【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─この局面での物色テーマ&有望銘柄を探る!
株式評論家 杉村富生
「この局面での物色テーマ&有望銘柄を探る!」
●国、企業は臨戦態勢に突入!“コロナウォーズ”!
マーケットは相変わらず、新型コロナウイルス騒動に振り回されている。もはや、これは戦争だ。まさに、“コロナウォーズ”である。企業活動、市民生活は大きな制約を受けている。世界では38億人が外出制限など規制の対象になっている、という。国、企業は臨戦態勢にある。
パンデミック(急激な感染拡大)に対応するにはやむを得ない措置だ。この結果、人と物の移動がストップ、インバウンドがダメージを被っているほか、サプライチェーン(供給網)が寸断され、自動車業界を中心に減産、操業停止が相次いでいる。
証券業界では大手証券の従業員の半数が自宅待機だ。営業部門も例外ではない。4月1日は新営業年度入りとあって、営業攻勢を期待したい局面だったが、前線に“兵”が不足している。いや~、担当者が不在では相談ができないし、注文が出せないじゃないか。
結果として景気は大幅に落ち込み、企業業績の悪化は不可避である。足もとの相場は実勢悪の顕在化と政策対応の効果との綱引き(せめぎ合い)だろう。ただし、悪い景気指標の発表、業績の下方修正などが先行する。
実際、日経平均株価の1株利益(予想ベース)は1496円絡みと、この数カ月で約200円減少した。これは12%減益ペースだが、最終的には20%減益が避けられない。この場合、1株利益は1370円前後に落ち込むだろう。
●株価の先見性(+)明るい兆しの出現!
暗い話ばっかりではないか?現実はそうだ。これに目をそむけてはいけない。しかし、株価には先見性がある。株価指標的には「最悪シナリオ」をかなり織り込んだ(歴史的な安値ゾーン)、と思う。
それに、ここにきて、変化の兆しが見え始めた。もちろん、明るい話である。まず、第1はVIX(恐怖)指数の低下だ。3月中旬に82.69ポイントと、リーマン・ショック時の80.06ポイントを上回ったが、現在は50~51ポイントにとどまっている。
第2は原油価格の下げ止まりだ。今回の暴落はコロナ・ショックに加え、“逆”オイル・ショックの側面があった。この関連ではNEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN <2038> [東証N]の買いはどうだろうか。3月19日には289円の安値があった。それがジリジリと水準を切り上げている。もっとも、まだ310円絡みのドン安値圏だが……。
第3はマザーズ市場の復活である。4月2日は値上がり率ランキング50傑のうち、20銘柄がマザーズ上場銘柄だった。これは個人投資家の参戦を意味する。このデータは全般相場の先行指標になり得る。
一方、物色面はどうか。テーマ的にはテレワーク、 遠隔診療、オンライン教育、EC(電子商取引)、巣ごもり消費、ローカル5G(次世代通信網)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GIGAスクール構想などがメーンとなろう。
具体的には医用画像処理、大出直りのレオクラン <7681> [東証2]、遠隔診療のMRT <6034> [東証M]、医療改革のメドレー <4480> [東証M]、3DプリンターのJMC <5704> [東証M]、画像配信のビーマップ <4316> [JQG]、医療情報プラットフォームのWelby <4438> [東証M]、IT営業支援、深押しのギグワークス <2375> [東証2]などに注目できる。
2020年4月3日 記
株探ニュース