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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

アジア航 <日足> 「株探」多機能チャートより

■アジア航 <9233>  881円 (+70円、+8.6%)

 アジア航測 <9233> [東証2]が続急伸。一時9%超高の891円まで上値を伸ばした。測量土木の大手企業で官公庁案件でも高実績を誇る。特に3次元レーザー計測による鉄道ICTソリューションやドローンを活用したビジネスに積極的であり、国土交通省が旗振り役となっている建設ICT投資で活躍が有望視されている。損保業界向けには首都圏直下型地震や南海トラフ巨大地震に備え、GISを活用した「地震保険共同調査効率化ツール」を開発するなどICT技術を使った展開は幅広い。20年9月期中間期(19年10月-20年3月)時点で前年同期比22%増の30億1500万円と好調で、通期計画の15億円の約2倍に達している。

■Genky <9267>  3,065円 (+224円、+7.9%)

 Genky DrugStores <9267> が大幅に3日続伸し、新値追いとなった。同社は5月29日取引終了後に、5月度の月次営業速報を公表。既存店売上高は前年同月比27.0%増となり、5ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。既存店のうちR店(標準化された300坪のレギュラー店)は同34.0%増、大型店は同20.6%増に伸長した。なお、全店ベースの売上高は同40.4%増だった。

■UT <2146>  2,175円 (+155円、+7.7%)

 UTグループ <2146> が4日ぶりに急反発。同社は1日、日立製作所 <6501> のグループ会社である水戸エンジニアリングサービス(茨城県ひたちなか市)の全株式を取得し、子会社化すると発表。日立グループとの関係強化や技術者派遣領域の拡大につながるとして材料視されたようだ。水戸エンジニアリングサービスは、エレベーターやエスカレーターの設計・製造業務、支援及び据え付け前の事前組み立て作業ならびに据え付け工事などの高い技術を要するエンジニア派遣・請負業務を行っている企業。取得価額は非公表で、株式譲渡実行日は7月1日を予定している。また同社は5月29日取引終了後に、みずほ銀行や三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、横浜銀行からの借り入れにより計50億円の資金調達を実施すると発表。今後の事業展開における機動的、安定的な資金運用及び新型コロナウイルスの影響による市場環境の変化に備え、財務基盤の安定化を図ることを主な目的としており、借入実行日はいずれも6月30日となっている。

■ブシロード <7803>  2,515円 (+170円、+7.3%)

 ブシロード <7803> [東証M]が続急伸。前週末29日の取引終了後、IGポート <3791> [JQ]の100%子会社で、電子コミックの配信サービス「マンガドア」を運営するリンガ・フランカの株式の50.0%を6月1日付で取得し、持ち分法適用関連会社化すると発表したことが好感された。今回の資本提携は、グループはメディアミックス機能を拡充し、重点領域であるデジタル領域を強化することが目的。また、この提携を皮切りにリンガ・フランカの親会社であるIGポートと協調を図るとしている。取得価額は1億5000万円。なお、20年7月期業績への影響は軽微としている。

■アイドマMC <9466>  524円 (+35円、+7.2%)

 アイドママーケティングコミュニケーション <9466> が急反発。同社は1日、グループのニューフォリアが「非接触式AIカメラ検温システム」の販売を開始したと発表しており、これが材料視されたようだ。このシステムは、AI(人工知能)顔認証とサーモグラフィを組み合わせ、わずか1秒で端末前の人物(マスク着用者にも対応)の検温を行うことができるタブレット型の端末。新型コロナウイルスに対するリスク対策の観点から、オフィスや学校、店舗・商業施設、イベント会場での来訪者の検温が求められるなか、このシステムを活用することで施設側スタッフの手間や感染リスクが減少する効果が期待できる。

■ユニバーサル <6425>  2,258円 (+148円、+7.0%)

 ユニバーサルエンターテインメント <6425> [JQ]が急反発。5月29日取引終了後に発表した20年12月期第1四半期(1-3月)の連結経常損益が29億1400万円の黒字(前年同期は44億8600万円の赤字)に浮上して着地しており、これを好感する買いが向かった。人気パチスロ機「バジリスク絆」の後継機投入などで遊技機事業の販売台数が急増し、売上高は前年同期比80.1%増の407億7000万円に拡大した。統合型リゾート事業で計上した営業損失を吸収し、大幅黒字を達成したことが好材料視されたようだ。

