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【特集】「マッチングサービス」新成長期突入、コロナ禍でオンラインの強さ発揮 <株探トップ特集>

新型コロナウイルスの感染拡大で対面サービスが苦境に立っている。その一方、ネットなどを活用して人と人をつなぐマッチングサービスは新たな成長局面を迎えようとしている。

―M&Aや就活、婚活などで展開力、都市と地方の人材の融合にも活用余地―

 新型コロナウイルスの感染が東京などで急速に拡大している事態を受けて、政府は7日ついに「緊急事態宣言」を行った。これに伴い、企業においても自粛を徹底する動きが広がることは避けられず、景気への大きな影響が出ることは必至の情勢だ。今後はオンラインで容易に顧客対応ができることで躍進していく事業と、実店舗と対面サービスに依存するため苦境に陥る事業との格差は鮮明となるだろう。こうした状況のなかで、注目を集めるのがマッチングサービスだ。外出が自粛されても、オンラインなどにより人と人をつなぎサービスを提供するマッチングサービスは、新たな成長局面を迎えそうだ。

●「緊急事態宣言」でオンライン可能業種の成長性が鮮明に

 新型コロナウイルスの感染が都市部で急速に拡大している事態を受けて、安倍首相は、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に「緊急事態宣言」を発出した。期間は5月6日までをメドとしている。これ以上、新型コロナの感染者を拡大させないため、企業においても自粛を徹底する動きが広がることは避けられず、景気への大きな影響が予想される。

 これからの1ヵ月は日本において試練の局面となるが、既に東京都などから出された3月の外出自粛要請のなかで、企業のテレワーク導入が市場の話題となり、そのサービスを展開する企業が市場で賑わいをみせている。また、3月の米雇用統計では、就業者数が70万1000人減少したが、そのうちの約3分の2はレジャー業界や接客を伴う業種であり、レストランやバーなど飲食店関連の失業率が目立っている。一方で、リモートで作業できる職種である情報通信・金融関連などの雇用者数はほぼ変わらずだった。また、コンピューターシステム設計、経営コンサルティングといった分野の雇用は増えている。

 オンラインで容易に顧客に対応でき、躍進していく事業と、実店舗と対面サービスに依存するため苦境にある事業の差は明白だ。日本でも同様の流れがみられており、株式市場の物色にも明確に表れ始めている。

●当面は「リモート恋愛」も婚活事業で成長余地

 マッチングサービスというと、人と人をマッチングさせる婚活アプリが話題になることも多い。実際、米国においてマッチングアプリ「S'More(スモア)」のユーザー数が増加している。ユーザーはアプリのチャットとビデオ機能を重視しているようであり、今は外出が難しく見知らぬ人同士が連絡を取り合って恋愛をする余地はほとんど失われているものの、人は長く隔離されればされるほど、人付き合いが恋しくなるともいわれている。コロナ禍の一巡が期待されるものの、パンデミック(世界的大流行)を受けて、ソーシャルディスタンス(人と人との距離)を保つことが重要なこととされるなか、「リモート恋愛」といったニーズもありそうだ。

 サイバーエージェント <4751> では、グルメや映画、スポーツ観戦など好きなことから恋の相手を見つけることができる恋活・マッチングサービス「タップル(tapple)誕生」を展開。ネットマーケティング <6175> は、恋愛マッチングサービス「Omiai」を運営。イグニス <3689> [東証M]は、恋愛・婚活マッチングサービス「ウィズ(with)」を運営する。リクルートホールディングス <6098> は、グループのリクルートマーケティングパートナーズで「ゼクシィ縁結び」を運営している。また、日本最大級の結婚相談所ネットワークを有するIBJ <6071> は、子会社であるDiverseとLINE <3938> が共同出資の新会社「HOP」を設立。価値観やスタイルの変化に適応した新たなマッチングサービス事業に参入している。

●パソナGやシェアテク、ビザスク、みらいワークスなど注目

 また、事業承継といったM&Aが増加することが想定される。経営者の高齢化や後継者不足など事業承継が問題となるなか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、更に事業の存続にも大きく影響してくることが考えられる。ストライク <6196> は日本国内の中堅・中小企業を対象としたM&A仲介業務を行っており、足もとでは事業承継ニーズを中心にM&A市場が順調に拡大している。日本M&Aセンター <2127> も中堅・中小企業を中心とした大手M&A仲介会社であり、M&Aキャピタルパートナーズ <6080> は中小企業を主なターゲットに、企業買収や売却、合併、資本提携などのサービスを提供している。

 そのほか、パソナグループ <2168> は、グループのパソナJOB HUBとJAL <9201> において、都市人材と地方企業のマッチング事業で協業しているほか、JTB(東京都品川区)との連携で、都市部の複業希望者と離島の事業者とのマッチングを行うサービスを展開。シェアリングテクノロジー <3989> [東証M]は、生活や暮らし情報に、いざという時の葬儀情報までを網羅し、全国加盟店とユーザーのマッチングサービスを行っている。ビザスク <4490> [東証M]は日本最大級のスポットコンサルを展開しており、プロである個人と、企業・ユーザーをマッチングする。ビーイング <4734> [JQ]は土木関連で建設業者と資材業者をマッチングする。みらいワークス <6563> [東証M]は企業とフリーのコンサルタントのマッチングサービスを展開している。

 新型コロナウイルスの感染拡大による行動自粛のなかで、今後もさまざまなマッチングサービスが生まれてくる可能性が大きいと考えられ、新サービス参入企業の動向には注視しておく必要があるだろう。

株探ニュース

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