市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

ストリームM <日足> 「株探」多機能チャートより

■ストリームM <4772>  222円 (+50円、+29.1%) ストップ高

 ストリームメディアコーポレーション <4772> [JQG]がストップ高となる222円に買われた。同社は韓流スター中心に動画や音楽配信ビジネスを展開するほか、CD販売なども手掛けている。29日取引終了後、親会社エスエム・エンタテインメントの子会社で歌手のマネジメントなどを手掛けるSMEJを吸収合併することを発表、これを材料視する買いが集中した。なお、東証は同日、ストリームMが今回の合併などに伴い20年8月1日から23年12月31日まで、実質的存続性の喪失に関する猶予期間入りの見込みがあると発表した。

■ブレーキ <7238>  241円 (+50円、+26.2%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。曙ブレーキ工業 <7238> がストップ高。5月29日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常損益は11億2100万円の黒字(前の期は28億800万円の赤字)に浮上して着地。従来予想の4億円の黒字を大幅に上回っており、これを好感する買いが向かった。北米や中国向けの大幅な受注減少で売上高は2割減少したものの、日本での固定費削減や北米での人員適正化、経費削減などの構造改革効果で採算は大きく改善した。また、非開示としていた最終損益は取引金融機関からの債務免除益560億円などを計上したことで、248億5500万円の黒字(前の期は182億6400万円の赤字)となった。なお、21年3月期の業績見通しについては配当(無配)以外は開示しなかった。

■シルバエッグ <3961>  1,599円 (+300円、+23.1%) ストップ高

 シルバーエッグ・テクノロジー <3961> [東証M]がストップ高。5月29日取引終了後に発表した20年12月期第1四半期(1-3月)の連結業績は、売上高2億9000万円(前年同期比23.9%増)、経常利益6000万円(同3.3倍)に急拡大しており、これを好感する買いが向かった。人工知能(AI)を用いたマーケティング支援ツール「リアルタイム・レコメンド・サービス」でアパレルや人材関連、電子書籍業界を中心に既存顧客の売り上げが想定以上に伸びたことが寄与。事業拡大を見据えた積極的投資に伴い、人材関連費用や通信関連費用が増加したものの、大幅増収効果で吸収した。第1四半期の経常利益は上期計画4500万円を大幅に上回っており、業績上振れは濃厚とみられる。

■アイロムG <2372>  2,788円 (+500円、+21.9%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。アイロムグループ <2372> がストップ高の2788円に買われた。化学工業日報が29日、「開発中の新型コロナウイルスワクチンについて6月にも非臨床試験を開始する」と報じており、これが好材料視された。記事によると、日本と中国で試験を行い、マウスを用いた中和抗体誘導能試験などを実施するという。その結果を踏まえて、早ければ夏にも第1相臨床試験に入るとしている。

■松屋R&D <7317>  2,330円 (+400円、+20.7%) ストップ高

 松屋アールアンドディ <7317> [東証M]がストップ高の2330円に買われた。前引け後、防護服(アイソレーションガウン)の大口案件を受注したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。新型コロナウィルスの感染拡大に伴う防護服不足の解消を目的に、事業会社及び商社から国内向けに供給するものとして約50万着の生産依頼を受けたという。受注金額は非開示で、生産は子会社タカハターが専用のラインを設置して生産するという。なお、21年3月期の売上高、利益に相当程度寄与する見込みとしている。

■フロンテオ <2158>  906円 (+150円、+19.8%) ストップ高

 FRONTEO <2158> [東証M]が3営業日連続のストップ高と異彩人気となった。前週末5月29日取引終了後、中外製薬 <4519> と創薬支援AIシステムの利用についてライセンス契約を締結したことを発表、これが株価を改めて刺激する格好となった。FRONTEOの自然言語AI「コンセプト・エンコーダー」を活用したシステムが中外薬の創薬プロセスに使われることで、投資マネーの新たな買いの根拠となった。

■ワンダコーポ <3344>  682円 (+100円、+17.2%) ストップ高

 ワンダーコーポレーション <3344> [JQ]がストップ高の682円に買われた。5月29日に20年3月期連結決算を発表しており、営業利益12億7700万円、最終利益9億7800万円と大幅増益となり、19年3月期は13ヵ月の変則決算のため比較はないものの、前期の営業利益4億5300万円に対して大幅な増益となることを好感した買いが入った。台風などの自然災害や消費税増税に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響による販売店舗の休業などで売上高は612億700万円と減収を余儀なくされた。ただ、ゲームなどパッケージ商材や本を中心とした巣ごもり商材への需要が高まっている。なお、21年3月期業績予想は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による業績への影響を現時点では合理的に算定することが困難であるため未定としている。

