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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

テラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■テラ <2191>  217円 (+50円、+29.9%) ストップ高

 テラ <2191> [JQ]がストップ高。東大医科学研究所発のバイオベンチャーで樹状細胞ワクチンによる療法を主力としており、再生医療分野などで注目度が高い。同社は27日取引終了後、遺伝子や細胞などを用いた先端医療支援を手掛けるセネジェニックス・ジャパン(東京都中央区)との間で、COVID-19肺炎に対する間葉系幹細胞を用いた治療法の開発に関する共同研究契約を締結し、新型コロナウイルス感染症に有効な新薬の開発にかかわる事業を新たに開始することを決議したと発表、これを材料視する買いを呼び込む格好となった。

■3DM <7777>  396円 (+80円、+25.3%) ストップ高

 スリー・ディー・マトリックス <7777> [JQG]がストップ高の396円に買われた。27日の取引終了後、イムノクロマト法による 新型コロナウイルス抗体検査キットを開発し、欧米向けに供給している中国プロメテウス・バイオ社と協力し、日本で検査キットの開発を行うと発表したことが好感されている。プロメテウス社の検査キットは、血液、血清及び血漿中の2019-nCoVに対する抗体を検出する体外診断薬用の免疫測定法で、新型コロナウィルス感染による免疫能獲得の存在を示唆する抗ウイルス抗体を検出することが可能。20年3月18日付でCEマーキングを取得している。なお、20年4月期業績予想には影響ないとしている。

■PLANT <7646>  650円 (+100円、+18.2%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。PLANT <7646> がストップ高の650円に買われた。27日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(19年9月21日-20年3月20日)単独業績について、売上高が450億円から459億6500万円(前年同期比6.0%増)へ、営業利益が5000万円から1億2500万円(同18.3%減)へ、純利益が3500万円から1億4600万円(前年同期36億9800万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。消費税増税後の反動減が発生し、その後は買い控えが続くものと想定していたものの、20年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による内食需要の高まりから食品及びその他関連品の売り上げが伸長したことが寄与した。

■イビデン <4062>  2,886円 (+442円、+18.1%)

 東証1部の上昇率3位。イビデン <4062> が続急騰。同社が27日取引終了後に発表した20年3月期決算は、営業利益が前の期比94%増の196億8500万円と急拡大をみせた。従来予想は170億円だったが、そこから26億円強も上振れて着地する格好となった。更に、21年3月期の営業利益予想については前期比37%増の270億円予想と強気の見通しを示しており、これが投資資金を呼び込む材料となった。車載用や次世代通信規格5G向けに半導体パッケージなどの需要が好調に推移するとみられている。

■ランシステム <3326>  540円 (+80円、+17.4%) ストップ高

 ランシステム <3326> [JQ]がストップ高。27日の取引終了後、ホットランド <3196> 、コシダカホールディングス <2157> 、USEN(東京都品川区)と共同で「スナックタウン(β版)」の運用を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。同サービスは、ユーザーがスマートフォンでアクセスして事前にポイントをチャージし、ライブ配信機材を設置したスナック店舗とオンラインでつながることができるもの。4社は、これまで独自の店舗経営やフランチャイズ経営、店舗経営の支援について実績があり、最近の社会情勢で影響を受ける店舗に対し、効果的な支援策を打ち出すべきという大局的な判断のもとに各社の知見を結集したとしている。

■日リーテック <1938>  2,303円 (+330円、+16.7%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率4位。日本リーテック <1938> が急伸。東証が7日に発表したTOPIX浮動株比率の定期見直しのリバランス需要は、28日の引けにかけて発生したとみられている。両銘柄はこのリバランスに伴うインパクトが大きいとみられており、買いが膨らんだ様子だ。

■NESIC <1973>  5,060円 (+480円、+10.5%)

 東証1部の上昇率10位。NECネッツエスアイ <1973> が続急騰し、一時前日比11.1%高の5090円に買われた。28日の前引け後に発表した20年3月期連結決算が、売上高3036億1600万円(前の期比9.2%増)、営業利益162億4500万円(同27.2%増)、純利益94億2200万円(同6.0%増)となり、営業利益が会社側計画の150億円を上振れて着地したことが好感された。なお、従来40円と予定していた期末配当について2円増の42円とし、通期では82円とした。前の期実績に対しては4円の増配となる。働き方改革に関連したICTサービスやホテル向けネットワーク構築を中心としたデジタルソリューション事業の拡大に加え、消防救急システム・防災行政無線システムやメガソーラーなどの国内施工、保守・運用の両面でエンジニアリング&サポートサービス事業が拡大した。また、売上高の増加に伴う固定費の効率が向上したことに加え、組織横断的な人材活用を通じたリソース効率の向上やプロジェクト管理の徹底などで、収益性改善効果が想定以上に進展していることが利益を押し上げたという。同時に、5月31日を基準日として、1株を3株に株式分割すると発表しており、これも好材料視された。投資単位あたりの金額を引き下げることで、投資家の利便性の向上及び株式の流動性の向上を図ることを目的としている。なお、21年3月期の連結業績予想について、現時点では新型コロナウイルスによる影響が業績に与える不確定要素が大きく、合理的に算定することが困難なため未定としている。

