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【特集】和島英樹の「明日の好悪材料Next」~第8回

ロボット、ステイホーム、オフィス、SIなどの決算関連で明暗が
和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
7月10日分
7月13日分
7月14日分
7月15日分
7月16日分
7月10日~16日は21年2月期の第1四半期発表の時期にあたることもあり、修正や発表の話題が多かった。FA(工場自動化)、SI(システムインテクレーター=IT戦略の一括請負)、半導体微細化などのテーマ性あるものも目立った。
7月10日分 安川電機<6506>
■好悪材料~非開示だった上期最終は80億円、未定だった上期配当は14円減配
産業用ロボットの累積台数が世界トップのメカトロニクスメーカー。超精密の産業機械などの構成部品で物の位置や方位、姿勢などを制御する「サーボモーター」と、モーターの回転数を制御する装置の「インバーター」の世界首位。
2021年2月期の第1四半期(20年3~5月)の売上高は908億200万円(前年同期比15.5%減)、営業利益は62億2700万円(同21.6%減)となった。
会社側では20年2月期の本決算発表時に、今第1四半期のみの予想を公表し、売上高は925億円、営業利益は40億円としていた。この計画から、第1四半期の売上高は約17億円を下回ったが、営業利益は22億円ほど上回ったことになる。
世界的な新型コロナ感染拡大の影響でグローバルに設備投資に慎重姿勢が見られたが、中国での製造業全般で生産活動の正常化が進み、ニューインフラ関連の投資が活発だったという。
同社の基幹事業であるACサーボモータ・コントローラとインバーター事業で構成する「モーションコントロール」セグメントは、同8.4%の減収、5.4%の営業増益となっている。中国の次世代通信規格「5G」の増加を背景に電子部品および金属加工機向けのACサーボモータ・コントローラ伸びたことや、その他の地域での半導体関連の需要が堅調だったことが寄与した。
一方、セグメントで2番目の売上高を上げる「ロボット」セグメントは、半導体関連は好調だったものの、自動車関連の設備投資が抑制された影響で、同25.2%の減収、同87.0%の営業減益となっている。
今回3~8月期の予想を開示した。売上高は1808億200万円、営業利益は107億2700万円を見込む。前期が国内基準、今期から国際会計基準(IFRS)の任意適用のため前年との比較はないが、単純比較では約15%の減収、同14%の営業減益となる。
なお第1四半期はこの基準差を考慮して会社が算定した数値。為替前提は1ドル107円、1ユーロ118円、1人民元15.2円が前提。
20年5月に新型半導体ウエハ搬送用クリーンロボットの販売を開始。減速機を必要としないダイレクトドライブ駆動方式を採用し、従来機種より高精度・低振動な動きを実現した。
安川電の業績に底入れ感が見られたことから、同じFA関連でロボットなどのファナック<6954>、センサーのキーエンス<6861>、空圧機器トップのSMC<6273>、直動システム世界シェア5割超のTHK<6481>、マテハンのダイフク<6383>などにも関心が向かう可能性がある。
■『株探』プレミアムで確認できる安川電機の四半期業績の長期成長性推移
【タイトル】
注:売上高、営業益、経常益、最終益は「百万円」。修正1株益、1株配は「円」。「連」:日本会計基準[連結決算]、「単」:日本会計基準[非連結決算(単独決算)]、「U」:米国会計基準、「I」:国際会計基準(IFRS)、「予」:予想業績、「旧」:修正前の予想業績、「新」:修正後の予想業績、「実」:実績業績、「変」:決算期変更
7月13日分 ウェザーニューズ<4825>
■好悪材料~今期経常は5%増へ
民間気象情報で世界大手。航海、航空、鉄道向けの気象情報に強い。例えば航海向けでは台風の位置などを考慮した航路、船の燃費の良くなりそうな航路などを指示したりするサービスを提供。個人向けには月額制の情報提供を強化している。
2020年5月期の売上高は179億5300万円(前期比5.3%増)、営業利益22億8000万円(同11.5%増)となった。営業利益は期初計画の21億円から、1億8000万円超過した。
■ウェザーニューズの日足チャート
株探
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
部門別にみると、主力の法人向けでは「航海気象」「航空気象」の事業が当期の前半では米中貿易摩擦、後半では新型コロナウイルス拡大の影響を受け、前期比0.2%の増収と横ばいだった。
一方、個人向け事業はテレビCMで気象予報の正確性などを訴求したことなどが奏功し、アクティブユーザーが増加。スマホ向けサブスクリプション(定額制)売上高が増加し、同9.5%の増収となった。
今21年5月期は売上高192億円(同6.9%増)、営業利益23億円(同0.8%増)、1株利益155円ほどを見込む。
新型コロナの影響は上半期まで残るとの前提。直接的な影響は不明ながら、日本を代表する海運、空運である日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>、日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>などの運航動向の影響も受けそうだ。
7月14日分 ピーシーデポコーポレーション<7618>
■好悪材料~6月売上高は前年同月比2.8%増と3カ月連続で前年実績を上回った
神奈川県を地盤とするパソコン量販店。PCやタブレット端末、スマホなどの設定、診断、修理にも展開している。会員向けの包括サービスは、サブスクリプション(月額課金)が増加傾向にある。
6月は前月に引き続き、自宅でのテレワークや在宅オンライン学習、遠隔コミュニケーションに必要な機器や環境整備の要望があり、関連する商品やサービスのニーズがあった。
4月は前年同月比6.7%増、5月は同12.4%増。鈍化はしているものの、携帯電話などの契約に時間を要する販売の減少や、前年のウインドウズ7サポート終了関連の特需があった面もあり、基本的には堅調推移とみることができる。
■ピーシーデポの月次売上高の伸び率(全店、対前年同月比、2019年4月~20年6月)
株探
注: 会社資料を基に『株探』編集部が作成。▲はマイナス
PC販売関連では、法人向け販売が主力のハイパー<3054>、PCレンタルのパシフィックネット<3021>、家電量販店のビックカメラ<3048>、ヤマダ電機<9831>、情報サービス大手の大塚商会<4768>、学校の備品などに強い内田洋行<8057>などが注目か。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。


 

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