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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─ コロナ警戒もドコモTOBや中間配当支払いで需給は底堅い

RAKAN RICERACA 代表取締役 会長 村瀬智一

「コロナ警戒もドコモTOBや中間配当支払いで需給は底堅い」

●押し目待ち狙いの買い意欲は衰えない

 日経平均株価は新型コロナウイルスのワクチン開発進展を材料視した米国市場の強い流れを受けて、17日には2万6014円と約29年6ヵ月ぶりに2万6000円台を回復した。その後は急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されるなか、新型コロナの感染拡大による米国でのロックダウン(都市封鎖)実施に加え、国内の新規感染者数が過去最高を更新する状況が重しとなり、週後半にかけては利益確定売りが優勢となった。

 ただし、投資部門別売買動向では海外勢が2週連続で買い越しとなるなど、日本株のアウトパフォームに対して海外勢による日本株比率の積み増しも観測されており、全体としては底堅さが意識されている。コロナに関する報道に対してアルゴリズム売買が発動する場面もあるが、相対的に割安が意識されているTOPIX型への買いがみられるなど、押し目待ち狙いの買い意欲は衰えていない。

 米国ではカリフォルニア州で約1ヵ月程度、午後10時から午前5時までの夜間外出禁止令が出されており、景気腰折れのリスクも高まっている。国内においても東京都の新規感染者数は2週間後には1日で1000人を超えるといった専門家の指摘も伝わっており、引き続き新型コロナの感染拡大が重荷となる。一方で米ファイザーのワクチン候補への期待は根強く、緊急使用許可が承認ともなれば、感染が広がる中においても来年以降の経済回復に対する期待が相場の先高感を強めよう。

 需給面では、NTTドコモ <9437> のTOB成立を受けたパッシブファンドなどによるTOPIX型への買い需給が11月末に向けて意識されるほか、11月後半から12月前半においては中間配当金の支払いに伴う再投資への思惑が下支えとなる。また、海外勢による日本株比率の引き上げも引き続き意識されやすく、目先調整を警戒しつつも年末ラリーに向けて再度上昇の勢いを強める可能性もあろう。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆グレイステクノロジー <6541>
マニュアル制作専門会社。11月11日に発表した21年3月期第2四半期累計(4-9月)の営業利益(非連結)は前年同期比26.9%増の4.9億円で着地。主力サービスである「e-manual」の導入促進を積極的に押し進めている。世界で新型コロナの感染が拡大する中、従業員の行動制限や接触を避けるニーズが高まっており、同社が手掛けるウェアラブルデバイスを活用した「e-manual」や「完全誘導型AIマニュアル」である「GRACE VISION(グレイスビジョン)」の導入企業の増加が期待される。株価は高値更新後に利益確定の売りに押されているが、押し目狙いのスタンスとなろう。

◆ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674>
産業用・車載用の鉛蓄電池大手。11月6日に発表した21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結営業利益は前年同期比29.9%減の52億円で着地。しかし、自動車用補修販売の好調によって従来予想の20億円を大きく上回っており、併せて通期営業利益予想を140億円→160億円に上方修正している。温室効果ガスの排出削減に向けて、脱ガソリン車の流れが世界で加速。米国においてもゼネラルモーターズがEV(電気自動車)へ積極投資を続けており、車載用リチウムイオン電池は長期的な需要の伸びが期待される。株価は11月に入り急伸し短期的な過熱感は意識されるものの、なお14年高値3735円から20年3月安値1166円の下げに対する半値戻し水準であり、一段の上昇が期待される。

◆サーバーワークス<4434> [東証M]
AWS(アマゾン ウェブ サービス)専業のクラウドソリューション・プロバイダー。10月15日に発表した21年2月期第2四半期累計(3-8月)の営業利益(非連結)は前年同期比20.5%減の1.5億円で着地。新型コロナ感染拡大の影響により、多くの企業でIT投資の抑制やプロジェクトの中止・遅延が見られた。その一方で、テレワークの導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)の強化に伴ってクラウドサービスを活用する企業が増加している。政府主導によるDX化推進もあって、中長期的な成長期待は大きいだろう。株価は4月高値1万1200円水準でダブルトップを形成後、調整が続くが、足もとでは5000円処で底固めの動きがみられており、押し目狙いのスタンス。

◆ブリッジインターナショナル <7039> [東証M]
インサイドセールス(非対面営業)支援サービスを展開。11月13日に発表した20年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結営業利益は前年同期比6.5%増の3.1億円だった。インサイドセールス需要の堅調な拡大が続き、コンサルティングでは内製支援サービスの「ANSWERS」が好調。新型コロナ感染拡大を背景に従来の訪問型の法人営業の見直しを検討する企業が増える中、インサイドセールスの市場は拡大傾向にある。株価は7月高値3890円をピークに調整しているが、2500円処が支持線として意識されており、押し目狙いのスタンス。

◆Jストリーム <4308> [東証M]
動画配信プラットフォームやライブ配信サービスなどを手掛ける。10月29日に発表した21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結営業利益は前年同期比6.6倍の9.3億円で着地。併せて通期営業利益を従来予想の9億円→18億円に上方修正している。医薬分野において感染症対策の観点からMR(医薬情報担当者)による訪問、販売促進活動が制限されていることもあり、WEB講演会用途のライブ配信売上が大幅に増加。金融その他業種においても、バーチャル株主総会に関するニーズが顕在化した。株価は強いトレンドが継続しており、11月9日には6410円まで上昇。その後は利食い優勢ながらも25日移動平均線が支持線として機能している。

2020年11月20日 記

株探ニュース

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