■ルネサス <6723>  526円 (+46円、+9.6%)

 ルネサスエレクトロニクス <6723> が続急伸。3月下旬に底入れ後、直近は400円台後半で売り物をこなす展開を見せていたが、28日は大幅続伸で大勢2段上げの動きを鮮明化させた。同社が27日取引終了後に発表した20年1-3月期決算は最終損益が112億8900万円の黒字(前年同期実績は19億900万円の赤字)となった。同社は車載用半導体大手だが、半導体流通在庫の調整が進展し収益改善が進んでいる。今後の見通しは新型コロナウイルスの影響もあり不透明感が強いが、足もとの好決算を好感する買いが優勢となった。コミットメントラインを倍以上に増やす検討をしていることも合わせて明らかにしており、これも人気を助長した。

■信越ポリ <7970>  875円 (+61円、+7.5%)

 信越ポリマー <7970> が続急伸。同社は27日大引け後に決算を発表。20年3月期の連結経常利益は前の期比0.9%増の80.9億円になり、従来予想の80億円を上回り、減益予想から一転して増益で着地。8期連続増益となった。なお、21年3月期の業績見通しは開示しなかった。同時に、前期の年間配当を16円→18円(前の期は16円)に増額し、今期の年間配当は未定とした。

■新光電工 <6967>  1,361円 (+86円、+6.8%)

 新光電気工業 <6967> が急反発。同社は27日大引け後に決算を発表。20年3月期の連結経常利益は前の期比37.1%減の48.1億円に落ち込んだ。なお、21年3月期の業績見通しについては配当(25円)以外は開示しなかった。

■コーテクHD <3635>  3,015円 (+190円、+6.7%)

 コーエーテクモホールディングス <3635> が急反発。株価は約2ヵ月ぶりに3000円台を回復した。27日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の188億6900万円に伸び、3期連続で過去最高益を更新した。減益予想だった従来計画の160億円から大幅上振れ着地となり、これがポジティブサプライズとなった。一部タイトルの発売が延期となったものの、オンライン・モバイル分野でIP許諾タイトル「三国志・戦略版」が中国で大ヒットし、ロイヤルティー収入が大きく伸長したことが利益を押し上げた。併せて、前期の年間配当を52円から61円(前の期は55円)に増額したことも好感されたようだ。なお、なお、21年3月期の業績見通しは開示しなかった。

■メタウォータ <9551>  4,305円 (+215円、+5.3%)

 メタウォーター <9551> が急反発。27日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益は81億3200万円(前の期比6.7%増)で着地。続く21年3月期の同利益は90億円(前期比10.7%増)と8期ぶりに過去最高益を更新する見通しになり、これを好材料視する買いが向かった。今期は公民連携事業をはじめとする大型案件や長納期案件などの受注が順調に積み上がるなか、収益力の強化に向けた合理化やコスト削減などに注力し、利益率が向上する見込みだ。なお、新型コロナウイルスの感染拡大による業績への影響は織り込んでいない。併せて、今期の年間配当は前期比9円増の80円に増配する方針としたことも評価材料となったようだ。

■みらかHD <4544>  2,444円 (+104円、+4.4%)

 みらかホールディングス <4544> が大幅反発。28日午前10時ごろ、子会社富士レビオが新型コロナウイルスの抗原を迅速かつ簡便に検出する検査キットを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認を申請したと発表しており、これが好感された。同キットは、感染症における抗原検出法の一つである酵素免疫測定法とイムノクロマトグラフィー技術を組み合わせたプラットフォームを用いており、採取した検体中に含まれる新型コロナウイルスの抗原を検出するという。特別な検査機器を必要とせずに、簡便かつ短時間で結果を得ることができるのが特徴という。

■能美防災 <6744>  2,129円 (+79円、+3.9%)

