【特集】高成長【始動】候補リスト〔第2弾〕 11社選出 <成長株特集>
Jストリーム <日足> 「株探」多機能チャートより
下表では、時価総額50億円以上1500億円未満の銘柄の中から、本決算月にかかわらず、直近四半期に前年同期比で【10%増収・20%経常増益】を2四半期もしくは3四半期連続で達成した11社を、“高成長「始動」候補”として選び出し、直近四半期の増益率が大きい順に記した。これから高成長が期待できる有力候補として、連続で収益が拡大し始めた企業に注目した。
直近四半期の増益率が最も大きかったのは、ICT(情報通信技術)関連の技術に優位性を持つ富士通系ディーラーの都築電気 <8157> [東証2]。19年10-12月期(第3四半期)は「Windows7」のサポート終了に伴うサーバーやパソコンの更新需要が追い風になったほか、消費税率変更対応のシステム構築案件が大きく伸びた。さらに、大規模なITインフラ構築案件も引き続き活発に推移し、経常利益は前年同期の4400万円から6億6000万円に急拡大した。指標面では予想PER6.8倍、PBR0.6倍と割安感が強く、株価の水準訂正余地は大きいとみられる。
3位のOSGコーポレーション <6757> [JQ]はフランチャイズ事業で18年秋から展開する食パン専門店が絶好調で、11-01月期(第4四半期)経常利益は前年同期比8.2倍の2.1億円に膨らんだ。同時に発表した21年1月期の同利益は前期比11.5%増の8.2億円と17期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。同社は2日午後に、新型コロナウイルスによる需要急増で衛生関連製品の3月売上高が前年同月比6倍超に急増したと発表し、株価は連日ストップ高を演じている。
4位のホロン <7748> [JQ]は半導体の微細化に向けた次世代露光技術「EUV(極端紫外線)」関連の有力株として注目を集める。直近3ヵ月の10-12月期(第3四半期)は半導体メーカーがEUV露光への設備投資を積極化するなか、主力のフォトマスク用電子ビーム測定装置などの販売拡大が継続し、2四半期連続で経常利益の最高益更新を果たした。業績好調を踏まえ、3月23日に通期計画を大幅上方修正している。
5位に入ったAmazia <4424> [東証M]の10-12月期(第1四半期)は主力のマンガアプリ「マンガBANG!」で、繁忙期の年末に利用者ニーズに合った人気作品を集中配信し、課金収入や広告収入が急増した。第1四半期の経常利益は2.9億円と上期計画(2.8億円)をすでに上回っており、業績上振れは濃厚とみられる。株価は新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、巣ごもり消費関連の一角として脚光を浴び、全体波乱相場の中で頑強な展開を続けている。
8位のナガオカ <6239> [JQ]は石油プラント内部装置の大手。10-12月期(第2四半期)は前期に受注したプラント内部装置の大口案件の製造が進んだうえ、材料調達で仕入れ価格の引き下げに成功したことも利益を押し上げ、2四半期連続で大幅増収増益を達成した。上期の経常利益(6.6億円)は昨年11月に上方修正した通期計画(8.4億円)に対して進捗率が78.9%に達しており、さらなる上振れが期待される。
9位にリストアップされたJストリーム <4308> [東証M]の10-12月期(第3四半期)は昨年8月末に連結子会社化した医薬系企業向け映像・コンテンツ制作を主力とするビッグエムズワイの業績上積みが収益を押し上げた。また、配信事業ではオンライン講演会など医薬系企業のライブ配信案件の受注が回復した。動画配信に強みを持つ同社は巣ごもり関連やeラーニング関連としても注目度が高く、株価は13年ぶりの高値圏で推移している。
┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益 予想
コード 銘柄名 増益率 直近四半期 増収率 直近四半期 連続期数 PER
<8157> 都築電 1400 660 18.4 28740 2 6.8
<6091> ウエスコHD 717 147 17.2 2146 2 9.6
<6757> OSGコーポ 715 212 53.6 2410 3 20.5
<7748> ホロン 602 590 123.0 1494 2 13.3
<4424> Amazia 373 293 185.0 1641 2 77.3
<9867> ソレキア 211 137 23.2 5644 2 13.4
<5922> 那須鉄 188 561 11.2 5134 3 1.6
<6239> ナガオカ 162 312 48.0 1834 2 7.9
<4308> Jストリーム 118 183 45.1 2351 2 70.7
<2150> ケアネット 41.4 205 31.5 1122 2 17.6
<3800> ユニリタ 33.5 379 10.1 2608 2 13.5
※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。
株探ニュース