【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 新政権関連を中心に急落株の出直りに期待!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「新政権関連を中心に急落株の出直りに期待!」
●米テック株急落はバブル崩壊の狼煙なのか?
歴代首相で就任期間最長を記録した安倍首相が、突然の辞意。株式市場では昔から、「まさか」「真坂」「魔坂」などの「坂」があるとされるが、8月28日の日経平均株価の急落(326円安)は、「まさか」程度で終わってくれたと言ってよい。
正直そこで安心していたのだが、9月4日に2度目の大幅安(260円安)に見舞われたのはご承知の通りだ。ポスト安倍が菅官房長官に決まりそうとの市場予想に基づき、投資対象を選別している最中に起きた急落であり、新政権誕生に対する期待感に冷や水を浴びせられた格好だ。
その背景にあるのは、米国市場でのアップルやマイクロソフト、テスラなどいわゆるテック株の急落であり、それは今後さらに加速してもっと下げる――こんな声も聞かれるようになっている。大型テック株はあまりに上がり過ぎた、明らかにバブルだった、という理由で…。
確かに、こうした見方はかなりの正当性を持つ。何しろ高値圏で続伸に次ぐ続伸となっていたのだ。それも中小型株ならともかく、超大型株であるにもかかわらずだ。
過去、大型株がガンガンに買われた場合、日本のバブル崩壊、ITバブル崩壊、サブプライムローンバブル崩壊など、大相場の後に株価崩落が起きている。
今回も同様のことになるのではないか。こんな懸念があるのだが、過去の大相場と今回のそれとが異なる点が一つある。過去のバブル崩壊は、経済が絶好調で過熱していた時に起きている。今回はほとんどの国で経済は絶不調の状況にあり、苦境にあえいでいるのが実際だ。
こんな状況では、急落は一時的と見るのが自然で、今後バブル崩壊があるとすれば先行き経済が過熱するほど再生したところで起きるだろう。
●企業が心血注ぐ収益安定化システム、注目したいサブスク関連
この点を考えると、いまは誕生する確率が高い菅新政権関連株を中心に、目先の急落で下げた銘柄の出直りに期待だ。
具体的には、まずは引き続きGo To関連があるが、すでに前回に取り上げ、ほとんどの銘柄が今回の下げにも立派に耐えているので、興味がある人は過去の本コラムをご覧いただくことにして、新たな銘柄ではまずは東京都競馬 <9672> だ。
なぜ、いま東京都競馬か。この会社は大井競馬場の家主。いまはコロナ禍で競馬場、場外馬券場ともに厳しい運営状況にあるが、代わりに在宅投票システムが好調だ。今後は競馬場運営も次第に正常化していくことを考えると、株価の小反落局面は魅力的だ。
競馬となるとミクシィ <2121> がある。この会社はゲーム「モンスト」で知られるが、実は競馬サイトを運営している。他に競輪・オートレース車券の販売にも展開している。
いつの時代でもそうだが、現在多くの企業が必死に構築しようとしているのが収益の安定化システム。そのために有効なのが、サブスクリプション(サブスク=定期購入)であり、それを昔から実行し、大きな成果を上げているのがメニコン <7780> だ。なにしろ、この会社の売り上げの半分ほどが定期購入によるもの。企業にとってこれほど心強いことはなく、株価は高値圏ながら続伸が見込める。
サブスクによる定期販売サイト「たまごリピート」を運営しているテモナ <3985> も、押し目があれば見逃さないようにしたい。サブスクシステムのサポートビジネスも今後伸びそうだ。
最近、急反発して投資しにくかったPR TIMES <3922> が反落した。ここで拾っておきたい。
やや時間はかかるだろうが、株価が上向きに転じたUTグループ <2146> も魅力的だ。高値からいわゆるチョイ下げ状態になっていて、狙いどころだ。
2020年9月4日 記
株探ニュース