【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東京ドーム、ファーマF、日電産
日電産 <日足> 「株探」多機能チャートより
東亞合成<4045>が一時ストップ高。25日、東京大学大学院農学生命科学研究科・磯貝明特別教授のグループらとの共同研究で、低コストかつCO2負荷の少ないシングルナノセルロースを開発したと発表しており、引き続きこれを好材料視した買いが入った。同製品は、分散や乳化などの工程において、シングルナノセルロースにまで容易に解繊することが可能な新しい酸化セルロース。非可食性バイオマス由来のセルロースナノファイバー(CNF)は、性質として軽く、強く、しなやかな透明の素材であることから自動車部材などの高機能材料への応用が加速しているが、一方で木材などから得られるセルロース繊維をシングルナノセルロース(毛髪の1万分の1の細さ)まで解繊する(解きほぐす)には多大なエネルギーが必要であり、CO2負荷が大きくなるとともに製造コストがかさむという問題があった。同製品により、解繊に必要なエネルギーの低減及び低コスト化を図ることができるとしており、既存のセルロースナノファイバーと比べ5分の1程度の販売価格を目指しているという。
■東京ドーム <9681> 1,047円 +150 円 (+16.7%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率6位
東京ドーム<9681>がストップ高。三井不動産<8801>が、同社に対してTOBを実施する方向で調整を進めていると複数のメディアが報道しており、これが株価を大きく押し上げる格好となった。報道によればTOBについては友好的買収と観測され、現在、東京ドームは大株主である香港の投資ファンド「オアシスマネジメント」との対立関係が先鋭化していることで、三井不がホワイトナイトの役割を担う格好となる。買収金額は1000億円を超える見通し。これについては両社ともに「当社が発表したものではない。本件につては本日開催の取締役会に付議する予定であり、決定した場合は速やかに公表する」とのコメントを出している。
■ロコガイド <4497> 3,250円 +245 円 (+8.2%) 本日終値
ロコガイド<4497>が3日ぶりに反発。午前11時ごろ、滋賀県彦根市のホームページに、現時点での混雑状況がひと目でわかる「混雑ランプ」を設置し、運用を開始したと発表。26日には堺市西区への提供を発表していただけに、実績を順調に積み上げていることが好感されたようだ。混雑ランプは、店舗や施設の混雑を「空き」「やや混み」「混み」の3段階で発信するサービス。新型コロナウイルスの影響で日々の買い物の「3密」対策が大きな課題となったことを受けて今年5月に提供を開始しており、同社の運営するチラシ・買い物情報サービス「トクバイ」やその他ウェブサービス上でリアルタイムの混雑状況を確認することができる。
■東京建物 <8804> 1,507円 +94 円 (+6.7%) 本日終値
東京建物<8804>や野村不動産ホールディングス<3231>、東急不動産ホールディングス<3289>をはじめ、ダイビル<8806>や平和不動産<8803>など不動産株の一角が買われた。東京ドーム<9681>に対して、三井不動産<8801>がTOBを実施する方向で調整を進めていると伝わっており、これを受けて不動産セクターへの注目度が上昇しているようだ。同セクターは、PBR1倍割れの割安感が強い銘柄が多いこともポイント。大手では三井不のほか三菱地所<8802>や住友不動産<8830>なども堅調な値動きとなった。
■ファーマフーズ <2929> 3,250円 +180 円 (+5.9%) 本日終値
ファーマフーズ<2929>が新値追い。同社はきょう、医薬部外品の白髪染毛剤「ヘアボーテ エクラ ボタニカルエアカラーフォーム」の定期顧客件数が10万件を突破したと発表。ボタニカルエアカラーフォームは、子会社のフューチャーラボが販売する永久染毛剤。広告宣伝による新たな顧客の獲得と定期購入の継続で、定期顧客件数は今年7月末と比べ約3.8倍となり、出荷本数は45万本を突破したとしている。
■スタンレー電気 <6923> 3,145円 +145 円 (+4.8%) 本日終値
スタンレー電気<6923>が3日ぶりに反発。26日の取引終了後、上限を100万株(発行済み株数の0.62%)、または20億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は12月1日から12月15日までで、株主への利益還元と企業環境の変化に対応した機動的な資本政策などの遂行を可能とするのが目的という。同時に、定年延長制度の導入及び特別転進支援施策の実施を行うと発表した。特別転進支援施策は、21年1月31日時点で満49歳以上60歳未満、勤続年数10年以上の基幹社員を対象としており、募集人数は300人程度。特別転進支援施策に伴い発生する特別退職金などの費用は21年3月期決算で特別損失に計上する予定としている。
■NITTOKU <6145> 4,120円 +175 円 (+4.4%) 本日終値
NITTOKU<6145>が反発し、年初来高値を更新した。同社は26日、古河電気工業<5801>と共同で電動車(xEV)向けモーター用レーザー溶接機を製品化したと発表しており、これが材料視されたようだ。NITTOKUの精密ファクトリーオートメーション(FA)技術と、古河電のレーザー加工・銅材料評価技術を組み合わせることにより、モーター生産工程の効率化が可能になるという。なお、同製品は12月からNITTOKUが受注を開始するとしている。
■日本電産 <6594> 13,175円 +525 円 (+4.2%) 本日終値
日本電産<6594>が5連騰で連日の上場来高値更新、株価を1万3000円台に乗せてきた。地球温暖化ガス排出防止の観点から世界的にガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが進むなか、同社のEV向けトラクションモーターシステム(駆動用モーター)の構造的な需要拡大を見込んだ買いが続いている。また、精密金型や直動関連機器などを手掛ける黒田精工<7726>はEV向けなどを含む車載用モーター周辺で高い技術力を有しており、商いこそ薄いもののきょうで9連騰と異彩高を演じている。
■野村マイクロ <6254> 3,285円 +125 円 (+4.0%) 本日終値
野村マイクロ・サイエンス<6254>が3日続伸し上場来高値を更新した。半導体向け超純水装置を主力としており、韓国、中国、台湾の大手半導体メーカー向けに高水準の需要を取り込み業績は急拡大歩調にある。半導体メモリー市況の回復が続くなか、アジアの大手半導体メーカーの投資意欲については世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響はほとんど受けていない状況にあり、特に同社の主要顧客である韓国サムスンの業績好調が強力な追い風となっている。21年3月期の売上高は従来予想の221億1800万円から305億円(前期比45%増)、営業利益は18億5000万円から31億円(同68%増)にそれぞれ大幅増額しており、時価は最高値圏にあるもののPERは依然として14倍台と割高感が感じられない。
■ラクーンHD <3031> 2,124円 +76 円 (+3.7%) 本日終値
ラクーンホールディングス<3031>が3日ぶりに反発。午前11時ごろ、連結子会社ラクーンフィナンシャルが足利銀行(栃木県宇都宮市)と顧客紹介で業務提携を行ったと発表しており、これが好感された。今回の提携によりラクーンフィナンシャルは、取引先の支払い遅延や倒産による売掛金の未回収を解決する「T&G売掛保証」と、ネット完結型の売掛保証「URIHOウリホ」の2つのフィンテックサービスを足利銀行の顧客に提供する。なお、ラクーンフィナンシャルの金融機関との業務提携は足利銀行で20行目となる。
株探ニュース