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【特集】田部井美彦氏【米株波乱で変調か、東京市場の先行きと個別戦略】(1) <相場観特集>

田部井美彦氏(内藤証券 投資調査部 リサーチ・ヘッド&チーフ・ストラテジスト)

―米ハイテク株安、国内政治など大局変化の時迎える?―

 週明け7日の東京株式市場はリスク回避ムードの強いなか日経平均は底堅さを発揮した。前週後半にいきなり主要株指数が暴落し大波乱となった米国株市場だが、週末4日も一時大幅続落でリスクオフが加速した。その後は買い戻しで下げ渋ったものの、これまで世界株高の中心となっていた米国株がにわかに変調となっていることで、東京市場もその影響が懸念される状況にある。ここからの全体相場見通しと個別株戦略について、先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。

●「ハイテク株の一服は買い場、2万4000円意識の展開も」

 田部井美彦氏(内藤証券 投資調査部 リサーチ・ヘッド&チーフ・ストラテジスト)

 米国のハイテク株やIT関連株の急落で、グロース株は天井を打ったのではないかとの懸念が浮上している。しかし、米国の長期金利が明らかに急上昇しない限りは、再上昇余地があると思う。むしろ、グロース株を新規で買う格好のエントリーポイントとなるのではないか。

 2000年頃のITバブル時と比べた場合、当時は売り上げも計上していないような企業の株価が大きく買い上げられていた。また、現在の米国の長期金利は当時の10分の1程度だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は、雇用を重視し金融緩和の長期化の姿勢を鮮明にしている。いまは実際に成長している企業を買っており、ITバブル時と状況が違う。

 また、安倍首相辞任後の新政権の動向も注目できる。新首相の有力候補に挙げられている菅義偉官房長官は、官僚のコントロールができる政治家だと思う。菅氏が新首相になった場合、長期政権化する可能性もあるだろう。先行き、地方創生や国土強靱化といったテーマも注目できると思う。

 こうしたなか、日経平均株価は上値を目指すトレンドが見込めるとみている。今後1ヵ月程度の日経平均のレンジは、下値が2万2500円前後で、上値は2万4000円前後まで上昇する可能性もあるだろう。

 個別銘柄では、ハイテク関連株でソニー <6758> や日本電産 <6594> 、それにコイル製造自動巻き線機を手掛け電気自動車(EV)にもかかわるNITTOKU <6145> [JQ]に注目している。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)絡みで富士通 <6702> やSBテクノロジー <4726> など。更に地銀の再編思惑が浮上しているが、その中核となるSBIホールディングス <8473> は地銀のDX化の推進という点からも注目できるだろう。


(聞き手・岡里英幸)

 <プロフィール>(たべい・よしひこ)

 内藤証券リサーチ・ヘッド&チーフ・ストラテジスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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