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【市況】気になる動きはあるが堅調な地合い崩れず/後場の投資戦略

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

日経平均 : 26824.46 (+390.84)
TOPIX  : 1770.07 (+15.15)


[後場の投資戦略]

 モデルナなどが開発を進める新型コロナワクチンへの期待を支えに日経平均は反発し、400円近い上昇で前場の取引を終えた。日足チャートを見ると、上昇する5日移動平均線が下値をサポートする形で強い値動きを続けている。前日は寄り付き直後に高値26834.20円を付けてから急失速し、長めの陰線を付けた。ただ、本日早々にこの前日高値に迫る格好となり、目先のピーク感も吹き飛んでしまいそうだ。

 東エレクやエムスリー<2413>が取引時間中の上場来高値を更新し、その他の主力グロース株も上値追い基調が続いており、まだまだ「株高に乗り遅れまい」というムードが強いことが窺われる。また、日経レバETF<1570>はなお売り長の信用需給となっており、買い戻しを迫られている個人投資家も多いのだろう。

 半面、ここ数営業日は日経レバETFの買い持ち高を手仕舞う動きも見られる。また、前日の先物手口を見ると、クレディ・スイス証券が日経平均先物の売り越しトップだった。先に当欄で紹介したとおり、外国人投資家は11月第1~2週にかけて8~10月の売り越し分を大幅に上回る買い越しとなっていた。日経平均の急ピッチの上昇を受け。商品投資顧問(CTA)などの短期筋から利益確定の売りが出ている可能性はある。

 また、東証株価指数(TOPIX)先物に関してもここ数営業日は売りが多い印象。指数連動型ファンドなどは配当権利落ちに際し、再投資に絡んだ先物の買いを入れている。足元で中間配当の支払いが始まり、現物株に再投資の買いを入れるとともに、先物の買い建玉を手仕舞っている可能性もあるだろう。となると、株式市場全体としては配当再投資のプラス影響は期待されるほど大きくないかもしれない。

 と、諸々気になる動きはあるものの、堅調な地合いがすぐさま急変するような兆候も見られず、まずは後場にも前日高値を捉えてくるか注目したいところだ。(小林大純)
《AK》

 提供:フィスコ

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