックホールディングス <6890> [JQ]が続急伸し、連日で昨年来高値を更新。12日付の日刊工業新聞で「中国・東台工場(江蘇省東台市)でパワー半導体基板の生産能力を現状の2倍以上に増やす検討を始めた」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、21年度中に、アルミナ材料を用いたパワー半導体用絶縁・放熱基板(DCB基板)の月産能力を現状比2倍超の77万枚にするほか、放熱性や信頼性を高めた活性ロウ付け法(AMB)基板で同2倍の20万枚に引き上げる計画だという。工作機械や家電向け電源用インバーターなどに用いるDCB基板は需要が回復基調にあるが、電気自動車(EV)向けに更なる需要増が見込めるとして、生産能力増強に踏み出すようだ。

■中外薬 <4519>  5,862円 (+327円、+5.9%)

 中外製薬 <4519> が続急伸し昨年来高値を更新。複数のメディアで、同社が開発したリウマチ治療薬「トシリズマブ」(製品名「アクテムラ」)について、英政府が新型コロナウイルス治療に有効だと発表したと報じられており、これが好材料視された。報道によると、死亡リスクを軽減させたほか、入院期間の短縮につながったとしており、英国では今後、集中治療室に運ばれた患者に対して使用するという。なお、日本においては、21年中に承認申請することを目指している。

■良品計画 <7453>  2,486円 (+130円、+5.5%)

 良品計画 <7453> が大幅に8日続伸。一時、前週末に比べ約14%高と急騰し昨年来高値を更新した。8日取引終了後、同社が発表した第1四半期(20年9-11月)の連結営業利益は131億5400万円と好調だった。巣ごもり需要で、食品や衣料などの販売が伸びた。市場では100億円前後の利益を見込んでいただけに、予想を上回る業績を好感する買いが流入した。海外の東アジアを含む全エリアで販促や販管費が抑制されており、業績は回復軌道に乗っていることが評価されている。

■ルネサス <6723>  1,209円 (+60円、+5.2%)

 ルネサスエレクトロニクス <6723> が3日続伸。同社は12日、コネクテッドカー開発でマイクロソフトと協業したと発表。これが新たな買い手掛かりとなったようだ。ルネサスの車載用SoC(System on Chip)R-Carを搭載したR-Carスタータキットを、マイクロソフトのモビリティー業界向けプラットフォームMicrosoft Connected Vehicle Platform(MCVP)の開発環境として使用することにより、車両とクラウドを連携したシステム開発の効率向上を実現。ユーザーは、この開発環境を用いることにより、クラウド上やパソコン上で開発したソフトウェアをR-Car SoCに搭載し、自動車や各種モビリティーの組み込み環境で事前検証することが可能になるという。

■オープンH <3288>  4,085円 (+155円、+3.9%)

 オープンハウス <3288> が5日続伸。SMBC日興証券が8日付で、投資評価を「2」から「1」としたことが好材料視されたようだ。なお、目標株価は4500円で据え置いている。20年11月に決算・中計を発表して以降、材料出尽くし感から株価は弱含みで推移しているものの、同証券では、同社が注力する都心・準都心エリアの好調な戸建住宅需要は続くと予想。また、マンション事業、収益不動産、アメリカ事業の他の既存事業の成長やM&Aなど新規投資の可能性も考慮すれば、25年9月期までの5年間の年率平均営業利益成長率は11.4%と高水準の成長が続くと見込んでいる。

■NEC <6701>  5,910円 (+210円、+3.7%)

 NEC <6701> が大幅高で3日続伸。12日付の日本経済新聞朝刊で、「人工知能(AI)を活用した医療機器の販売に乗り出す」と報じられたことが好材料視された。記事によると、同社が強みとする顔認証技術を応用し、大腸がん検査の内視鏡画像をAIがリアルタイムで解析し、医師ががんや前段階のポリープを見つけるのを支えるとしている。5年で国内と欧州で1000台の販売を目指し、5年後に関連事業で100億円の売上高を見込むとしていることから、業績への貢献も期待されている。

