【市況】今週の【早わかり株式市況】3週続落、トランプ大統領の討論会苦戦・コロナ感染で下押す
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週連続の下落、週前半は高く週央以降に荒れる展開
2.週初は大幅高、配当再投資への期待などから全体指数の上げ足強まる
3.30日は大統領候補の公開討論受けバイデン氏優勢との見方で大幅安
4.1日は東証のシステム障害で全銘柄が終日売買停止という異常事態に
5.週末2日はトランプ米大統領のコロナ感染で終盤波乱含みに値を崩す
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比174円(0.75%)安の2万3029円と3週連続で下落した。
今週は週前半が強い地合いで、週半ばから波乱含みの展開を強いられた。特に下期相場入りとなった10月1日は東証のシステム障害で終日売買停止という前代未聞の事態となり、週末2日はトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染で終盤値を崩す展開となった。
9月28日(月)は日経平均が大幅続伸となり上昇幅は300円を超えた。配当再投資への期待から先物主導で仕掛け的な買いが入ったことが全体指数の上げ足を助長した。29日(火)も小幅ながら上昇。配当権利落ちの影響で140円程度の下げ圧力が働いたが、それをこなしてのプラス圏着地に。30日(水)は一転して日経平均が急反落。この日の午前中に行われたトランプ米大統領とバイデン前副大統領による公開討論はお互いが罵倒しあう内容としてはひどいものだったが、トランプ氏の勇み足でバイデン氏優勢との見方が強まり、後場に入って米株先物安と歩調を合わせ日経平均は下げ幅を広げ350円あまりの下落となった。10月1日(木)は東証のシステムトラブルに伴い全銘柄の売買取引が終日停止という異例の事態に陥った。ただ、先物取引は通常通り行われ強含みで推移した。2日(金)は前場に日経平均がプラス圏で着地し、後場も強調展開で推移していたが、終盤になってトランプ米大統領が新型コロナウイルスへの感染が判明し、一気に売り優勢に傾いた。一時はフシ目の2万3000円大台を割り込む場面もあった。
■来週のポイント
来週も底堅いものの上値も重い展開になるとみられ、当面は2万3000円-2万3500円のレンジ相場が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では7日発表の8月景気動向指数や8日朝に発表される8月国際収支が注目される。海外では5日発表の米国9月ISM非製造業景況指数や6日に行われるパウエルFRB議長の講演、7日に行われる米副大統領候補者によるテレビ討論会に注視が必要だろう。
■日々の動き(9月28日~10月2日)
【↑】 9月28日(月)―― 大幅続伸、権利取り狙いや米株先物高で買い優勢
日経平均 23511.62( +307.00) 売買高14億6267万株 売買代金 2兆7082億円
【↑】 9月29日(火)―― 3日続伸、前日の欧米株大幅高を追い風に買い継続
日経平均 23539.10( +27.48) 売買高11億4065万株 売買代金 2兆3585億円
【↓】 9月30日(水)―― 4日ぶり急反落、バイデン氏優勢で売り圧力表面化
日経平均 23185.12( -353.98) 売買高14億4236万株 売買代金 2兆9096億円
【-】 10月 1日(木)―― 東証のシステム障害で全銘柄が終日売買停止
【↓】 10月 2日(金)―― 下落、米トランプ大統領の新型コロナ感染を懸念
日経平均 23029.90( -155.22) 売買高14億8464万株 売買代金 2兆8642億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、30業種が下落
(2)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運業が値下がり率トップ
(3)原油安でENEOS <5020> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業が売られた
(4)住友鉱 <5713> など非鉄、商船三井 <9104> など海運業といった景気敏感株は安い
(5)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券、東京海上 <8766> など保険といった金融株は大幅続落
(6)輸出株はオリンパス <7733> など精密機器が高く、
SUBARU <7270> など自動車、三菱電 <6503> など電機は下げ限定的
(7)情報・通信業が値上がり率トップ、TOBのNTTドコモ <9437> が牽引
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) デジタルトランスフォーメーション(DX)
2(3) サイバーセキュリティ ── 総務省は21年度概算要求で83億円を計上
3(2) 電子政府
4(32) 脱ハンコ
5(6) 2020年のIPO ─── 秋のIPO最前線を探る
※カッコは前週の順位
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