 能美防災 <6744> が大幅高で4日続伸。27日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高が1140億円から1172億5000万円(前の期比9.8%増)へ、営業利益が120億円から151億円(同32.9%増)へ、純利益が80億円から105億円(同34.5%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。堅調に積み上げてきた受注高を背景に売上高が計画を上回ったことに加えて、比較的採算性の良い物件が集中したことや業務効率化による原価低減の取り組みが奏功したという。

■太陽HD <4626>  4,375円 (+160円、+3.8%)

 太陽ホールディングス <4626> が4日続伸。28日正午ごろ、子会社の太陽ファルマが、英アストラゼネカ社(ロンドン)日本法人が日本で製造販売を行っている高血圧・狭心症・不整脈治療剤「インデラル」など長期収載品4製品の製造販売承認及び製造販売権などを譲受することで合意したと発表しており、これが好感された。譲受価格は非開示。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。

■塩野義 <4507>  6,001円 (+211円、+3.6%)

 塩野義製薬 <4507> が5日続伸。27日の取引終了後、新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチンの開発を正式に決定したと発表しており、これが好感された。同社グループでは子会社UMNファーマが、日本医療研究開発機構(AMED)の支援する研究開発課題である「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発に関する研究」に今年3月から参画し、UMNファーマの有するBEVSと呼ばれる技術を活用した組み換えたんぱく抗原の作製を進めているが、同ワクチンの開発を治療薬の創製と並ぶ最優先プロジェクトの一つに位置付け、20年内の臨床試験開始を目指すという。将来的には1000万人規模の提供を可能とするよう、生産体制の拡張なども検討するとしている。

■前田工繊 <7821>  2,047円 (+69円、+3.5%)

 前田工繊 <7821> が大幅反発。27日の取引終了後に発表した第2四半期累計(19年9月21日~20年3月20日)連結決算が、売上高216億8300万円(前年同期比13.0%増)、営業利益28億2900万円(同1.6%増)、純利益20億900万円(同9.1%減)となり、営業利益が従来予想の23億5000万円を上回って着地したことが好感されている。公共工事事業で盛土補強材や排水材、斜面防災製品、森林保全製品などの売り上げが順調に推移したことに加えて、原価低減、運賃など上昇分の販売価格への転嫁が奏功した。また、不織布関連製品でマスク関連製品の特需が発生したことなども寄与した。なお、20年9月期通期業績予想は、売上高403億円(前期比6.5%増)、営業利益45億円(同15.8%減)、純利益33億円(同18.7%減)の従来見通しを据え置いている。

■ダイト <4577>  3,715円 (+120円、+3.3%)

 ダイト <4577> が大幅反発。27日の取引終了後、新型コロナウイルス感染症への治療効果が期待される抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の受託製造について、富士フイルム(東京都港区)と合意したと発表しており、これが好材料視された。7月に本社工場(富山市八日町)で生産体制を整え、9月から製造を開始する予定という。なお、同件が20年5月期業績への影響はないとしている。

■パナソニック <6752>  797.1円 (+23.5円、+3.0%)

 パナソニック <6752> が大幅続伸。27日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高は7兆7000億円から7兆4500億円(前の期比6.9%減)へ下振れた一方、最終利益は2000億円から2100億円(同26.1%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、外出制限などに伴う販売減少があったほか、部品調達に支障が生じたことで売上高は減少したが、法人税などの負担が減少した。

■太陽誘電 <6976>  2,940円 (+74円、+2.6%)

 太陽誘電 <6976> が続伸、一時5%を超える上昇をみせ3000円大台を回復する場面があった。同社が27日取引終了後に発表した20年3月期決算は、最終利益が前の期比25%減の178億円と大幅減益となった。従来予想は250億円で大きく下振れての着地となった。これは子会社の減損損失計上などの影響が反映されたもの。本業のもうけを示す営業利益は370億円(前の期比5%増)と増益を確保したものの、計画を10億円下回っている。ただ、株価は25日移動平均線を足場にマドを開けて上昇した。信用買い残は直近信用倍率が0.88倍と売り長で株式需給関係は良好。目先は買い戻しで上昇圧力が働いた格好となった。

■SBテク <4726>  2,706円 (+42円、+1.6%)

 SBテクノロジー <4726> が大幅高に買われ、年初来高値を更新した。27日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益は前の期比32.4%増の30億3300万円に拡大して着地。続く21年3月期も前期比18.7%増の36億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。今期はテレワークの定着やデジタル化の加速を背景に広がるクラウドセキュリティ需要の取り込みに注力するほか、ソフトバンク <9434> のIT領域におけるベンダーマネジメント案件の拡大を見込んでいる。併せて、前期の年間配当を20円から30円(前の期は20円)に増額し、今期も30円を継続する方針としたことも好感されたようだ。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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