■中央化学 <7895>  714円 (+100円、+16.3%) ストップ高

 中央化学 <7895> [JQ]がストップ高の714円に買われた。29日、環境配慮型素材「タルファー」を開発し、これを用いた新製品を発売すると発表しており、これが好感された。タルファーは、素材の半分以上がタルク(滑石)でできていて、プラスチックの使用量を半分にすることができる新素材。タルクは医療・化粧品などさまざまな用途で使用され、ポリオレフィン等衛生協議会のポジティブリストにも収載されており、これを使用することで、CO2削減効果が石油化学由来プラスチックの使用50%以下になるとしている。

■データセク <3905>  738円 (+100円、+15.7%) ストップ高

 データセクション <3905> [東証M]がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は1日、小売事業者向け「新型コロナウイルス対策ソリューション」のグローバル展開を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。このソリューションは、スーパーマーケットやドラッグストア、アパレル、銀行などの店舗及びショッピングモールで店舗内の人数を可視化し、入り口で入店の可否を表示することで入店制限の自動化を支援する「Store Capacity Control」、店舗入場者の発熱やマスク着用の有無を検知する「HealthyUP」、店舗内で実施する消毒などの感染対策オペレーションのスタッフ教育が行えるeラーニングと、日々の感染対策オペレーションの確実な実行を支援するタスキング機能を提供する「COVID-19 Tasking」で構成。日本のほか、スペイン、チリ、ペルー、コロンビア、ウルグアイ、エクアドル、中米諸国などでも同時展開するとしている。

■ZUU <4387>  5,200円 (+700円、+15.6%) ストップ高

 ZUU <4387> [東証M]がストップ高。前週末29日の取引終了後に発表した21年3月期連結業績予想で、売上高26億5000万~30億2000万円(前期比43.5~63.5%増)、営業利益収支均衡~2億円(前期1億600万円の赤字)と黒字転換を見込んでいることが好感された。引き続き「ZUU online」を中心とする自社メディアのユーザー層及び会員数の拡大を図り業績拡大を狙う。買収子会社や金融系プラットフォームの構築などに一定の時間を要するものの、トップラインの成長により黒字化を図る見通しだ。なお、20年3月期決算は、売上高18億4700万円(前の期比40.2%増)、営業損益1億600万円の赤字(前期1億8200万円の黒字)だった。

■トリケミカル <4369>  11,860円 (+1,170円、+10.9%)

 東証1部の上昇率6位。トリケミカル研究所 <4369> が続急騰。29日の取引終了後、第1四半期(2-4月)連結決算を発表しており、売上高22億8700万円(前年同期比10.3%増)、営業利益7億1300万円(同21.8%増)、純利益8億6400万円(同21.9%増)と大幅増益となり、これが好感された。5GやIoTなどによる半導体市場の中長期的な成長が見込まれるなか、日本・台湾・韓国を中心とする東アジア地域の需要増加に対応すべく、生産設備の導入や人員増強など体制の強化と効率化に取り組んだことが奏功した。なお、21年1月期通期業績予想は、売上高91億5000万円(前期比10.7%増)、営業利益23億7000万円(同1.9%増)、純利益29億4000万円(同横ばい)の従来見通しを据え置いている。

■アスクル <2678>  3,580円 (+330円、+10.2%)

 東証1部の上昇率8位。アスクル <2678> が3日ぶりに急反発。同社は5月29日取引終了後に、5月度の月次業績(4月21日-5月20日)を公表。食品や衛生関連用品の販売増などを背景に、個人向けサービス「LOHACO」の売上高が前年同月比25.1%増の47億9900万円と、8ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されたようだ。5月度の単体売上高は同1.1%減の243億1000万円となり、前月(1.6%減)と比べて減少幅が縮小。主力のBtoB事業の売上高(稼働日修正後)は同15.6%減の195億1000万円となったが、39県の緊急事態宣言解除後(5月15~20日)では同11.6%減と回復傾向がみられる。

■エンプラス <6961>  2,519円 (+218円、+9.5%)

 東証1部の上昇率10位。エンプラス <6961> が急反発。前週末29日の取引終了後、上限を20万株(発行済み株数の1.62%)、または5億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は6月1日から9月30日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするのが目的としている。同時に、DNAチップ研究所 <2397> [東証2]との資本・業務提携を解消した。両社は14年12月から資本・業務提携関係にあったが、協業を通じて一定の成果が得られたと判断した。また、資本提携の解消に伴い、保有しているDNAチップ株84万8000株(発行済み株数の16.48%)を順次、市場売却する予定としており、売却益への期待感も買いにつながったようだ。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均