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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─ 高進捗率銘柄などに関心が集まるか?!

RAKAN RICERACA 代表取締役 会長 村瀬智一

「高進捗率銘柄などに関心が集まるか?!」

●上方修正が相次ぐ可能性

 日経平均株価は2万3500円レベルで底堅く推移している。もっとも、市場の関心は米国の大統領選や追加経済対策に向かっており、これらの重要イベントを通過するまでは積極的な売買は手控えられよう。実際、10月半ば以降は東証1部の売買代金が2兆円を下回る状態であり、国内外の機関投資家も模様眺めといったところだ。今週はマザーズの時価総額上位の主力銘柄が軒並み売られる格好となったが、重要イベントを前にポジションをニュートラルにする流れといったところだろう。一方で日経平均は底堅いが、その背景には日銀のETF買い入れなど需給面での下支えに加え、売り越し基調にある海外勢によるヘッジ対応の買いが意識されている。

 なお、来週も全体としては膠着感の強い展開になりそうだが、手掛かり材料としては決算発表が本格化する。来週は700社超の企業が決算を発表する予定であり、月末に第1弾のピークを迎える。足もとでは緊急事態宣言解除後の経済活動再開によって保守的な見通しを上方修正する動きが目立っており、今回の決算では多くの企業が業績予想を引き上げてくると考えられる。そのため、第1四半期の進捗率が高い銘柄や、営業赤字に転落していた銘柄などの上方修正を狙った動きがみられそうである。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆イリソ電子工業 <6908>
コネクター大手。車載コネクター製品を主力に、工作・産業用機械や通信機器、医療機器のほか、OA、映像機器向けなどに市場を拡大している。21年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業損益は3.9億円の赤字に転落。新型コロナウイルスによる欧米、アジアでの新車生産・販売の不振の影響を受けたが、環境対応の流れでバッテリー関連や外部給電用のインバーター向けが堅調。医療機器などのインダストリアル分野やOA、映像機器といったコンシューマー分野は拡大している。通期営業利益は7割減を見込んでいるが、足もとで自動車生産が回復してきており、減益幅の縮小が意識されてきそうである。第2四半期決算の発表予定日は11月5日。

◆ホシザキ <6465>
業務用厨房機器大手。全自動製氷機や冷凍冷蔵庫、食器洗浄機などを手掛ける。新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、国内外のフードサービス業界は事業活動に大きな制約を受け、設備投資を抑制せざるを得ない状況であった。同社が8月に発表した20年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結営業利益は前年同期比43.4%減の105億円に落ち込んだ。しかし、国内では新型コロナウイルスの感染拡大の封じ込めに成功しており、感染再拡大への警戒感は和らいでいる。経済活動再開やGo To キャンペーンの効果によりフードサービス業界も回復傾向にあり、見直し余地があると考えられる。第3四半期の決算発表予定日は11月9日。

◆夢真ホールディングス <2362> [JQ]
建設技術者派遣のほか、ITや製造業向けにエンジニアを派遣。ゼネコン各社が抱える技術者の高齢化、若手不足といった問題を背景に、派遣需要は堅調に推移している。エンジニア派遣は、省人化および自動化に向けた設備投資が活況な製造業界や、技術進歩が著しいIT業界を中心に需要は引き続き好調である。8月に発表した20年9月期第3四半期累計(19年10月-20年6月)の連結営業利益は前年同期比23.5%増の46.5億円に伸びた。新型コロナウイルスの感染拡大で建設工事の遅れなどはあったものの、影響は限定的である。インフラ整備や再開発案件の需要を抱えているほか、リニア工事などの大型案件も本格化している。20年9月期決算の発表予定日は11月12日。

◆寿スピリッツ <2222>
全国各地の菓子製造販売などを手掛ける。21年3月期第1四半期(4-6月)連結業績は、通信販売が巣ごもり需要の増加などで堅調だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大によってインバウンド消費が消滅したほか、全都道府県を対象とした緊急事態宣言発令の影響により24億円の営業赤字に転落している。しかし、緊急事態宣言解除後は緩やかに回復してきており、Go Toキャンペーンの効果なども期待される。また、10月1日からは限定的な範囲で入国制限が緩和されてきているほか、菅首相は訪日客受け入れに向けた振興策を年内に取りまとめる方針を明らかにしており、見直しの流れが期待されよう。第2四半期決算の発表予定日は11月4日。

◆SUMCO <3436>
半導体用シリコンウエハー製造・販売大手。8月に発表した20年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結営業利益は前年同期比30.9%減の231億円に落ち込んだ。新型コロナウイルス感染症の影響については7月後半以降、300mmウエハーはロジック向け需要が回復しているほか、200mmウエハーは民生・車載向け市場は依然不透明なものの、自動車の安全運転支援や自動運転化などに必要な各種センサーや、省電力に必要なパワーマネジメント用などの半導体需要は底堅いとみられる。また、5Gサービスの本格化に伴いスマートフォン向け需要の増加が期待されよう。第3四半期の決算発表予定日は11月5日。

2020年10月9日 記

株探ニュース

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