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【特集】アフターコロナの自己防衛&管理、「接触検知アプリ」関連株をロックオン <株探トップ特集>

緊急事態宣言の全面解除も感染第2波への警戒は怠れない。そのなか新型コロナ感染者との接触を知らせるアプリの開発・導入が世界的に進んでいる。最前線の銘柄群にスポットを当てた。

―新型コロナ感染者との接触検知のニーズ高まる、アプリ導入国は既に60ヵ国以上に―

 世界各国の政府は、新型コロナウイルス の感染対策として接触検知アプリの導入を急いでいる。世界各国でロックダウン(都市封鎖)が解除され、日本においても緊急事態宣言の全面解除により、経済活動再開への期待が高まっている。一方で感染第2波を警戒しながらの解除であり、引き続き個々人の感染に対する自己防衛・管理意識は高い状態が維持されることが予想される。そうしたなか、プライバシーやセキュリティー面で気掛かりなところはあるものの、新型コロナウイルスの感染者との接触検知アプリに関連する銘柄に市場の関心が向かう可能性がある。

 接触検知アプリは、スマートフォンの近距離無線規格「ブルートゥース」を使い、感染者との接触を知らせるタイプが主流であり、接触を検知するアプリの導入が60ヵ国以上に広がっているとの報道もある。こうしたアプリは3月にシンガポール政府が開発したアプリ「トレーストゥギャザー」で注目され、各国で広がりをみせている。

●米アップルとグーグルがタッグを組む

 最近では米アップルとグーグルが感染者と接触した可能性があることを通知するアプリのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を一般公開している。このアプリのユーザーが新型コロナウイルスに感染したと確定診断された場合、その情報は公衆衛生機関にもたらされ、公衆衛生機関はアプリを利用している他のユーザーで感染者と接触があった人々に対し感染リスクがあることを警告する。なお、個人を識別できる情報や位置情報などのプライバシー面は、十分に保護されるとしている。

 米国は州によって対応が違うもようだが、アップル・グーグル連合によると、米国の多くの州とドイツなどの22ヵ国が、感染警告アプリの開発のために感染データを処理できるツールの提供を要請していたという。日本においても政府主導で新型コロナウイルス感染拡大防止のためのテクノロジー活用を検討する「新型コロナウイルス感染症対策テックチーム事務局」において、接触確認アプリの導入に向けた取り組みについて、議論が進められている。

 なお、新型コロナウイルス感染症対策テックチーム事務局における接触確認アプリの目的としては、スマートフォンを活用して、(1)自らの行動変容を確認できる、(2)自分が感染者と分かったときに、プライバシー保護と本人同意を前提に、濃厚接触者に通知し、濃厚接触者自ら国の新型コロナウイルス感染者等把握・管理支援システム(仮称)に登録できるようにすることで、健康観察への円滑な移行なども期待できるとしている。「接触確認アプリやSNS等の技術の活用も含め、効率的な感染対策や感染状況等の把握を行う仕組みを政府として早期に導入し、厚生労働省及び各保健所等と連携することにより、より効果的なクラスター対策につなげていく」という新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に沿う形で接触確認アプリは具体化されていくことになる。

●プライバシーとのバランスが焦点に

 各国における接触確認アプリについては、先進的な例として中国がメディアなどでもよく取り上げられる。ただ、中国の場合は位置情報、決済情報などを当局が把握可能であることがその背景にあり、プライバシーの面で問題があるとされる。中国のほかには、インド、イスラエルが相対的にプライバシー影響度が高く、ドイツ、スイス、イギリス、フランスなどはプライバシー影響度が低い方式で稼働及び検討されている状況のようだ。プライバシーに対する世論と、公衆衛生学上の要請とのバランスをどのようにとるか、各国それぞれの実情にあわせて対応している。

 こうした状況下、接触確認アプリに関連する銘柄に関心が高まる可能性がありそうだ。関連銘柄としては、GPS(位置測位システム)、GNSS(全球測位衛星システム)を手掛けている銘柄が中核となり、関連技術を使ったアプリを展開している企業のほか、ブルートゥースなどの技術や電子部品辺りに向かいやすい。

●アイサンテクノのG空間ソリューションに注目

 アイサンテクノロジー <4667> [JQ]は、測量関連のソフトウェア開発のほか、高精度三次元地図データ整備、自動運転関連の実証実験やシステム構築などのG空間 ソリューションを展開している。同社は自動走行向けの衛星測位評価実験などで蓄積してきたノウハウをパッケージとしたGNSSシステム利用実証評価ツールのほか、G空間社会に必要な高精度衛星測位サービス実現を目指している。

 エレコム <6750> はパソコン、ネットワーク周辺機器などを手掛けており、GNSSをサポートしている産業用タブレットを供給しているほか、Wi-Fi対応GPS付きドライブレコーダーなども手掛けている。古野電気 <6814> は、魚群探知機など船舶用電子機器から、医療や情報通信分野に事業領域を拡大。GPS/GNSSチップのほか、GPS/GNSSモジュール、GPS/GNSSアンテナを手掛ける。TDK <6762> はGNSSチップアンテナなどを手掛ける。アイコム <6820> は、無線機器をグローバルに展開しており、GPSレシーバー内蔵トランシーバー、GPS情報表示ソフトウェアなどを手掛けている。

●コロプラ、モバファクなども位置情報に実力

 あい ホールディングス <3076> は、資本・業務提携しているSocial Area Networks社(東京都中央区)が位置情報ソリューションを展開。コロプラ <3668> は、位置情報サービスプラットフォーム「コロプラ」やゲーム運営を手掛ける。モバイルファクトリー <3912> は位置情報ゲームが主力。ビーマップ <4316> [JQG]は、公衆無線LANを活用した位置情報配信システムやサービスを展開している。

 ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス <4433> は、販売・接客・サービスの分野をワンストップで支援する営業支援サービスを展開。社内ベンチャー・キャピタル・ファンドを創設し、スマートフォンの位置情報を活用する独自のIoTハード端末「AIBeacon」を手掛けるアドインテ(京都市)に出資。そのほか、NTT <9432> と三菱商事 <8058> は、位置情報システムやデジタル地図を提供するオランダのヒアテクノロジーズに共同で出資している。

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