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【市況】来週の株式相場に向けて=トランプ氏の体調に一喜一憂も

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 来週の株式相場は、トランプ氏の体調と米追加経済対策の行方が大きな焦点となりそうだ。2日は東京株式市場の取引が通常通り再開されたことが安堵された。しかし息つく間もなく、後場には「米トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染」との報道を受け、後場に日経平均株価が急落した。為替は一時1ドル=105円割れと急落し、米株価指数先物も大幅安となった。

 この日の日経平均株価の急落も「アルゴリズム取引による売りが流入したのだろう」(市場関係者)との見方も出ている。11月3日の米大統領選が1カ月後に迫るなかでの、トランプ氏のコロナ感染となり、今後の展開に一気に不安感が台頭した。「もしトランプ氏が重症化した場合、大統領選がどうなるのかが不透明となった」(同)と懸念視する見方が相場の下落要因となった。

 ただし、いまのところトランプ氏の体調は良好とも伝えられている。このため、「2週間ほどの経過をみて重症化の兆しがみられないのなら、大統領選への影響は限られるのではないか」(アナリスト)との声も出ている。いずれにせよ、市場関係者は当面の間はトランプ大統領の体調に一喜一憂することになる展開が予想される。トランプ氏のコロナ感染問題を別にすれば、来週の焦点は米追加経済対策が注目されよう。米追加対策が成立すれば、相場は一気に上向くことも期待できそうだ。

 来週はノーベル賞の発表ウイークとなる。5日に医学生理学賞、6日に物理学賞、7日に化学賞、8日に文学賞、9日に平和賞が発表される。3年連続の日本人受賞がなるかが最大の焦点だ。また、9日に安川電機<6506>の中間決算が発表される。今月下旬から本格化する決算発表の前哨戦として関心が高いが、中国などの設備投資回復が同社の業績にどう影響しているかが、注目されている。5日に東証1部にダイレクトマーケティングミックス<7354>が新規上場する。海外では5日に米9月ISM非製造業景況感指数、7日にIMF世界経済見通しが発表される。また、7日に米副大統領候補のテレビ討論会が予定されている。

 1日に東証がシステム障害で終日売買停止となったことに対しては「中長期的には、東証の信用低下をもたらすもので無視できないが、当面の相場には関係ないだろう」(市場関係者)ともみられている。来週の日経平均株価の予想レンジは2万2600~2万3600円。
(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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