■あさひ <3333>  1,725円 (+59円、+3.5%)

 あさひ <3333> が5日続伸。12日午後1時ごろに発表した12月度の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比46.1%増となり、2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。コロナ禍による移動手段の見直しや健康意識の高まり、外遊び需要の増加などを背景にした自転車需要の増加傾向が続いており、客数が同22.3%増、客単価が同19.4%増といずれも好調に推移した。なお、全社売上高は50.0%増だった。

■オートバクス <9832>  1,456円 (+47円、+3.3%)

 オートバックスセブン <9832> が大幅続伸。8日の取引終了後に発表した12月度の月次売上概況(速報)で、既存店売上高が前年同月比13.4%増と3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。12月中旬からの冷え込みと年末の寒波により、スタッドレスタイヤをはじめ冬季用品の需要が拡大したことに加え、洗車や補修用品、車内用品などが継続して好調だった。また、車検・整備、車買取・販売も好調だった。

■アレンザHD <3546>  1,306円 (+41円、+3.2%)

 アレンザホールディングス <3546> が大幅反発。前週末8日の取引終了後に発表した12月度の売上推移で、既存店売上高が前年同月比10.5%増と3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同5.3%増、客単価が同4.9%増といずれもプラスとなった。なお、全店売上高は同12.3%増だった。

■IBJ <6071>  783円 (+18円、+2.4%)

 IBJ <6071> が続伸。12日、運営する結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」の20年12月の成婚者数が、過去最多の1527人になったと発表しており、これが好感された。成婚者数は、新型コロナウイルスの影響を受けて20年は一時減少したものの、オンラインサービスの早期導入などが寄与し、8月には(成婚の先行指標となる)お見合い成立件数が過去最多となり、12月には連盟設立以降最多となる成婚カップルが誕生したという。

■ベル24HD <6183>  1,721円 (+39円、+2.3%)

 ベルシステム24ホールディングス <6183> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を2000円から2300円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、新型コロナウイルス感染症関連のスポット業務増額が寄与することから、21年2月期の営業利益予想を120億円から125億円へ、22年2月期を同125億円から129億円に上方修正した。ただ、同証券では、スポットの増減にばかり注目が集まるが、構造的需要増を評価。Eコマース向けやフードデリバリー向け業務の拡大、金融機関でのBCP対応による拠点分散化などの社会変化による構造的な需要増を、バリュエーション上織り込む余地は十分にあるとしている。

■三菱UFJ <8306>  494.3円 (+7.9円、+1.6%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が4日続伸、みずほフィナンシャルグループ <8411> は5日続伸とメガバンクの上値追い基調が鮮明だ。今月20日から発足するバイデン新政権下では大型の財政出動を伴う景気刺激策への期待が大きく、これが米国債の売りに拍車をかけている。米10年債利回りはここ急速に水準を切り上げており、11日終値ベースで1.143%まで上昇、ゴールドマン・サックスをはじめ大手金融株の株高を助長している。東京市場でもこの流れを引き継ぐ形に。メガバンク各社は配当利回りが高いこともあって、国内外の機関投資家とみられる大口の買いが流入した。

■パーク24 <4666>  1,809円 (+21円、+1.2%)

 パーク24 <4666> が反発。SMBC日興証券が8日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を2000円から2200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、20年10月期は新型コロナの影響直撃により多額の赤字決算となり、21年10月期も上期は新型コロナの影響が残るものの、徐々に業績回復が進むと予想。また、コロナ禍を機にコスト構造改善が進んでいること、カーシェアに経営資源を集中する戦略に注力していることなど、中長期成長に向けての道筋は従来よりクリアになったと同証券では評価しており、中長期成長を織り込んだ際の株価上昇余地は大きいと見込んでいる。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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