■洋缶HD <5901>  1,225円 (+79円、+6.9%)

 東洋製罐グループホールディングス <5901> が急反発。前週末29日の取引終了後、アルミ飲料用缶を増産すると発表しており、これが好感された。アルコール飲料向けのアルミ缶の需要が拡大していることを受けて、傘下の東洋製罐の石岡工場(茨城県石岡市)のアルミ缶製造設備を約120億円をかけて増設するという。新設備は21年4月以降順次稼働する予定。なお、21年3月期業績への影響はないとしている。同時に発表した20年3月期連結決算は、売上高7908億1400万円(前の期比0.3%減)、営業利益272億7100万円(同7.2%増)、最終損益5億2000万円の赤字(前の期202億6200万円の黒字)となった。包装容器関連機械設備やパウチなどのプラスチック製品の販売が増加したが、機能材料などの販売が減少した。ただ、原材料はエネルギー価格が下落したことから、営業利益は増益を確保した。なお、21年3月期業績予想は、売上高7800億円(前期比1.4%減)、営業利益220億円(同19.3%減)、最終利益180億円の黒字を見込んでいる。

■鉱研工業 <6297>  425円 (+26円、+6.5%)

 鉱研工業 <6297> [JQ]が急反発。同社が前週末29日取引終了後に発表した20年3月期決算は営業利益段階で前の期比52%増の4億1500万円と急拡大、また業績好調を背景に前期配当を2円増額し8円としており、これを好感する形で買いを呼び込む形となった。国内でのトンネル先進調査ボーリング工事を中心に完工高が増加し収益を押し上げている。なお、21年3月期予想については非開示。

■USENHD <9418>  1,372円 (+54円、+4.1%)

 USEN-NEXT HOLDINGS <9418> が大幅続伸。1日、傘下のUSENが、フードデリバリーサービスUber Eats(東京都渋谷区)とレストランにおける業務効率化支援で業務提携したと発表しており、これが好感された。今回の提携では、USENが提供するPOSレジサービス「UレジFOOD」とUber Eatsのシステム連携や、双方が運営する業務支援サービスの営業連携を行うという。これに伴い、USENが顧客に提供しているPOSレジアプリとUber Eats端末を連動させるほか、顧客の相互紹介を行い、店舗の負担軽減や両社の加盟店の拡大につなげるとしている。

■日立 <6501>  3,579円 (+124円、+3.6%)

 日立製作所 <6501> が大幅反発。5月28日につけた戻り高値3620円に迫る場面があった。その後は上値が重くなり伸び悩んだが、目先筋の売り物をこなし頑強な値運びを続けた。同社が5月29日に発表した21年3月期の業績予想は最終利益段階で前期比3.8倍の3350億円を見込んでおり、これをポジティブ視する買いが優勢となった。前20年3月期の最終利益は前の期比61%減益の875億9600万円だった。これについては新型コロナウイルスの感染拡大による自動車向けシステムの受注減少などが影響したが、株価的には織り込みが進んでいた。

■アルテリア <4423>  2,038円 (+55円、+2.8%)

 アルテリア・ネットワークス <4423> が続伸。同社は前週末29日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表した。上限を5万株(発行済み株数の0.10%)、または1億5000万円としており、取得期間は6月1日から6月19日まで。同社では同日、役員に対する譲渡制限付株式付与制度の導入を発表しており、これに備えて、対象者へ付与する予定の株式を市場より調達することが目的としている。

■野村 <8604>  475.2円 (+12.3円、+2.7%)

 野村ホールディングス <8604> が反発したのをはじめ証券株が総じて強い動き。業種別騰落率で「証券」は東証1部33業種中で値上がり率トップに買われた。日経平均は引き続き買い戻しが主導する形で上昇基調を継続、184円高に買われ、フシ目の2万2000円台を回復した。売買代金も前週末は4兆6000億円台と大きく膨らんでおり、証券会社は投信運用成績の向上や取引手数料の拡大など収益面での追い風が意識されており、足もとの株価にも反映されている。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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