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【特集】雨宮京子氏【米株波乱で変調か、東京市場の先行きと個別戦略】(2) <相場観特集>

雨宮京子氏(経済ジャーナリスト)

 ―米ハイテク株安、国内政治など大局変化の時迎える?―

 週明け7日の東京株式市場はリスク回避ムードの強いなか日経平均は底堅さを発揮した。前週後半にいきなり主要株指数が暴落し大波乱となった米国株市場だが、週末4日も一時大幅続落でリスクオフが加速した。その後は買い戻しで下げ渋ったものの、これまで世界株高の中心となっていた米国株がにわかに変調となっていることで、東京市場もその影響が懸念される状況にある。ここからの全体相場見通しと個別株戦略について、先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。

●「全体トレンドは不変、中小型材料株に着目」

 雨宮京子氏(経済ジャーナリスト)

 米国株がハイテク株中心に派手な下げを演じたが、これは今までの急騰の反動とみており、これがレーバーデーを絡めた3連休前にポジション調整の売りとなって顕在化した。トレンド自体は中期的にみて変わっていないと考えている。

 今週は週末11日にメジャーSQ算出が待つ。波乱を呼び込みやすい週にみられがちだが、裁定の売り残が積み上がっている現状は買い戻し圧力が高まりやすく、きょうの相場の底堅さにも反映されているのではないか。また、先物絡みの値動きばかりに神経を尖らせることもない。下値では日銀のETF買いや出遅れていた外国人投資家の押し目買いも想定され、ここは拾い場提供場面と強気に構えたい。

 9月相場はボラティリティが高まりそうだが、基本的にはボックス相場が継続するとみており、日経平均のレンジとしては下値が75日移動平均線近辺の2万2500円台、上値はここ数年来のフシとなっている2万4000円前後をイメージしている。物色対象では半導体周辺株をはじめハイテク株は、ここからは少し上値が重くなりそうだ。日本製鉄 <5401> を筆頭に鉄鋼株などバリュー株の一角が相対的に有利だろう。また、自民党次期総裁候補の菅官房長官の政策に絡む発言を参考に、中小型の材料株物色の流れが強まりそうだ。

 個別では、まずアートスパークホールディングス <3663> [東証2]。車載システム分野は買収したカンデラ社の効果で、売上高が倍増する可能性もあり注目したい。次に、仮に菅政権が発足した場合、地方活性化、農村復興に向けた政策面でのフォローが期待され、農業総合研究所 <3541> [東証M]も妙味がある。総務省はSNS上での誹謗(ひぼう)・中傷の対策を強化する意向にあり、その観点からエルテス <3967> [東証M]への関心も高まりそうだ。また、直近は台風10号による被害が懸念されたが、防災意識の高まりを背景に応用地質 <9755> をマークしたい。最後に、訪問看護サービスを展開するN・フィールド <6077> に着目。20年12月期の上半期経常利益が倍増しており、対通期進捗率も過去5年平均よりもはるかに高く、上振れの可能性がある。

(聞き手・中村潤一)

 <プロフィール>(あめみや・きょうこ)

 経済ジャーナリスト。元カリスマ証券レディとして、日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスター、SBI証券 投資情報部などを経て現在に至る。

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